編集部が語る!単独公演「寄り添って割食って」から迫る東京03の魅力
お笑いトリオ・東京03。
2009年のキングオブコント王者として実力はもちろん、2020年のコロナ禍ではリモート単独公演「隔たってるね。」を開催し、彼らのお笑い愛に胸を打たれたものも少なくないだろう。
さらに20周年を迎える今年の3月には日本武道館で公演し、文化庁からは芸術選奨文部科学新人賞を受賞するなど、華々しい活躍を見せている。
3人ともに俳優としても活躍しており、メンバーの角田晃弘さんはスカパー!基本プランのCMにも出演。
撮影現場に立ち会った社員からは「驚くシーンのリアクションが自然だし面白い!角田さんの演技を生で見て感動しちゃった」「バナーを撮影する際の表情が多種多様でネタ中の表情も生で見てみたくなった」「うどんを食べるシーンがあるのだけど、迫真の演技でたくさん食べてくださって、いっそう好きになった」と声が上がっていた。
▽東京03・角田さん出演CM
CM撮影の短い時間で社員を虜にした角田さん。夏は単独公演で全国を回るという。
これはもう、ネタ中の角田さんを、東京03を観るしかない!
そこで今回は、編集部員・ヤマが、第25回単独公演「寄り添って割食って」を観て感じた、東京03の魅力を紹介する。
東京03の単独公演「寄り添って割食って」鑑賞レポ
最もチケットが取れないコント師と言われている東京03。
東京公演のチケットが取れず、広島の会場・JMSアステールプラザ大ホールへ向かった。
約1,200人を収容できるホールがほぼ満席という人気ぶり。
会場前では「寄り添って割食って」を記念して作られたグッズや過去公演のBlue-ray・DVDが販売されており、物販には長蛇の列ができていた。
会場ではグッズのTシャツを着て中高生のお子さんを連れたご夫婦や、前回の単独公演について語るお兄さん方、学校帰りらしき女子高生等、幅広い世代のファンで賑わっていた。
公演が始まると、軽快なメロディーとともにメンバーの名前が映像で紹介され、会場は一気に壇上の演出に引き込まれる。
メンバー紹介が終わるとさっそくネタへ。
新作コント7本と幕間の映像に笑っていたら約2時間の単独公演はあっという間に終了。
最後のトークでは広島名物について観客と交流する場面もあり、会場は終始優しい熱気に包まれていた。
そして公演後、約1,200人の観客を笑わせた3人が深々とお辞儀をした。
お辞儀姿がかっこいい人類ランキングがあれば殿堂入りする、それほどに輝かしいお辞儀だった。
さらにグッズを購入した観客は最後に「お見送り会」に参加できる。目を見てニコニコの笑顔でお見送りしてくれる3人。行けば必ず東京03のことを好きになる、メンバーとファンの愛を感じる単独公演だった。
さて、ここからは単独公演を通して感じた、東京03の魅力を3つ紹介していく。
東京03の魅力①リアルすぎ!演技派3人による完成度が高すぎな最強コント
まずは何といっても、コントの完成度の高さが東京03の魅力ではないだろうか。
私はお笑いの中でもコントが大好きでよく見るのだが、東京03のコントはとにかく完成度が高い。
そしてこの完成度の高さは、現実味があって共感できる、だけどちょっとダサくて恥ずかしいシーンを、3人が誇張したキャラクターで演じることで生み出されるのではないだろうか。
ビジネスや飲み会のシーンでダサくてクセのあるキャラクターがいて、「こういうことあるよね(笑)」「こんな先輩いるかも!」と共感して設定にのめりこみ、いつしかツッコミ側の登場人物とともに、ボケ側の次のアクションを予想してしまう。予想しながら見る”間”がおもしろく、ツッコミまでの間、会場からもクスクスとした笑いが生まれていた。
このリアルな設定を盛り立てるのが3人のキャラクターである。観客が共感する間を作って一気にまくしたてるツッコミの飯塚さん、どうしようもなくダサくクセのあるボケの角田さん、さも当たり前のように飄々と小ボケとツッコミを入れこむ豊本さん。
CMでリアリティある演技が光った角田さんはもちろん、飯塚さん、豊本さんも俳優としても活躍する演技派。3人の魅力的な演技で1人1人の温度感が分かりやすく表現されている。
例えば「蓄積」というコントでは小さなイライラが積み重なり、たこ焼きパーティーのとあるきっかけで飯塚さんの不満が爆発。最初は飯塚さんに共感して笑うが、飯塚さんのキレっぷりが半端なく、なだめる角田さんと豊本さんとの対比がこれまた面白くて次なる笑いを誘う。
3人の異なる温度感によって、よくある光景が予想もつかないオチにつながる。東京03の3人だからこそ生み出される最強のコントなのだ。
東京03の魅力②まるで神映画?怒涛の構成で魅せる単独公演
続いての魅力はずばり、映画のような単独公演だ。①のコントとあえて切り分けたのは、単独公演だからこそ味わえる魅力があるからだ。単独公演は2004年から毎年行われており、現在は第25回目の単独公演「寄り添って割食って」が全国で公演中である。
新作コントと幕間映像で構成された約2時間の単独公演。それぞれのコントの面白さはもちろん、幕間映像として流れる曲も物語のクオリティも凄まじい。だが、それだけではない。
この単独公演、もはや一本の映画なのである。
映像も含めて、ひとつひとつのコントが最後のコントの伏線となる、全体を通してひとつの物語となる構成なのだ。
どのコントをとっても面白いというのに、怒涛の伏線回収で笑いに包まれる圧巻の締め。DVDでも十分魅力的だが、東京03と観客全員でジェットコースターに乗っているような一体感が味わえるため、ぜひ会場に足を運んで直接見てほしい。
▽第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」公演情報
※追加公演 配信チケット発売情報
東京03の魅力③コントにも滲み出る!メンバーのアツいお笑い愛
最後に、欠かすことのできない魅力、それはお笑いに対するアツい愛だ。
何年も単独公演をやり続け、根強いファンに愛され続ける理由の根底にあるのは、このお笑い愛あってこそではないだろうか。
メンバー全員がこの共通の愛を持っているからこそ、東京03のコントは面白い。
今回は7本の新作コントを披露した東京03だが、毎年単独公演のたびに新作コントを作っており、コロナ禍でもリモート公演を実施した。また、ネタ中にお互いの演技に面白くなって吹き出してしまう場面も見られ、人生をかけてコントをやっているのだ!とにかくコントが好きだ!という彼らのアツい想いが伝わり、かっこいい。
コントの星の下に集い、ひたむきにコントに向き合った3人の関係性はたまらなく愛しく、彼らの作るお笑いの世界をいつまでも見ていきたいと感じさせた。
▽リモート単独公演「隔たってるね。」
▽東京03飯塚さんのSNS
単独公演中は全国のグルメを食べてニコニコの3人の写真がたくさん
好きなモノにまっすぐ向き合う姿は、見る人の心を動かし惹きつける。
ダサい瞬間も切り取って笑いに変える東京03のコントから、これからも目が離せない。
(文 ヤマ)
▽東京03のコントはこちらから
▽東京03・角田晃弘さんのインタビュー記事はこちら