見出し画像

【連載】セ・パ名曲歌合戦 〜アイドルソングと応援歌①〜

こんにちは、入社2年目の野球好き社員・カマタです。

プロ野球はセ・パ交流戦がスタートし、より一層盛り上がりをみせております。昨年は横浜DeNAベイスターズが初優勝を果たしましたが、今年はどのチームが優勝するのでしょうか!?

個人的な注目は日本球界に復帰をしたDeNAの筒香選手です!復帰初戦でホームランを放つなどプレーに注目が集まるのはもちろんですが、かつて使われていた応援歌が復活したことでDeNAファンだけでなくプロ野球ファンが熱狂しております。


そして、今回のテーマですが、予告通り「アイドルと野球音楽」です。

近年K-POPや坂道グループをはじめ、数多くのアイドルが活躍しています。しかし、アイドル人気は今に始まった話ではなく、キャンディーズ、おニャン子クラブ、SMAPなどいつの時代にも世の中の男女を虜にしてきたアイドルがいます。そして、古くからたくさんの人に愛されてきたプロ野球において、アイドルの楽曲は切っても切れない存在と言えるのです!

そこで今回は前後編にわけて、「【個人的】プロ野球とかかわりの深いアイドルの楽曲ベスト10」をご紹介していきます。

前半となる今回は、昭和の時代に活躍した大人気アイドルです!


1.ピンク・レディー「サウスポー」(1978)


ピンク・レディーといえば、1970年代後半に活躍した超人気アイドルです。大ヒット曲「UFO」はCMにも使用されており、若い世代も知っている方が多いのではないでしょうか。

そんなピンク・レディーの中でも野球との関わりが深い曲と言えば、「サウスポー」です。ピンク・レディーはこの曲でオリコン初登場1位を獲得し、第9回「日本歌謡大賞」も受賞しています。


野球では「サウスポー=左投げのピッチャー」ということもあり、歌詞の中ではバッターvsピッチャーの駆け引きを表現するような野球描写があります。そしてここで登場するバッターとピッチャーにはそれぞれモデルがいるといわれています。

【バッター:王貞治さん】
王さんは通算868本のホームラン数世界記録を持つレジェンドで、ホームラン王15回、打点王13回、首位打者5回など数々のタイトルを獲得し、国民栄誉賞も受賞されています。当時王さんを抑えることは非常に難しかったため、相手チームは勝負を避けることが多く、1試合に5度敬遠されることもありました。「サウスポー」では、そんな王さんとの勝負に挑む投手の様子が描かれています。

※敬遠とは?
投手が打者との勝負を避け、意図的にフォアボールを出すこと。


【ピッチャー:永射保さん】
永射さんはクラウンライターライオンズ(現西武ライオンズ)に所属した左投手(サウスポー)です。左のサイドスローという変則的な投げ方を武器に、左の強打者を得意としていました。曲の終盤「魔球はハリケーン」の振り付けでピンク・レディーの二人が左手を横に振る姿は、まさに永射さんの投げ方をモデルにしていると言えます。

また1977年のオールスターゲームでは王さんを三振に打ち取っており、その姿をみた作詞の阿久悠さんが永射さんをモチーフに歌詞を書いたという説もあります。


現在「サウスポー」は高校野球の定番応援歌として使われることが多いですが、プロ野球でも中日ドラゴンズがこの曲を使用しています。特にチャンスの際に使われることが多く、球場が盛り上がり曲の一つです!


2.近藤真彦「ギンギラギンにさりげなく」(1981)


近藤真彦さんといえば、「愚か者」で日本レコード大賞を受賞していますが、1981年にリリースされ、第23回日本レコード大賞・最優秀新人賞を受賞したのが、「ギンギラギンにさりげなく」です。年末のレコード大賞にて、過去の受賞作品として聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。

この曲が応援歌として使用されていたのは、かつて千葉ロッテのキャッチャーとして活躍された定詰雅彦さんです。
すでにお気づきの方もいるかと思いますが、定詰さんの下の名前が「まさひこ」ということで、近藤真彦さんの曲が使われたのではないかと考えられます。
実はプロ野球の応援歌において、歌手の名前と選手の名前が同じという理由で応援歌の原曲に採用されることはよくあります。次回の記事でも同様のパターンで原曲に採用されている応援歌がありますので、ご紹介したいと思います!

