身近な自然をきっかけにこの町を好きになってもらえたら
私が幼少期から現在まで暮らすS町は東北地方の田舎町で農業が基幹産業です。県庁所在地のM市にとても近く、町の中心部はM市のベットタウンとして住宅地が次々と造成され、また「オガールプロジェクト」で駅前が公民連携で再開発されたことで全国的に注目され、町の中心部に人口が集中しています。一方で農地や山林が広がる町の東部・西部地区は人口減少が進み、西部では3つの小学校を閉校し統合。東部の5つの小学校も今年の3月での閉校・統合が決まっています。
農業が基幹産業で「自然が豊か」と言われるこの町で暮らす子供のほとんどは中心部の住宅地に住んでおり、日常的に自然に触れて生活することや農業を身近に感じることはあまりありません。職場の同僚に同じS町出身の方がいるのですが、中心部の地域出身で、S町で生産されている農作物のことや町の東部・西部地区のことはほとんど知りません。私もその方も一言で表せば「S町出身」ですが、暮らした地域の違いで町への認識に大きな違いが出ることに正直驚きました。一方、農地や山林が広がる町の東部・西部地区に暮らす子供であっても、小学校が統合されスクールバスで登下校するようになれば登下校中に草花を摘んだり、虫やカエルを捕まえたりする機会も無くなるかもしれません。
このように、自然が豊かといわれる町で暮らしているはずなのに、実際には身近な自然に触れる機会もあまり無いまま大人になってしまう子供がいることがとても残念で、「子供が自然と触れ合う場や機会」を提供することが出来たら…と思うようになっていました。S町の子供たちには、自然に囲まれた地域で自然の中での遊び方や自然の面白さを知って「ここで育って良かった」と思えるようになってもらいたいのです。
協力してくれる仲間に恵まれ、S町での子供向け自然体験イベントを昨年初めて企画・実施することができました。これから定期的に自然体験イベントを企画したいと思っています。