初めてのカウンセリングと得た大きな気付き
韓国系アメリカ人インフルエンサーJenn Imが、自分自身のセラピー体験について語っている動画がとてもよかった。
この動画を見て、私も自分自身のカウンセリング体験を書いてみようと思った。
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私自身は、もう何回もカウンセリングを受けている。
もともと大学で心理学を学んでいたし、周りにカウンセラーを職としている友人が数名いることもあり、カウンセリングに対する心理的ハードルはとても低かった。カウンセラーという自分では選ばなかった道が、実際にはどういうものなのかという興味もあったと思う。
最初にカウンセリングを受けたきっかけは、職場でのストレスが原因だった。私は、同僚のAさんが大嫌いだった。
しかし、もともとAさんが嫌いだった訳ではない。私はもともと自分のボスも、チームも大好きだった。しかし三ヶ月間で、Aさんへの嫌悪がむくむくと大きくなり、些細なことでも彼に腹がたち、会社に行きたくない、顔も見たくないと思うほどになった。
何かがおかしいと思った。だってあんなに皆を好きだったじゃない?と。
初めてのカウンセリングで、自分が置かれている状況についてひととおり話した。カウンセラーに質問され、答えて、自分の感情を確かめ、掘り下げていく。
すると、私が彼のことを嫌いと思っていたのは、なんと「役に立ちたいのに、貢献できないフラストレーション」からとわかった。
カウンセリングを受ける3ヶ月前、私は昇進してチームを牽引する存在となった。オーストラリアのオフィスでは初めてのポジションで、わからないことだらけ、でも近くに聞ける人もいなかった。責任も、やることもぐっと増えた。
チームの皆は私を頼って、いつも質問を投げかけてくる。けれど、今までみたいにすっと答えられなくなることが多くなった。(私だってわからないのに...)(私には誰も教えてくれる人がないのに...)いつもそんな思いを抱え悶々としていた。
カウンセリングの最後の方に、「もしその人に何か言葉をかけるとしたら、何と言いたいですか?」と聞かれ、出てきた言葉は
「助けたい。けど、今は私もいっぱいいっぱいで無理です。」という言葉だった。
Aは私が昇進する前も、常に私を頼って質問をしてきた。でも、知識不足でAの質問に答えられない事が続くと、それがフラストレーションとなった。できない、わからないと言わず、全て自分でなんとかしようとしていた責任感の強さも原因だろう。そのフラストレーションが投影されて、Aの事を”嫌い”と思うようになっていったのだと思う。
「嫌い」の原因が、「役に立ちたい」思いだったなんて、自分でも驚いた。なんとこじれた投影の仕方だ、と。
それと同時に、カウンセラーに相談して本当によかったと思った。
もし、同じ話を友人や家族に話したら、きっとこの気づきは得られなかった。ありがたいことに、友人や家族は私の味方でいてくれるから、私の偏ったエピソードを聞いたらきっと「それって最低だね!」とか、「あなたは悪くないよ!」と言ってくれる。
でも、私に必要だったのは共感や励ましではなく、自分の心を掘り下げ「嫌い」のもとを見つけることだった。自分の「嫌い」がポジティブな動機からきていることを知って希望を持てたし、これを機にもっと他の人にも助けを求めよう、自分ができないことを認めようと思えたから。
この体験をきっかけに、私はカウンセリングは自分の気持ちや思考を整理するのを手助けしてくれる有効な手段だと思うようになり、必要な時に活用していくようになった。
長くなってしまったので、また別のノートで、なぜオンラインカウンセリングを選んだのか、セラピストの選び方、カウンセリングをどういうものと思っているのか、数回に分けて書くつもりです。
追記:カウンセリング体験に関しては以下のマガジンにまとめました。
セルフケアについての動画も見てね