そして「ギンギラギンにさりげなく」ですが、実は定詰さんのみに使われたのではありません。定詰さんがロッテを去って7年、千葉ロッテにある選手が入団します。

それが…田中雅彦選手です!

お気づきの通り、下の名前が「まさひこ」です。さらに田中雅彦選手は定詰さんと同じキャッチャーということで、応援歌が流用されました。

このように、選手のポジションやプレースタイルが似ているという理由から応援歌が流用されるケースも多く、こちらも次回の記事にてご紹介したいと思います。

さらに、応援歌だけでなく登場曲としてもこの曲は利用されています。登場曲に採用していたのは、昨年現役を引退するまでソフトバンクなどで活躍し、WBC日本代表にも選出されたことがある松田宣浩さんです。なぜ松田さんがこの曲を選んだのか、気になる方もいるかと思います。
実は松田さんのニックネームは「マッチ」であり、近藤真彦さんと同じであることが影響していると考えられます。

今後も「まさひこ」という名前や「マッチ」のニックネームを持つ選手が出てきた際は、「ギンギラギンにさりげなく」が使われるのか注目ですね!


3.光GENJI「ガラスの十代」(1987)


光GENJIは、1980年代後半に活躍した男性グループです。高校野球応援においては同グループの「パラダイス銀河」がよく使用されていることから、曲を聴いたことがある方もいるかと思います。

そして、「ガラスの十代」が応援歌として使用されていたのは現在中日ドラゴンズの監督を務めている立浪和義さんです。立浪さんはかつて中日のレギュラーとして活躍し、通算2480安打を記録したレジェンドです。現役中に何度か応援歌が変更しているのですが、プロ入り直後に使用されていたのがこの曲でした。1年目からショートのレギュラーに定着したのですが、当時まだ18歳ということで「ガラスの十代」が採用されたのではないかと勝手に予想をしています。

しかし、立浪さんの応援歌が変更されて以降、野球場で「ガラスの十代」が聴ける機会は失われていきました。

そんな中、2021年ある選手が登場曲として「ガラスの十代」を採用します。それが、オリックスの若月健矢選手です。

若月選手は登場曲として、昭和歌謡を採用することが多く、2021年は「ガラスの十代」、「パラダイス銀河」と光GENJI推しの年だったようです。記事にもありますが、一度昭和歌謡を登場曲として利用したら、引くに引けなくなってしまったというところが面白いですよね。

これまでどんな曲が使われてきたのか気になって調べたのですが、若月選手の登場曲を時系列にすると以下のようになります。

2016 尾崎豊「シェリー」

2017 中島みゆき「ファイト」

2018 尾崎豊「シェリー」、光GENJI「パラダイス銀河」、The FIELD OF VIEW「DAN DAN 心魅かれてく」

2019 島谷ひとみ「YUME日和」、光GENJI「パラダイス銀河」

2020 Mrs. GREEN APPLE「僕のこと」、麻倉未稀「ヒーロー」

2021 光GENJI「ガラスの十代」、光GENJI「パラダイス銀河」

2022 ZARD「DAN DAN 心魅かれてく」、光GENJI「パラダイス銀河」

2023 あめんぼぷらす「カイホウエクササイズ」、ZARD「DAN DAN 心魅かれてく」、光GENJI「パラダイス銀河」

2024 ZARD「DAN DAN 心魅かれてく」、光GENJI「パラダイス銀河」

見事に懐かしの名曲が並んでいますよね。「DAN DAN 心魅かれてく」、「パラダイス銀河」については複数回使用しており、お気に入りなのかもしれません。今後も若月選手のように、「ガラスの十代」をはじめとした昭和歌謡を登場曲にする選手が出てくるか注目です!


