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スカパー!の放送センターが “聖地”に!ロケ対応社員に聞いた裏側&おすすめスポット

スカパー!の放送・配信センターを担っている、東京都江東区の東陽町にあるスカパー東京メディアセンター、通称TMC。
これまでもスカパー!noteでは、「放送技術のセカイ」として、TMCに勤務する社員に放送・配信技術の裏側を伺ってきました。

そんなTMCですが、今映画やドラマのロケで使用するロケ地としても使用いただいているのです!(ぼーっと仕事おわりにドラマを見ていたら突然TMCが出て来て、これは記事になるぞと目が覚めた編集部員です)

そんな、TMCでのロケ対応を開始させ、今まさに対応を担当している社員にそのきっかけやおすすめロケスポットなどお話を伺ってまいりました!


お話を聞いた人

左から、KKさん、KTさん、Uさん

KTさん
メディアオペレーション部 部長代行。
スカパー!の初期から様々な施策に携わっており、家電量販店での加入者獲得営業、Jリーグ事業の推進など数々の担当部署を経て、2年前に東陽町のスカパー東京メディアセンターへ。

KKさん
入社は今年で3年目。KTさんと同じメディアオペレーション部。
スカパー東京メディアセンターのスタジオ外販事業、制作技術、回線など年次ごとでやることも増えてきた、頼もしき若手社員!

Uさん
入社は今年で2年目。二人と同じメディアオペレーション部。
KKさんと同じく外販業務や、単発のライブの際には放送・配信の技術手配、対応を行っている。対応範囲をじわじわと幅広げ中。

スカパー!の放送センターがロケ地に!そのきっかけは?

――最初はどのようなきっかけで、TMCのロケ地としての貸し出しが開始されたのでしょうか?

KTさん「2年ほど前に異動してきてTMCのスタジオの外販活動をやっていた時に、お客様からの紹介でとある映画の撮影をやることになって。映画の中にテレビ局のシーンがあって、その撮影にうちのスタジオサブを使いたいっていう要望があってお貸ししたのが最初になります。その時に知り合った方と結構いろいろ話をしていると、(ロケ地としてTMCが)魅力があるって気づいたんです。それでKKともいろいろ話をして、情報を集めて、動き出したというのが経緯ですね」

――たしかに、テレビ局のシーンを撮影できる場所って限られてきますもんね。

KTさん「そうですね。最初の映画は1シーン2シーンのみで、半日ぐらいで終わる撮影だったんですけど、こんなにたくさんのスタッフが来るんだとかそういう雰囲気を掴んで、そこからいろいろシュミレーションして、半年間くらいかけて告知から当日のさばき方まで準備をしていきました。その最中に部署も新しくできてUもチームに加わって、みんなで動いていきましたね」 

――準備段階で大変だったことはありましたか?

KTさん「みなさん協力的だったのでやりやすかったのですが、館内をロケ地として利用するため、定常勤務者が通れない場所や時間帯が発生してしまうことがありました。どうやって定常勤務者にご了承いただけるのかを考えるのは少し大変でしたね」

――たしかに。撮影している場所は定常で勤務されている方は通れませんもんね。

KKさん「そうですね。その区画を区切って誘導員も置いて、当日は『あっちを通ってね』という案内もするんですけど、事前にそれをどうやって周知するかとかは考えますね。あと今我々のいる部署がメディアオペレーション部といって、建物の管理も担っている部署なんですよ。例えばエレベーターの点検とか、設備の故障だとか警備員さんの管理だとか。そういった管理も行っているから、従業員への案内や当日の整備もコントロールしやすかったっていうのもあるかもしれないですね」
 
――結構社内の交渉とかはスムーズに?

KTさん「そうですね。本部長もいいじゃないって言ってくれたのでスムーズに進められたのはよかったです」

KKさん「あとは(利用料の)値付けも結構大変で。相場もまちまちな中でどうやって値段設定をするかというところで試行錯誤していたんですけど、一旦は相場からではなく、税引き後利益率10%を目指して値付けをするところからスタートしました。2~3か月サービスを続けてきた結果、着々と実績を積んできていることもあって、ざっくり定価を値付けてみようか?といった話もあったりします。当社のロケ地としての価値や、相場と比較した時の妥当性がある程度つかめてきたので、このくらいの定価で売れるんじゃないか?みたいな話を良くしてますね」

KTさん「最初は本当に金額の相場わからなくて苦労したよね」

Uさん「はい(笑) わからなくて最初破格の値段で販売してしまったのはここだけの話です」

――そんなことがあったのですね!(笑)

KTさん「あと苦労したことは…一番多いときで何人ぐらい来たんだっけ?」

Uさん「100人くらいじゃないですかね?」

KTさん「そうか。エキストラもそうだし、監督さんから出演者からスタッフから100人近くいるわけですよ。だからけっこうコントロールが難しい。TMCはスカパー!の放送局も担っているから絶対に事故を起こしちゃいけないっていうのが1番なので、最初はすごくピリピリしていたし、今でもすごく気を使いますね」

――少しずつ経験を積みながら、安全な運用のための知見と、社員の理解を得られているということなのですね。

雑誌撮影にも使用された渡り廊下。

これまでどんな作品の“聖地”に?

――どのようにロケ地として広報を行っているのですか?

KTさん「『東京ロケーションボックス』っていう、東京都が運営しているロケ地の情報サイトで、東京都内で映画とかドラマとか撮影する人は必ずそこ見るっていうサイトに掲載したんです。そうしたら、そこに載せた途端毎日のように電話が鳴って、最初の2ヶ月ぐらいで50件ぐらい連絡が来たのかな」

――『東京ロケーションボックス』効果すごい!

