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エンタメをデザインで考察する|K-POPアイドルとデザイン その1

「エンタメをデザインで考察する」という連載を始めたいと思います。

「このアーティストのジャケットとかグッズがおしゃれ!」「このドラマの小道具気になる!」というのをチェックするのが大好きな編集部&社員が、最近気になるトピックスを皮切りに、「なんでおしゃれだなって感じたんだろう」「どうして流行っているんだろう」というところまで、ゆる〜いエンタメ×デザインについての考察をしていきたいと思います。

今回は、最近Xで見かけたSEVENTEENのベストアルバムのアートワークが気になる、という話から。

先日、SEVENTEENのベストアルバム「17 IS RIGHT HERE」が発売されましたね。
「17 IS RIGHT HERE」のDEAR ver.のパッケージがこちら。

ブルー地に、上下にピンク色の文字で「17」、中央に「IS RIGHT HERE」の文字が入っています。
「HERE」の右上に「DEAR」というあしらいが入っているのもオシャレですよね。

特にメンバーの写真が入っているわけでもなく、色も3色のみというシンプルなデザインではありますが、パッと見ただけでまず「K-POPらしいデザインだ…!」とわかりますし、なんとなくセブチと言えばピンク&ブルーというイメージがあったので、「セブチらしさ」も伝わってくるデザインです。

調べてみると、そのらしさはセブチのファン”CARAT”の公式カラーがローズクォーツ(Rose quartz/#E8CCBE)&セレニティ(Serenity/#93a9d1)であるところから感じているようでした。
公式サイトもこの2色を基調としたカラーが多用されていますよね。

この夕焼けと夜が混じり合うような色感がたまらんっ!
(2022年のFNSでの『DREAM』の時の空、めちゃくちゃマジックアワーで綺麗だなと思って見ていましたが狙ってたってことですか?(今更))

ちなみにこの「ローズクォーツ&セレニティ」の組み合わせは米国PANTONE社が発表する、2016年の流行色としても発表されている組み合わせ。
公式カラーとして発表されたのも同年なので、流行色を取り入れたのかもしれませんね。(2024年のカラーはPeach Fuzz(ピーチ・ファズ)だそう!)

そこで1つの疑問が。


このジャケットを見て「K-POPらしい!」と感じた要素はなんだったのでしょう。

他のK-POPアイドルのジャケットも見てみましょう。

TWICE「With YOU-th」

↓フォトカード告知

IVE × Saweetie 「All Night」


fromis_9「from our Memento Box」リリース告知

こうして並べてパッと見てみると、

・単色背景×単色文字

・  ”エレガントっぽ”フォント(流れるようなセリフ書体)

・斜め字体(シアー)

に特徴があるように感じます。(どれか2つでも要素があるとそれらしくなる)


日本のアイドルでいうと、最新のINIのシングルや、

SixTONESのアルバムでも「ジャケットがK-POPみがある気がする!」と感じたのはそうした文字使い・色使いから来ているかもしれません。

あしらいの共通点で見てみると、

・SEVENTEEN「17 IS RIGHT HERE」の17に「◇」(キラキラマーク)

・TWICE「With YOU-th」の「-」が「◇」

・SixTONES「THE VIBES」四隅に「+」(カメラのファインダーを覗いた時に見える線や、印刷の時のトリムマークにも見えますが、キラキラっぽくも見えなくは…ない?)

といったように「キラキラマーク」が入っていたり、

・SEVENTEEN「17 IS RIGHT HERE」の「DEAR」文字を囲む楕円形

・fromis_9「from our Memento Box」の「fromis_9」文字や「6PM」文字を囲む楕円形

といったように「楕円形」が入っていると一気にK-POPデザインっぽく見える気がします。


また、
・SEVENTEEN「17 IS RIGHT HERE」の「IS」の上の「SEVENTEEN THE BEST」の文字

・TWICE フォトカード告知画像の随所の文字

・SixTONES「THE VIBES」の「On sunny days…」以降の文字

・fromis_9「from our Memento Box」タイトル下の文字

など小さいポイントの文字がちょこちょこ入っているのも共通していそうですね。


というわけで、ここまでの特徴を踏まえて作ってみたのが今回の記事のサムネイルでした。フォントは「Amandine」の Light Italicを使用しています。

うーん!ちょっとはK-POP感でていますかね…?(笑)


日本のアイドルグループのCDジャケットは、写真が使用されることが多々。

CDショップも数は減ったとはいえ、まだCD現物を求めに足を運ぶ回数は0にはなっていません。
そうしてショップに出向いた時にいわゆる”ジャケ買い”される可能性や、「聴く用」「観賞用」「布教用」など、写真集やトレカのようにコレクション&交換される文化が日本にはまだあるゆえの、写真づかいなのかもしれませんね。
(先日CDショップで推しのCDを買ったら、発売記念レシートをもらって感動しました。現物文化も大好きです)



というわけで、今回はSEVENTEENのベストアルバムのジャケットから、”K-POPぽさデザイン”について考えてみました。

その一方で、いろいろなジャケットを見ている中で以下のようなジャケットにも出会います。

どこかエモなつかしさのあるような、それでいて新しいような。
これがいわゆる「Y2K」デザインでしょうか。

でも、実は分かったようで分かっていない「Y2K」ってそもそも何?どんなデザイン?という定義やその成り立ち。
というわけで次回は、引き続きK-POPアイドルと関連して

・改めて考える”Y2Kブーム”
・Y2Kっぽさってなんだろう?

について考えてみようと思います。

(デザイン有識者・フォント有識者からのお手柔らかなリアクションもお待ちしております♡)



(文 タンタン)


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