想像していなかった未来
僕は子供の頃、なりたかったものに結果的になれてはいました。
でも夢は持っては消え、持っては消えというこれまでの人生でした。夢は持てるから面白いのかもしれません。
本当に分からないものです。
そして、人生の中で絶対にやらないだろうということもありました。けれどもそれをやるということがなんと多かったことでしょう。
本当に分からないものです。
パソコン絡みのこと、車のこと、海外のこと、これらは頑なに拒んでいたことでしたが好きに変わっていきました。仕事に繋がったこともありました。
でも僕が本当に想像すらしていなかったことが起こりました。こんな未来を誰が想像していたことでしょう。
それは、腰の神経を損傷し、下半身不随になってしまったことです。突然のことでした。周りも僕も驚きました。
緊急手術に入院、数ヶ月のリハビリと、僕は何が僕の人生に起こってしまったのだろうかと考える日々でした。しかしそれ以外なんの感情もありませんでした。どうなるのか本当に分からなかったのです。
手術とリハビリ、周りの応援のおかげで僕はなんとか歩けるようになりました。ただ、左足には障害が残ってしまいました。
あれから3年、僕は未だにしっかり歩くことができません。しかしその間、リハビリをしっかりして、仕事に復帰することができました。なんて職場がキラキラした空間に見えたことでしょう。僕の気持ちはとても前向きでみんなのため自分のため頑張れる気がしていました。
しかし、やはり生活自体苦しいのにうまく仕事ができるはずがありませんでした。周りのありがたいサポートがあってもそれはそれは陰で泣く日々でした。体全体のバランスも崩れてしまい、至るところに痛みが生じました。
僕は退職しました。絶望しかありませんでした。
時は少し経ち、僕は過去は別の物語にして、新しい物語のために今、立ち上がろうとしています。人間万事塞翁が馬、きっと今の自分は未来に向かって頑張ってくれます。
FIN
僕は死んでしまいたかった。でも過去の物語の僕が死んでくれた。そして、過去を乗り越えた転生物語が始まるのだ。