迷子
小学校低学年だったと思います。
県内の有名な遊園地に家族で何度か行くことがありました。
今は何度かリニューアルし、昔と雰囲気は変わりました。
当時は小さめのアトラクションがたくさん並んでいて、見ているだけで楽しいものでした。
ビックリハウスや同じところをグルグル回る系の乗り物など、結構、気持ち悪くなるものが多かった気がします。
アトラクションに乗ってる人々を見てるのも楽しいのです。
園内では家族と一緒に行動してましたが、ある時、立ち止まって乗ってる人を見続けていたら、家族がいなくなってしまいました。
どこを見渡しても見あたらないのです。
僕は焦りました。
小さい頃は一人で置き去りにされることが恐怖でしかありません。
賑やかな空間が無音になって絶望を感じた瞬間でした。
僕は遊園地を飛び出して、駐車場へ駆けていきました。
ビャービャー泣きながら車のところに行った記憶があります。
そうしてたら、ある夫婦が「どうしたの?」と声をかけてくれました。
そしてもう一度園内に入り、迷子の事務所へ連れてってくれました。
お母さんの名前が園内に響き渡りました。
これで無事会えたわけですが、僕にとってこのことはトラウマになっており、遊園地には少し怖いイメージがあります。
FIN