実際に外国人材はどうやって採用するのか―日本企業における外国人材採用の方法―
株式会社デルタ(東京都中央区、代表取締役 木山千春)より株式会社Sprobe(以下、Sprobe)が開発、運用を受託している資料請求サイトSaaSMart(https://saasmart.jp/)では、「採用」カテゴリ内に、新たに「外国人採用」カテゴリを設けました。
近年、日本の労働力不足が深刻化する中、多くの企業が外国人材の採用に注目しています。
特に少子高齢化による労働力人口の減少に直面している業界では、即戦力となる外国人材の活用が欠かせないものとなっています。本記事では、日本企業が外国人材を採用する際の主要な手段と、採用時に押さえておくべき注意点について解説します。
1. 採用の手段
a) 留学生採用
日本の大学や専門学校に在籍する留学生を対象にした採用方法です。留学生は既に日本で生活しているため、ビザの手続きが比較的簡易で、文化や生活環境にも慣れているケースが多いです。企業は新卒採用として直接採用する他、インターンシップを通じて留学生の能力を見極め、採用に繋げることも可能です。
・具体例: IT業界や観光業界では、留学生を積極的にインターンシップに参加させ、その後正社員として採用する流れが一般的です。特に技術分野に強い学生を対象にした採用は、企業にとっても即戦力として期待されます。
b) 海外での直接採用
海外の大学や就職フェア、求人サイトを利用した採用方法です。企業が直接海外に足を運び、現地の学生や専門人材を対象に採用活動を行うことが一般的です。オンライン面接や書類選考を通じて、国際的な人材を確保する企業も増えています。
・具体例: グローバルな人材を必要とする製造業や金融業では、海外の優秀な大学でリクルートフェアを開催し、即戦力となる人材を現地で採用することが増えています。
c) 人材紹介会社の利用
外国人材の採用に特化した人材紹介会社を通じて、専門的なスキルや経験を持つ人材を効率的に採用する方法です。人材紹介会社は、煩雑な手続きを代行し、企業のニーズに合った候補者を提供してくれるため、効率的でリスクも少ないです。
・具体例: 特に医療、IT、建設などの分野では、専門スキルを持つ外国人材を、紹介会社を通じて採用し、即戦力として活躍してもらうケースが多く見られます。
d) 技能実習生制度の活用
技能実習生制度は、主に途上国から技能を習得するために日本に来る外国人を対象にしています。この制度は国際貢献や技術移転が目的であり、企業は一定期間、技能実習生を受け入れることで人材不足を補います。技能実習生は、最長5年間の在留が可能ですが、その後は帰国が前提です。
・具体例: 製造業や農業、建設業などでは、技能実習生を受け入れて人手不足を補うと同時に、技術移転を通じた国際貢献も行われています。
e) 特定技能制度の利用
2019年に開始された特定技能制度は、特定の分野での労働力不足を解消するために導入されました。特定技能には12分野(4分野追加決定)が指定されており、これらの分野において技能試験や日本語試験をクリアした外国人労働者を受け入れることが可能です。特定技能1号では最長5年間、特定技能2号では長期的な在留も可能です。
・具体例: 介護業界では、特定技能制度を活用して外国人労働者を積極的に採用しており、日本語研修やスキルアップ支援を行うことで現場の即戦力として活躍しています。
2. 採用時の注意点
a) ビザ・在留資格の確認
採用予定者の在留資格を確認し、必要に応じて変更申請をサポートすることが重要です。特定技能や技術・人文知識・国際業務など、適切な在留資格を選定し、手続きを確実に行うことが、スムーズな採用に繋がります。
b) 言語・文化の壁への対応
外国人労働者を受け入れる際には、日本語能力の確認が必要です。さらに、日本語教育の提供や異文化理解研修を実施することで、社内コミュニケーションの円滑化が図れます。多言語でのサポート体制を整備することも、外国人材の働きやすさに繋がります。
c) 生活支援
外国人材が日本で快適に生活できるよう、住居の紹介や行政手続きのサポートが必要です。初期段階での生活支援を充実させることで、外国人材の定着率が向上します。
