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SPROUNDは1周年!親密なスタートアップコミュニティに成長
DNX Venturesを代表してSPROUNDの運営に携わっています、上野です。
先日9月28日、SPROUNDはオープン1周年を迎えました。
1年前、人生初めての記者会見で温めてきた熱いプロジェクトの発表をし、気づけばあっというまに地球が一周したことになります。
SPROUNDは、オフィス工事の着工が2020年4月の緊急事態宣言で遅れるにはじまり、度重なる緊急事態宣言で、核となるスタートアップ向け「知の還流」コンテンツを見送り、各社の出社率も思うようには高まらないなど、オフィス運営では苦難の1年でした。
一方で、スタートアップの横のつながりや、学びあえる環境という意味では、多くの制約の中で立派に成長してきたことを感じています。
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SPROUNDはDNX監修で実現
当日はあいにくオンライン配信となったAnnual SPROUND Partyでしたが、配信は現地SPROUNDから。冒頭のご挨拶は、SPROUNDのコンテンツを監修し運営にも携わる、日米拠点のベンチャーキャピタル DNX Venturesの日本代表倉林から。
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この度は、1周年を迎えられて大変嬉しく思っています。
関係者の皆様、利用者の皆様のおかげでこの日を迎えることができました。
思えば、SPROUNDをやろうと準備をして、始めようと思ったらコロナ。
オフィスでみんなで集まるという世界観が変わりウィズコロナというかたちでスタートしました。
そうしたなか、着実にいい会社が集まって、入居した会社に投資ができたり、投資した会社が入居してくださったり、他にもいろいろありましたがそういったことも乗り換えて、いいかたちで進めてくることができました。
一周年を記念して発行された「YearBook」を見るだけでも感動して、そうした色々な出来事を私自身振り返りました。引き続き、スタートアップのアップアンドダウンをみんなで体験・共有し、学び合える場となるよう、盛り上げていきたいと思っています。
ーーーDNX Ventures 日本代表 倉林陽
入居者は倍以上に!9社から22社に。
さて、プレゼンテーションは選手交代しまして、日鉄興和不動産の金谷へ。
雨の日の風の日も、緊急事態宣言でも毎日SPROUNDにいて、誰よりもSPROUNDERと関わりをもつ、みんなに愛されるSPROUND番長です。
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そんな金谷からは、SPROUNDのこの1年の成長をご報告。
2020年9月28日のオープン時9社だった利用企業は、この1年で22社まで増えました。早速利用企業の一社CLEARNOTEは今年コクヨ社へのM&Aを果たすなど、計2社が事業成長・人員拡大を伴ってめでたく卒業されました。
成長して早く巣立っていってほしいと謳うSPROUNDにとって、大変嬉しい出来事でした。
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SPROUNDERの活躍はメディアでも!
先月発売された『東洋経済・すごいベンチャー100』では、シードスタートアップばかりのSPROUNDながら、なんと6社がエントリー。また、日本経済新聞などでも、SPROUND利用企業を紹介する記事が続々掲載されています。
本当に素晴らしい、SPROUNDERの活躍です。
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《東洋経済》
Beatrust https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27917
FLUX https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27931
Enpay https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27960
Resilire https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27939
ROMS https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28007
Wellday https://premium.toyokeizai.net/articles/-/27957
《日本経済新聞》
Beatrust 「ビートラスト、従業員専用のSNS 知見共有を後押し」
Zeroboard 「A.L.I.テクノロジーズ、CO2排出量算出・可視化クラウドサービス「zeroboard」事業をゼロボードに譲渡」
ヤモリ 「不動産ソフトに融資申請の新機能 ヤモリ」
Workshopは1年間で全8回開催、経営者に実用性高いテーマ
続いて、SPROUNDのユニークかつコアとなるコンセプト「知の還流」を体現する
SPROUND STARTUP WORKSHOPの年間の活動報告を、DNX/SPROUNDの田中より。
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少し余談ですが、田中は2016年DNXでアソシエイトとして投資業務に携わったあと、2018年より自らスタートアップを起業し、2019年スモールエグジットした経営経験者。自らのシードスタートアップでの経験を、SPROUND STARTUP WORKSHOPで少しでも活かしたいと、日々コンテンツ企画制作に想いを持って取り組んでいます。
シードスタートアップに知を授ける
SPROUNDが対象とするシード期〜シリーズA調達前のB2Bスタートアップ。その多くは数人の創業メンバーで営業、CS、プロダクト、マーケティング、人事、と、幅広いテーマをカバーしなければなりません。そして、創業メンバーの経験だけで全ての分野をカバーすることは難しく、必ず「初めてやること」が数多く出てきます。
SPROUND STARTUP WORKSHOPでは、スタートアップが正解にいち早く辿り着けるように、先輩経営者や専門家による「とりあえずこれだけやっておけばOK」的な知見を伝えることに主眼を置き、シードスタートアップがよく悩む・困るテーマを題材に学ぶ機会を提供しています。
そんな田中プレゼンツのワークショップは、この1年で全8回開催しました。
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ご覧の通り、経営者が悩んでいる実用的なテーマが中心。
シードならではの、採用に関するテーマや、
後回しになりがちな知財・セキュリティなどのテーマが取り上げられました。
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オフィスではなくコミュニティ、オンラインの仕掛けも充実
続いて、DNXから私上野が登場させていただき、コミュニティを盛り上げるために取り組んできたことをご紹介しました。
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緊急事態宣言が解除された合間を縫って、各社の成長・学んだことを報告し合う交流イベント「Quarterly SPROUND」や、新SPROUNDERを囲むランチ会などのネットワーキングも諦めずに開催してきました。
それでも、思うようにリアルな場にみんなで集まって、お互いの会社での学びをシェアしたり近しい関係性を築くことは難しい1年でした。
そこで、コミュニティマネージャーから毎週SPROUNDの「今」をお届けする
メールマガジン『週刊SPROUND PAPER』を配信しました。(これが、意外と皆さんに喜んで頂き、7割くらいの皆さんに毎回読んで頂いています!)