4.工藤静香「MUGO・ん・・・色っぽい」(1988)


最後に、原曲のタイトルとプロ野球とのギャップが大きすぎる応援歌ということで紹介させていただきます。

工藤静香さんはかつて一世を風靡したおニャン子クラブに所属し、卒業後もソロでヒット曲を連発したスーパーアイドルです。中でも中島みゆきさんが作詞をし、カネボウのイメージソングとして使用されたのが、「MUGO・ん・・・色っぽい」です。野球応援に使われた原曲史上最も野球っぽさがないタイトルですが、ロッテに在籍した森田芳彦さんの応援歌として使用されていました。

工藤静香さんの曲は登場曲として使用されることもほとんどなく、私の調べた限りでは2019年に楽天の辰巳涼介選手が「嵐の素顔」を使って以来いないと思われます。今後登場曲や応援歌として使われることがあるのか注目です。(特に「工藤」という名字の選手が出てきた際には期待したいですね)


※おまけ
今回「ギンギラギンにさりげなく」にてご紹介した元ロッテ田中雅彦さんに関連する、20年前のエピソードを少しだけご紹介させてください。

私が小学1年生のころ、和歌山に住む祖母の近所でロッテの2軍戦が行われるとのことで、観戦に行く機会がありました。和歌山県でプロ野球の試合があることは珍しく、球場で特別イベントが企画されるなど楽しみにしていたのですが、当日はまさかの大雨で試合中止…。

イベントについては球場内の見学など、企画を変更して実施されることになりました。2軍戦のイベントかつ大雨の影響からか、参加者は私を含めて数名程度であり、普段は入れないロッカールームなども見学をさせていただきました。そしてそのロッカールームにいらっしゃったのが、当時プロ1年目の田中雅彦さんです。
田中さんは小学生の私をみると、ポケットから練習球を取り出し、「これあげるよ」と言って渡してくださいました。さらに、私がサイン用のペンを持っていることに気づくと、サインまで書いていただけるという神対応!あまりの優しさに家族一同感激でした。

いただいた田中雅彦さんのサインボールです。


さらに、ロッテの選手のファンサービスはこれだけにとどまりません。田中さん同様にファン対応をしてくださったのは俊足と好守を武器に活躍された早坂圭介さんです。早坂さんと言えば、2005年のプレーオフ2ndステージ第5戦、終盤のピンチの場面でファインプレーをみせ、次の回の逆転劇につなげた優勝の立役者です。

早坂さんもサインをお願いすると快く引き受けてくださったのですが、その後の行動が神対応でした。当時プロ野球史上最も守備の上手いショートといわれた小坂誠さんがケガで2軍調整中だったのですが、早坂さんは「今向こうに小坂さんいるからサインもらってきなよ」と言って、小坂さんの元までアテンドしてくださり、サインをいただくことができたのです!サイン色紙を見てもらえるとわかりますが、早坂さんは遊撃手(ショート)の真ん中ではなく、左端にサインを書かれています。サインを書く時点で、小坂さん分のスペースを空けていただいたのではないかと勝手に想像しております。(笑)



色紙のショートのポジションに書いていただきました


上が早坂さん、下が小坂さんのサインです


プロ野球選手というと体が大きく、当時は試合中の乱闘が頻発していたことで怖いイメージも持っていたのですが、こんなに優しい選手もいるのかと子供ながら感激してしまいました。

田中さんは2016年に現役を引退後、BCリーグや社会人野球の指導者を経て、現在楽天のコーチとしてプロ野球界に復帰されています。また、早坂さんは2015年に現役を引退し、現在は独立球団の千葉スカイセイラーズで球団代表兼監督をされています。1ファンとして、お二人の今後の活躍に期待したいです!

次週はアイドルと野球音楽の後編ということで、今回紹介しきれなかったAKB48や坂道グループの楽曲も含めてご紹介したいと思います!ぜひご覧ください!


スカパー!では、今年もセ・パ12球団公式戦を徹底中継中!

詳しくはこちら▼

前回の記事はこちら▼


この記事が参加している募集