d) キャリアパスの提供
長期的な定着を促進するためには、外国人材に明確なキャリアパスを示すことが重要です。スキルアップや昇進の機会を提供し、やりがいを持って働いてもらう環境を整えましょう。
3. 採用後の教育・研修プログラム
外国人材を採用した後、彼らが職場にスムーズに適応し、パフォーマンスを最大限に発揮できるようにするためには、適切な教育・研修プログラムの提供が重要です。業界や職種によって異なるものの、特に日本語能力が求められるポジションでは、外国人材に対してしっかりとしたサポートが必要です。
外国人材の中には、日本語に対して不安を抱える人も少なくありません。日本語研修を提供することで、彼らが業務に早く適応し、チーム内でのコミュニケーションを円滑にすることが可能です。特に、業務に関連した専門用語や社内の慣習的な表現を学ぶことで、職場での効率が向上します。
具体的な研修の形式:
本語の授業やオンライン学習:実務に役立つ日本語を学ぶ授業を実施し、コミュニケーション能力を強化します。オンライン学習のプラットフォームを活用することも効果的です。
業務に即した専門用語の学習:IT、製造業、医療など、業種によって異なる専門用語を学ぶことは、職務を効率的に遂行するために重要です。
日本語を使った実践演習:ミーティングやプレゼンテーションのシミュレーションを通じて、日本語での業務を実際に体験し、スキルを磨くことができます。
このように、企業が提供する教育・研修プログラムは、外国人材の定着率を高め、即戦力としての能力を引き出すために非常に効果的です。
参考:日本語能力試験(JLPT)
多くの日本企業は、外国人材の日本語能力を評価する指標として日本語能力試験(JLPT)を採用しています。N1からN5までの5つのレベルがあり、N1が最も高いレベルです。
具体的には以下のようなレベル感です。
N2:ビジネスシーンでもある程度のコミュニケーションが取れるレベルとされています。日常会話や業務に必要な日本語を理解できる能力があり、実務においても適応できる場合が多いです。
N1:日本語の高度な知識を持っており、複雑な文書の理解やビジネス上での専門的なコミュニケーションにも対応できるレベルです。多くの企業では、特に専門的な仕事においてN1の取得が望まれています。
4. 一般社団法人外国人雇用協議会(JAEFN)のご紹介
一般社団法人外国人雇用協議会(JAEFN)とは、日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えるために設立されました。
JAEFNは、以下の課題に対応しています。
政府の政策・制度の改善: 外国人材の受け入れに関する政策や制度の改善を提言し、実現を目指します。
企業側での受入れ環境の整備: 外国人材が働きやすい環境を整えるためのサポートを行います。
日本のビジネス社会で適応できる人材育成: 日本の言語や文化、ビジネス習慣に適応できるよう、外国人材の育成を支援します。
JAEFNに加盟している企業を通じての採用もおすすめいたします。加盟企業は外国人材の受け入れや育成に関するノウハウを持っており、円滑な雇用環境の構築が期待できます。
一般社団法人外国人雇用協議会リンク:https://jaefn.or.jp/
5. まとめ
外国人材の採用に際しては、自社のニーズと各採用手段の特徴を十分に理解し、適切な方法を選択することが成功の鍵となります。特に、専門的なサポートを得られる人材紹介会社の利用は、多くの企業にとって効果的な選択肢となるでしょう。慎重に検討し、最適な採用戦略を立てることで、グローバル人材の力を最大限に活用し、企業の成長につなげることができるはずです。
お問い合わせ先
株式会社Sprobe 広報
メール: general_affairs_2@sprobe.com
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会社名:株式会社 Sprobe (スプローブ)
(英文表記 Sprobe Co., Ltd.)
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