W杯から思い出す“好きが行動に繋がった瞬間“と、これからの挑戦【上司×新入社員対談】
スカパー!サッカーチームの社員のうち、今年の4月からサッカーチームのチーム長になったKさんと、今年の4月に入社した新入社員のSくんの上司×新入社員対談の第3弾をお届けします。
実に四半世紀の年齢差がある二人。今回は、自身のサッカープレイ経験について語り合ってもらいました。
▼第1弾はこちら。
サッカージャーナリズムを志したきっかけになったW杯
Kさん「Sくんは、W杯は見たことある?」
Sくん「現地ではまだないです…」
Kさん「俺が(サッカージャーナリズムを)仕事にしていきたいなって思ったときに、スカパー!の番組にFAXを送る手前、最初にチャレンジしたのが、98年の3月で」
Kさん「ちょうどフランスW杯に日本が出場しますよって決まった後に、小学館が特派記者大募集っていう企画を出したんだよね。これは、サッカーに対する思いとか、テーマに沿った内容を作文に書いて応募して、選んでもらえたらW杯の取材にいけるっていうやつなんだけど、小学館が発行してるいろんな雑誌――漫画系、週刊誌系とか女性誌系とか趣味関係とかいろんな雑誌で横断企画として、それぞれのテーマを出していたんだけど、全部に応募したの!」
Sくん「全部ですか?(笑)」
Kさん「全部!それぞれ作文テーマが雑誌それぞれの分野に関連したテーマなんだよね。例えば女性誌だったら『サッカーとファッションというテーマで書いてください』とか。それにそれぞれ合わせて書いて応募して、その中の『SOUND PAL』っていう雑誌のテーマで書いた作文で選ばれて、見事日本対アルゼンチン戦にいけました」
Sくん「すごい!!」
Kさん「そこから結局、記者の仕事をするのね。だから街の人にいろいろ話を聞いたり、観戦体験記とか感想を書いてっていうのをやってたんだけど、その時に行った日本対アルゼンチンのチケットがコレです」
Kさん「これを贈呈されて。(W杯のチケットを)初めて見た?」
Sくん「初めて見ました、すっげぇ!」
Kさん「それで人に読んでもらって認められてみたいな成功体験が、(スカパー!の番組に送る)FAXに変わったんだけど、結局自分で発信しないと気付かれないって思う原点になりましたね。時系列どんどん逆にいくけども、ここ(フランスW杯)につながる前の大会が日本が初めてW杯に 出場を決めた話は知ってる?ジョホールバル」
Sくん「”ジョホールバルの歓喜”、知ってます。岡田監督の頃ですよね?」
Kさん「そうそうそう。日本代表が初めてW杯に出た時。その時も、大学4年の時に行ったんですよ。これは普通にサポーターとしてだけど。行く前日かな?自分でこのユニフォームを作ったんだよね」
Kさん「のちのちこれが、俺がW杯に行くたびに現地に着ていく戦闘服みたいになって。途中は仕事で行っていたけれど、その過程で出会った解説者の方で、日本代表を経験した解説の方ってやっぱりいっぱいいるわけ。水沼貴史さんだっり風間八宏さんだったりとか、原博実さんや、加茂周さんや釜本さんも。そういう解説で出会った人には必ずサインをもらうようにしてて。そこでパワーをもらうというか。森保さんにももらったりね。あと有名なところだと、フローラン・ダバディ(サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエの通訳兼アシスタント)とか。あと、キャプテン翼の高橋陽一先生にも翼くんの絵を描いてもらったりして」
Sくん「本当だ!!うっすらいますね!」
Kさん「(笑) 基本的には仕事で会った人なんだけど、そうじゃなくてもどうしても欲しいと、1ファンとして(サインを)もらってるのはカズ(三浦知良)さん。あとこれが…」
Sくん「これはなんですか!」
Kさん「ザッケローニさんが以前セリエAで監督やってた時代に、フォーメーションで”3・4・3”っていうのを多用していたので、その戦術がザックさんのトレードマークみたいになって。で、後に日本代表監督になって、3・4・3を試したいという時に、ザッケローニさんは『自分がウディネーゼ・カルチョで3・4・3やってた時の映像が欲しい、日本代表選手に見せて指導したい』ということになった。でもその時点で15年くらい前の話だから簡単に映像が見つかりませんってなったときに、ザッケローニさんを招聘した当時のJFA技術委員長の原博実さんが、僕と当時仕事を一緒にしていた関係から『セリエAマニアのKなら持ってんじゃねぇか』って」
Sくん「おぉ!」
Kさん「で、俺に電話かかってきて、『97年当時のザッケローニさんのVHSテープとか持ってるか』って。実家を漁ったらウディネーゼ時代のVHS10本くらい出てきたの!俺としては自分が趣味で持っていたものを使って代表チームが実際にトレーニングするって、ファン冥利に尽きるじゃん! (笑)」
Sくん「ファンの極みですね(笑)」
Kさん「それで、全然いいですよって10本ぐらいパッケージにして送って、いや~助かったってすごく喜んでくれて。俺としては、当時はただ夢中で好きだったから、ビデオ録画して記録作ったりとかしてただけなんだけど、その時に、協会からお礼の品ですってきたのがこのユニフォームなの。その時の日本代表の当時のほぼ全員のサインで」