KTさん「そうそう(笑) 12月はそこからドラマ2件とスチール撮影が2件あって、1月、2月と引き続き予約が入っているという状況ですね」

――たしかに、この前なんとなくドラマを見ていたら、あれ?これTMCじゃない?ってなって。

KTさん「(笑) 本当は社内にももっと宣伝したいのですが、事前に告知するのはできないので」 

――すでに公開されたもので言うと…?

KKさん「『マイダイアリー』と…あと『民王R』と…」

KTさん「『民王R』はすごく出てましたね」 

役員室にも使われた1室。近くの自動販売機は音を拾ってしまうために撮影中は停止することも。
『民王R』で土下座シーンに使われたソファ。

――そうなんですね!でもどちらも同じクールのドラマですよね、スケジュールの調整が大変そうな。

KTさん「そこはすごく大変ですね(笑)どう調整していくかは毎回試行錯誤しています。あと、日程も最初は候補日が複数提示されるから、1回100人規模だと会議室も全部仮押さえして。その辺りの調整が難しいですよね」

――結構いろいろな部屋を押さえていたけど、一気にリリースするみたいなこともあるってことですもんね。実際に使用されるときはどのようなプロセスをみなさん踏まれるのですか?

KTさん「最初はSPCC(スカパー!コールセンター)を問い合わせの窓口にしていて、そこに映画会社のコーディネーターの方が電話をかけてくださるんです。その方達が実際に見に来て、写真を撮ったりされて、おそらく複数の候補地から決められるのだと思います」

――実際に見学に来られた際、紹介する上で気を付けていることはありますか?

Uさん「例えばエントランスが気になって来ましたという方に対しても、今後の案件にもつながるようにと必ず隅々まで見ていただくことは意識しています。一旦見ていただくと、意外と他のシーンでも使っていただけたりすることもあって」 

――その方が違う作品を担当されるときにも、あそこ良かったって思っていただけるかもしれないですもんね。

Uさん「そうですね。実際に、こういうところありましたよね?って電話かけてくださる方もいらっしゃるので、あるのかなと思います」

KTさん「実際に色々な場所を見ていただくと、たとえば1階の演者さんが使うトイレも鏡が広くていいらしくそこが撮影に使われたりして。意外と可能性が広がるなと思いますね」

KKさん「当日使用するイメージを持てるよう心がけてご説明をすれば、安心してご利用いただけるんじゃないかと思っています。そのため、当日の使っていい部屋や控え室、注意事項も含めてなるべく具体的に伝えるようにしています」

取材当日、館内を3人で案内していただきました

担当者おすすめスポットと、『こんな作品でみてみたい』

――ちなみに、みなさんのTMCおすすめスポットはありますか?

KTさん「どこだろうね?」

KKさん「よく使用されるのは、2階のホワイエですかね」

Uさん「僕のおすすめは入館ゲートですかね」

KTさん「(入館ゲートも)価値あるって言われているよね」

――入館ゲートですか?

Uさん「あれ、(他のロケ地だと)お金払ってレンタルするらしいんですよ。あの機械みたいな模型を調達するらしいんですけど、うちはもともとゲートがあるからいいね、っていう話はいただきますね」 

――たしかに、ドラマとかでけっこうゲート入る瞬間見ますよね。

KTさん「大手町とかにあるオフィスって(自社ビルでなく)共同の建物だから、入館証がなかなか使えないみたいで。ここはスカパー!の建物で、自分たちで管理しているので使用しやすいというのはあるかもしれないですね。あと必ずお客さんに勧めているのは、ANNEXっていう広い部屋です。過去にはAbemaさんがサッカーの中継番組とかで使っていただいた簡易的なスタジオだったので機材もありつつ、広いのでセットを組んで1ヵ月間使うみたいなこともできるのかなと思っています」

――言えないものも含めて撮影された作品の実績も増えている最中とは思いますが、今後どんな作品に使っていただきたいという野望はありますか?

KKさん「5階から1階の吹き抜けを使って銃撃戦とかはやってみたいですね(笑)」

一同「(笑)」

吹き抜けを上から覗く。

――いいですね(笑)

KKさん「でも結構そういうのに近いのは相談されましたよね」

KTさん「そうそう。とあるドラマで、爆破して逃げるシーンで1階から5階使って、CGだけど爆破させてスモーク焚いて、防火シャッターも一斉に閉めたりできないかとか。なかなかそれは難しかったけど…」 

――たしかになかなか難しそうな…。

KTさん「あと僕がやりたいのは、さっきも少し話したけれど1カ月くらいでセットを組んでずっと(撮影を)やってもらうみたいなことは、やってみたいなと思っています」

Uさん「僕はCMですかね」

KTさん「たしかにCMはまだやってないね。いっぱい流れるから撮影に使用されたらいいよね」

Uさん「結構問い合わせはいただいているんですけど、実際に決まったものはまだなくて。なので、そういう意味でもやってみたさが強いですね」

KTさん「ロケ地に見学した人には気に入っていただけて、監督さんもOKだったとしても、その上のCMのスポンサーがいるからそこでほかの場所に決まってしまうパターンもあるんだと思いますね」

――なるほど。CMだと決定権を持つ人が変わってきますもんね。いつかCMでTMCを見る日を楽しみにしています!


TMCのロケ利用詳細はこちらから。

スタジオ紹介コラムも掲載中。

(取材・文 タンタン)

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