洗濯物はおひさまのぬくもり
(上記私が描いているイラストで、以下にあげる予定です)
子どもの頃、わりと毎日のように家事全般を手伝わされていた私で、気が付くと、やっていなかったことってないんじゃない?という感じです。掃除機、床拭き、土間掃き、風呂掃除、洗濯、食器洗い、料理の下ごしらえ、父親のシャツ(1日1枚×6日分)のアイロンかけ、ゴミをまとめて出す、草取り等等。頼まれなかったのは「お使い」くらいでしょうか。母は買い物大好きでしたので。そんな私は家事を好んではおらず、子どもの頃毎晩「いつか誰かが迎えに来てくれる」なんていうおぼろげな願望をひそかに抱いておりました。私の空想癖はこの頃から培われてきたのかもしれません。
数少ない私が好んで取り組んでいた家事に、「洗濯物たたみ」がありました。取り込むと山盛りになり、寒い冬の日は縁側で、暑い夏は窓を開け放ってやっていたことを覚えています。なぜ好んでいたかというと、たっぷりと日光浴したお洗濯物はふわふわで温かくて、触り心地よくて、たたみながら「あったかくてふわふわでおかあさんみたい」なんてノリでした。もちろん実の母親ではなく、「おかあさんみたいなイメージ」を楽しんでいたのです。今思えはあったかくてふわふわ、というと、湯船か布団の時間です。ともにリラックスできるひとときで、「お手伝い」と、不本意ながら担っていた役割の中にそんな役得があったことに、ごくごく最近気づいたのです。
もうひとつ気付いたのが、他の家事は汚れ系→綺麗に整えるというモノが多かったのですが、これは貴重な「綺麗な物を整える」という家事なのでした。まだ小さな子どもの頃、山盛りの洗濯物に囲まれながら「天国ってこういうモノに溢れている場所なのかもなあ」と思っていたかもしれません。
家事をやったことのない人に最初に頼んでみる家事は、洗濯物たたみがよいかもしれない、と、この日の猛暑日取り込んだ洗濯物をたたみながら、ぼんやりと考える私なのでした。
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