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パソコンの先にあるもの

「はい、ママ」

6歳の息子が保育園で作ってきてくれたのは、紙製のパソコンだった。A4のコピー用紙を半分に折り曲げ、下半分には小さな四角をたくさん書いてキーボードに見立て、上半分のモニター部分には絵が書かれている。自分とパパとママと妹が、青空の下で手をつないで笑っている絵だ。
私はそのパソコンを見て、泣きたくなってしまった。

私がパソコンに向かうとき、そこのモニターに写っているのは、こんなに希望に満ちた世界だろうか。社内への報告書、クライアントへの提案資料、社内外とのビデオ会議。それはもちろん必要なものではあるけれど、それが未来をよくするものなのかと言われると確信はない。企業が売り上げを上げて経済を回すことは、俯瞰的に見ると意味があることではあるのだけれど、ここ最近は「経済成長」を目指すことが必ずしも正解だとは思えない。

今は懸命に自社商品を売る方法を考えているけれど、この商品が売れることが、より明るい未来をもたらすとは到底思えない。ただ一方で、経済の歯車の中に入らないと子供を養育していくためのお金を稼ぐことができない。そのことが、「これは本当に意味があるのだろうか」と自問しながらも、私を今日もパソコンに向かわせる。

せめて、この子のこれから歩む道が少しでも希望に満ちたものでありますように。そう願いながら。

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