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発酵・貯蔵タンクに記された名前の意味は?全面リニューアルしたスプリングバレーブルワリー東京体験レポート

キリンビールのグループ会社でクラフトビール事業を手掛けるスプリングバレーブルワリー。その直営の体験型ブルワリー併設店舗「スプリングバレーブルワリー東京」が、5月30日に全面リニューアルオープンしました。

様々なクラフトビール体験を楽しめる場となっているとのことで、Sprocketのコンサルタント・榎原とともに店舗を訪問。その様子をレポートします!


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ビールの製造工程と味を可視化

スプリングバレーブルワリー東京(SPRING VALLEY BREWERY TOKYO)があるのは、東京の代官山駅から約5分のところ。醸造設備を備えた2階建ての施設です。

2015年にオープンし、今年の5月にフロアによってターゲット別のクラフトビール体験ができる店舗へと全面リニューアルを行いました。

スプリングバレーブルワリー東京外観
店舗の外観。外からも発酵・貯蔵タンクが見える。

1階はクラフトビールにあまり馴染みのない層でも、カジュアルかつ感覚的にビールを楽しむことができる空間づくりがされています。

一方、2階はクラフトビールファンをターゲットに、非日常を感じる落ち着いた空間でクラフトビールの奥深さを楽しめるようになっているそうです。

1階の入口を入ると目に飛び込んで来るのはガラス張りの醸造設備。店舗名に「ブルワリー(ビール醸造所)」とある通り、実際に店舗で提供されているビールの製造が行われています。

スプリングバレーブルワリー東京の醸造設備
製造工程が直感的に理解できるようになっている。

1階の天井は高く、開放感のある作り。席に着くとほどなく、店員さんがメニューの説明をしてくれました。

「CRAFT BEER TASTE MAP」により、それぞれのビールの特徴が可視化されています。それだけ味の幅が広いということがわかり、ビール選びの参考になります。

CRAFT BEER TASTE MAP
「CRAFT BEER TASTE MAP」でビールの特徴を可視化。

至るところに造り手のこだわりを感じる店内

注文したのは、ビアフライト6種類飲み比べセットとおつまみ4種セット。ビアフライトはそれぞれの味をしっかり感じ取れるよう、あえて「泡なし」で提供されているそうです。

ビアフライト6種類飲み比べセットとおつまみ4種セット
ビアフライトは見た目も華やかで、気分が盛り上がります。

最初に説明を受けたことにより、「では、実際はどうかな?」と普段よりも味に意識が向かいます。榎原も「情報が味を引き立てている」と、クラフトビールを堪能していました。

個性豊かなクラフトビールを味わう榎原。
個性豊かなクラフトビールを味わう榎原。

1階にあるクラフトビールの世界観を直接的に感じられる「ウォールタップ」もひときわ目を引きます。

スタッフの制服にもなっているTシャツはヘンプ(麻)のアパレルブランド「GOHEMP」が手掛けていたり、店内のデジタルサイネージにはドローン映像作家の横田淳氏らによる四季をテーマにした映像が流れていたり、リニューアルのコンセプトである「ENJOY! CRAFT」が至るところで体現されています。

それらの背景が事細かく説明されるわけではありませんが、空間演出として自然に触れることで、スプリングバレーブルワリーのこだわりを意識せずとも感じられるようになっています。

ウォールタップ
色の幅にも驚かされるウォールタップ。見た目で注文することもできる。

お店を訪れたのは平日の夕方でしたが、グラス片手に一人で読書を楽しむお客さんの姿も。人によってはカフェのようにまったり過ごすこともできる、間口の広さを感じられるのが1階でした。

ビールと料理の味を引き立てる「ペアリング」のすすめ

1階とは打って変わり、2階は落ち着いたムード。料理もコースでのみ提供されています。

2階にはペアリングコース専用カウンターもある。

2️階では、店員さんからコース内容の紹介と同時に料理に合わせてビールを選ぶ「ペアリング」の提案がありました。

ワインにおけるマリアージュのように、料理の味わいを引き出すビールの組み合わせを楽しんでみましょうというものです。

スプリングバレーブルワリーの全スタッフは、入社後に必ずオリジナルのビール研修とサービス研修を受講します。そして、来場者の利用動機やクラフトビールに対する知識に応じて接客ができるように心がけているそうです。

ビールと料理、互いの味を引き立てるペアリングの提案。

コース一覧にもペアリングにおすすめのビールが紹介されていますし、料理の提供時にも店員さんから「こちらの料理におすすめなのは◯◯です」と案内があります。

さらに、2️階ではビールによって形の異なる最適なグラスで提供されています。日常的にクラフトビールを楽しむファンの方にとっては嬉しいポイントでしょう。

ジャンルにとらわれない、クラフトビールに合うように開発された料理。

2階にも醸造設備があり、非日常感とエレガントさが両立した空間でビールの味わいを深く楽しむことができます。

2階にも醸造設備
案内された席からは醸造設備が眺められた。

Hal、28、Atom…発酵・貯蔵タンクに記された名前の秘密

席から見える発酵・貯蔵タンクをよく見てみると、それぞれに名前が付けられていることに気が付きました。Halや28、Atomといった形です。

タンクに付けられた名前。ピンとくる方もいるかも?

なんでも2階手前のタンクにはSF作品のロボットの名前が付けられているとのことです。スプリングバレーブルワリーでは創業当初から遊び心を大切にし、タンクにも愛着を持てる名前を付けたそうです。

タンク一つひとつも、ただ番号で管理するのではなく大切な存在として扱いたい。そんな創業メンバーの気持ちが表れているように感じました。

生の声から体験を進化させていく

スプリングバレーブルワリー全店の累計来場者数は200万人を突破。店舗ではアンケートも実施し、来場者の生の声を集める取り組みも進めています。

今回のリニューアルにもこれまで寄せられた声が実際に反映されている様子で、今後もどのようにビール体験が進化していくのかが楽しみです。

店舗で体験したビールやグラスからお気に入りのものが見つかったら、レジ前にある物販コーナーで購入することもできます。

また、缶のSPRING VALLEYはコンビニなどでも気軽に買うことができます。新鮮なビールのおいしさを自宅で追求したいという方は、会員制の生ビールサービスである「キリン ホームタップ」という選択肢もあります。

物販コーナーにはSPRING VALLEYのクラフトビールやグラスの他、オリジナルアイテムが並ぶ。

クラフトビールは種類が多い分、選ぶのが難しそう、敷居が高そうと感じてしまうもの。実際、キリンビールの調べではビール類ユーザー全体の約8割はクラフトビールを飲んだことがないそうです。

そういった方々に向けては、広告やネット上の情報だけでなく、まずは実際に体験してもらうことこそが重要になるのではないでしょうか。

スプリングバレーブルワリー東京がもたらす体験の価値は、そこからの広がりを考えれば決して小さなものではないでしょう。

榎原は帰り際に、「今度は友人を連れてきます」と笑顔で語っていました。体験の輪はそのように広がっていくのだと思います。

参考リンク:SPRING VALLEY(スプリングバレー)

執筆・写真:スプ論編集部


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