Sくん「うわ!すごっ!!」
Kさん「そんなふうに、サッカーは録画して、見て、分析して、記録書いて、人に伝えてみたいなのは、もともと趣味であり、結果的にそれが仕事にもなって。それでいうと、イタリア(のチーム)が好きな理由ってサポーターの“熱さ”だけじゃ語りつくせない、サポーターが戦略的に試合の結果に関与するっていう文化があるのがすさまじいなと思ってて。ただ応援して勝ったとかじゃなくて、戦略的に関与するみたいなところにめちゃ痺れちゃって。そういうのもあってイタリアサッカーがすごく好きなの。そういうことを仕事になってからも表現したりしたいなって思って、サポーターの応援歌とかを中継の中で紹介したりだとか、そんなようなことはけっこう頑張っていました。ちなみにこれはカタールのW杯の時に着ていた俺の手作りのマントなんだけど」
Kさん「全32か国のフラッグを自分で縫いつけて1枚にして。これも出発の前の日とかに急に思いついたから雑に縫っちゃったんだけど。これ着てたら現地ですげー声かけられたんだよ。やっぱり現地に行ったら試合見るだけじゃなくて人と交流したりだとか、それも含めてW杯の醍醐味だよね」
今後、仕事としてサッカーとどう向き合うか
Kさん「今後、サッカーに仕事としてどう関わっていきたい?」
Sくん「自分は周りにサッカー選手になる夢を持っていた人がかなり多くて。それを実現した子もいれば、実現できなかった子いて。周りにも全国大会まで出たけどサッカー選手になれなくて就職したっていう人もたくさんいる中で、自分は挫折した方なので。(いわゆる、これまでは夢が叶いにくいとされてきた)大学サッカーは、今すごくトレンドで、そこからサッカー選手になる人ってたくさんいて。まだまだ夢はあるよっていうところを伝えたいなって思います。あとはブンデスリーガの放映権を持ってるからこそ、ブンデスのファンを増やしたいなって思いますね」
Kさん「うんうん」
Sくん「キッズクリニック、個人的にはすごくいいと思っていて。例えばバルセロナがよくやっているんですけど、バルセロナのコーチを日本に呼んできて、キッズクリニックを開いてそこから引き抜いたりとかするんですよね。久保建英がいい例で。久保建英が小学生の時に引き抜かれたのがそのバルサアカデミーキャンプで、そこでMVPになって本場のキャンプに招待されて、そこから下部組織に入ったっていうのがあって。ブンデスって、今で言うと日本代表の人たちが海外に挑戦する最初のステップとして選ばれるというか、そこの綱わたしになる場所だと思うので、そういった機会を提供できるようなイベントみたいなことは何かできたらいいなっていう風にはずっと考えていますかね」
Kさん「じゃあアレだね。『スカパー!のサッカー=放送とか配信』っていうところに留まらず、キッズクリニックのようなリアルなイベントもやれたらいいなって考えているのね」
Sくん「そうです。放映権を持っていたり、スカパー!ってサッカーのイメージもあるっていうのも結構強いなって思ってて。放送とか配信以外でも、スカパー!としてサッカーに携わってきた会社として、サッカーを盛り上げられるようなイベントもやってみたないなっていう風におもいます」
Kさん「それで言うと俺は、もちろんそれもやっていきたいのと同時に、やっぱり核となる放送・配信のところをなんとか盛り立てたいなっていうのがあって。今はブンデスリーガとルヴァンカップを放送していて、もちろんたくさんのお客さんに見ていただいているけど、スカパー!のサッカーマニアの方達がスカパー!に入ってて良かったな!って思ってもらえるような放送配信番組っていうのをなんらかの形で続けつつ、さっき話に出たような放送配信だけではない体験も含めて時代の変わりとともに発信していければっていうのは思ってますけどね」
Sくん「1年目の僕に、サッカーチームとして頑張るための言葉をお願いします!」
Kさん「サッカーに詳しいことももちろんプラスだけど、サッカーへの思いとか情熱とかそういうものを大事にして欲しいなと思います。どんな仕事でも、仕事への情熱っていうのが窮地に陥ったときに助けてくれるっていうのもあるので、日本のサッカーをこうしたい!とか世界のサッカーをもっとみんなに伝えたいとか、そういう想いとか情熱がある人が関与している方が、納得感があるよね。……ただまあ、(ビジネス的には)情熱だけで片付くものじゃないので、今のサッカーチームとしては、僕らみたいな根っからのサッカーファンもいれば、バランサーとしてもっと違う目線の人、今サッカー勉強中だけど違う分野のマニアみたいな人もいて、それが集結して、知恵を出し合うっていうのがすごくいいんじゃないかなとは思ってますね」
本記事に登場している二人が、アイドルグループ・Jams Collectionのメンバー・“るーるる”こと小此木流花さんと、サッカーが談義をしている記事がHOMINISで掲載中!ぜひご覧ください。
スカパー!で放送するサッカーの、詳しいスケジュール、放送チャンネルは以下から!