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また、SPROUNDの利用企業の一社であるBeatrustのソリューションを導入。
SPROUNDER(利用者)のプロフィールを閲覧したり、お互いに困っていること、相談したいことを投げかけあえる掲示板を活用し、みなさんが会社の垣根を超えて、コミュニケーションが取れるよう工夫をしました。
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1年の成長の軌跡をまとめたYearBookを創刊
そんな、1年の取り組みと、SPROUND利用企業の1年の成長を記録すべく、1年を記念したこの日、「YearBook」を創刊、皆さんにお配りしました。
めでたく成長して卒業していく企業や、色々な事情で会社を離れるひとなど、もちろんいつかSPROUNDを離れていくことになりますが、ここでの出会いやつながりがまた未来どこかでご縁になったらいいなと、この一期一会を残すためにまとめた、いわば卒業アルバムのような冊子です。
全部コミュニティマネージャーの手作り。
制作しながら、皆さんの1年の努力の成果を反芻したのでした。
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活動報告の最後は、SPROUNDERの声を集めたインタビュー映像をご紹介。
ここではインタビューさせていただいた3名をご紹介しますが、
ぜひ記事後半のリンクで全編ご覧いただければと思います!
セキュリティ要件を満たせるオフィスもいいところ」
入居以来、SPROUNDを介してできた縁もあって、この一年、コロナ禍の中でも、人員を拡大でき、ユーザーも増えました。機密情報をソフトウェアで管理することのある自社にとって、実際サービスを導入するうえで必要なセキュリティ上の要求をクリアできているのが、SPROUNDのオフィスとしてのいいところです。これからSPROUNDでは足りなくなるくらい大きくなっていくことを目指します!
ーーー株式会社RESTAR 右納 響
「他の方々から多くの学びが得られるところを気に入っています」
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10年近くの会社経営を経てから去年の10月にSPROUNDに入居して、「もっと早くこのようなコミュニティ型のシェアオフィスに入っていればよかったな」と思いました。他のスタートアップがどんな取り組みをしているのかを吸収する良い場であり、自分たちの刺激になります。そのような、他の方々から多くの学びが得られる、まさに「知の還流」がSPROUNDの気に入っているところです!
ーーー株式会社CLEARNOTE 新井豪一郎
「利用企業の熱量の高さ・お互い真剣に共有しているのが素敵」
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この1年間を振り返って、実際にSPROUNDをやってみて、思っていたよりいいなと思うことがたくさんありました。まず、企業との距離。トイレやカフェ、廊下ですれ違うことが多く、その度にちょっとした真面目な話ができ、企業とのコミュニケーションが増えました。また、Monthly SPROUNDなどのイベントで発揮される入居企業さんたちの熱量の高さ・そこでの学びの大きさがすごいと思っています。お互いかなりディスクローズして真剣に共有しているのがとても素敵です。
ーーーDNX Ventures 向川 恭平
SPROUNDの1年を振り返る「Annual SPROUND Party」、いかがでしたでしょうか。イベント内で開催された「SPROUND STARTUP WORKSHOP Vol.8」は、後日レポート記事というかたちで改めてご紹介できればと思います!お楽しみに!
さいごに
記事のタイトルに「親密なスタートアップコミュニティ」と書かせて頂きました。ただでさえ、スタートアップの経営者たちは、Runway(調達した資金が尽きる期間)を意識して慌ただしく事業や組織に向き合います。そんな日々忙しい人たちが、自分の会社とは関係のないはずのSPROUNDにもコミットしコミュニティにGiveをしてくださっていることで、多くの人の「知」が集積し、お互いに得られるものを倍増させ、親密で良質なコミュニティに足らしめています。
3ヶ月に一度開催している「Quarterly SPROUND」というイベントでは、各社が事業の進捗を発表しあいます。SPROUNDのみなさんが、自社で苦労していることや重ねてきた試行錯誤を、他の会社のみなさんのヒントになればと赤裸々に語ってくださる心意気と、日々お互いを尊重し交流してくださる皆さんの姿勢は、SPROUNDの企画者である私にとって、毎回奇跡のように感じられる感動的なシーンです。
1年という月日を経て、みなさんのそうした姿勢・心意気によって、SPROUNDがここまで成長できたことを嬉しく思うとともに、支えてくださったSPROUNDERのみなさん、Workshopの講師やSPROUND Supportersの皆さんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。
それでは、最後は金谷さんの素敵な言葉で締めさせて頂きます。
SPROUNDに関心をもってくださった志あるシードスタートアップのみなさん、SPROUNDで一緒に切磋琢磨いたしましょう。
門を叩いてくださること、楽しみにお待ちしております!
2020年9月28日、
COVID-19が世界に与える影響度を誰も予測できない中、
SPROUNDは「知の還流」を目指してオープンいたしました。
試行錯誤の日々を乗り越え、
ようやくSPROUNDは開設1周年を迎えることができました。
幾度の緊急事態宣言や自粛要請等により、
思うような施策を展開することができないこともあり、
至らない点が多々ありまして申し訳ございません。
しかしながら、皆様の多大なるご協力により、
SPROUNDが掲げる「知の還流」を生み出すための
コミュニティの礎は築けたのではないかと自負しております。
SPROUND。
ここには有望なスタートアップたちが集まります。
スタートアップに必要な知が絶えず循環し続けます。
世界と戦える企業を品川から。SPROUNDから。
ーーー日鉄興和不動産 金谷貴央
文・上野なつみ