なぜ、優秀な君はグループディスカッションで落ちるのか
はじめまして、こんにちは、こんばんは。ナイル株式会社で採用人事をやっている渡邉です。同僚に触発されて初noteです。
先日7月頭に弊社のサマーインターンが終わりました。ちょうど今サマーインターン選考中の20卒学生のみなさんも多いと思うので、そんな20卒学生の皆さんに向けて記事を書いてみます。(自己紹介記事は今度改めて書こうと思うので、興味ある方はこちらをご覧ください。)https://www.wantedly.com/companies/nyle/post_articles/53580 )
サマーインターンの選考として定番なグループディスカッション
弊社ナイルでは、4月末にエントリー開始、5月〜6月選考、7月初旬イベント開催とかなりベンチャーのなかでもかなり早期にサマーインターンを開催しました。自分も選考官として参加したのですが「GDやったことある人ー?」と質問したらその時点ですでに3-5回やったことある学生さんがわりと多かったです(昨年は同時期でも初めての人のほうが多かった印象です)。就活を意識している学生は年々動き出しが早くなってますね。
弊社含めてインターン選考にグループディスカッション(以下、GD)をやっている会社も多いと思います。
それに伴ってか、早くから就活支援団体や就活エージェントのグループディスカッション対策に参加している学生も増えている印象です。外資コンサル/外資投資銀行に内定をもらった先輩たちがフィードバック担当になっていたりするGD対策講座、ロジカルシンキング講座みたなものがここ数年で少しずつメジャーになってきています。
そういった講座を通してすでに何回もGDを経験しているのに、いざGD選考で議論をみてみると、あまりうまく議論出来ていない学生が多くいるなと感じます。なぜそういった状況になってしまっているのでしょうか。
GD対策は早くからしている、なのに合格できない
こんな課題感を抱いている学生は、以下のいずれかに当てはまっていないでしょうか。
①正論ぶちかまし野郎になっている
②フレームワーク厨になっている
③自称ファシリテーターとして皆を置いてけぼりにしてる
①正論ぶちかまし野郎になっている
外銀・外コン向けに「ロジカルシンキング対策講座」や「フェルミ推定講座」などを何回も受けている学生はこれになっている傾向が強いです。一つひとつロジックを積み上げて考える思考法が身につきすぎているため、チームで議論していて少しでも「論理の穴」を見つけてしまうと、そこを指摘せずにはいられなくなってしまうのです。確かに言っていることは正しいかもしれないけど、別に企業側は批評家を求めているわけではありません。
②フレームワーク厨になっている
「MECEに考えると〜」「ロジックツリーが〜」「定量的に考えると〜」みたいな発言が多い人。もちろんこの思考のフレームワーク自体は悪いわけではなく、効率的に議論を進めていく上ではとても役に立つものでもあります。ただ、例えば制限時間が15分の中で定量的なデータを徹底的に調べることや、MECEに構造分解して一つひとつを仮説検証することにどこまで意味があるのでしょうか。
③自称ファシリテーターとして皆を置いてけぼりにしてる
GDの進め方をわかっているが故に、チームメンバーの知識格差を無視して、自分ひとりで議論をどんどん進めていってしまうタイプ。一見議論は進んでいるようみ見えるけど、ほかメンバーを置いてけぼりにしてしまっているため、選考官からしたら「空気を読まずに自分勝手にすすめてしまう人」に見えてしまい、評価されない場合があります。
グループディスカッションに”完璧な正解”はない。ただし’企業における正解’’は必ずある。
企業は完璧な議論を求めてはいない
「企業側としては反論の余地のない完璧な議論を求めているわけではない」ということです。時間が限られている中でどうやってチームで議論を進めていくのか、コンセンサスをとっていくのか、チームの中でのその人のコミュニーケーションの取り方や、チームとしてのアウトプットがいかにいいものなのか、こういったポイントを見ています。
MECEな考えや定量データみたいなものに惑わされすぎない方がいいです。もちろん数日間あるなら話は別ですが、たかだか数十分の議論にそこまで求めないです(少なくともナイルではそういったGDテクニック的なところはそんなに重視していません)。
ただし”企業における正解”は必ず存在する
もちろん、ただなんとなくで学生を評価しているわけではありません(そういった会社もあるかもしれませんが、そこはもはや相手にしなくていいです)。ロジカルシンキング、アイディア、他者とのコミュニーケーション、ファシリや議事メモなどのロール、そういったGDにおける評価項目に加え、企業のカルチャーというものが暗黙知的に評価項目には必ず影響しています。
個を重視するのかチームワークを重視するのか、アイディアと課題解決力どちらがいいのか、などこういったものは企業によって異なるので、選考官も自然のその企業におけるカルチャーに沿って評価したりフィードバックしているはずです。こういったものは企業理念や行動規範、事業モデルに影響されているので、GDで高評価を取りたいならその企業のクセを見抜いた方がいいかもしれませんね(かなりテクニカルな話ですが)。
GD対策の限界を知る、そして自分の意思をもつ。
特に外コン・外銀志望で早くからGD対策本を読んだり、GD対策講座に参加したりしている学生に知っておいて欲しいのはこれです。
いわゆるコンサル系で対策するGDテーマでは、ある課題があってそれに対するソリューションをロジックを積み上げて考えていくことが多いのではないでしょうか。それになれている人がベンチャーなど事業会社のGDで同じようなアウトプットをしても全然評価されない、そういった経験がある人も多くいるはずです。それは何故か。
これはコンサルサイドと事業サイドの価値の出し方の違いから生まれてくるものだと思います。事業会社は「どういった人に対して(ターゲット)」「どういう理想状態にするのか(ゴール設定)」「どんな価値を生みだしたいのか(想い)」を常に考えて事業を作る側で、コンサル系はそういった事業会社に対して「課題発見」と「課題解決」を価値提供する側という違いです。
そして、よくあるGD対策本はコンサル出身の人が書いていたり、GD対策講座もコンサル向けにやられているケースが多いため、どうしても事業側として大切にしている「誰に対して(ターゲット}」や「ゴール設定」、「どんな想いでやるのか」といったものが抜け落ちてしまうのです。これは学生側の能力の問題ではなく、対策してきたものの中にその項目が入っていないことが原因です。なので結果としてデータを分析してロジックで導き出した「当たり障りのない平均的なアウトプット」になってしまうことが多いのです。
と、色々言いましたが別にコンサル系GD対策が意味がないと言いたいわけではなく、事業会社とコンサル会社ではこういった評価ポイントの違いがあるので、そういった点を踏まえて事業会社を受ける場合には「自分がどうしたいのか(例:誰にどんな価値を提供したいのか)」という意思をもってアウトプットするのが大事だと言うことです。
色んなGDを通じて自分に相性のいい業界/企業を知る
まだサマーインターンの時期で「この業界」と絞っている学生の方は少ないと思うので、ベンチャーや大手、コンサル系など色々参加してみて、自分の相性のいい業界や会社を見定めるのが良いのではないでしょうか。
各企業が色々とフィードバックしてくると思いますが、「各社毎回同じフィードバックしてくるポイント」と「自分が納得いく内容」だけ素直に受けとめて改善し、それ以外のことは一切無視していいと思います(上述した通り企業によって評価のクセが異なるので)。
その中で大事なのは「数をこなしたことで成長したつもりになって満足すること」ではなく、「自分の価値観に合う/合わないを見定めていく」ことだと思います。
初回からかなり長くなりましたが、皆さんが就活やっていく上で少しでも参考になったのであれば嬉しいです。TwitterやワンキャリQAもやっているのでよかったらフォローや質問よろしくお願いします。
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