Izumi

大学で実験・実習・研究を支援する仕事をしながら森林インストラクターをしている二児の母です。自分が好きな森林、登山、自然観察、キャンプのことや子育てについて発信していけたら…と思ってます。

Izumi

大学で実験・実習・研究を支援する仕事をしながら森林インストラクターをしている二児の母です。自分が好きな森林、登山、自然観察、キャンプのことや子育てについて発信していけたら…と思ってます。

最近の記事

山王海ダムと木炭の話2(畠山剛氏の著書から)

 「山王海ダムにはダム底に沈んだ集落があり、そこで暮らした人々は木炭生産で収入を得て生活していた。」 その話を聞いたことがきっかけで岩手の木炭生産の歴史やかつての山王海集落での人々の暮らしが知りたくなり、様々な文献を探すようになりました。  岩手の木炭生産について記した本「炭焼物語」「岩手木炭 ーその近代のあゆみ」「炭焼きの二十世紀」は、中学校教員だった畠山剛氏が、赴任先の北上山地内の中学校で、製炭業をしながら貧しい暮らしをしていた生徒の家庭をいくつも見てきたことで、子どもが

    • 山王海ダムと木炭の話

      「山王海は木炭の生産地だった」と聞いて… 紫波町の西側には「山王海ダム」があり、町の基幹産業である農業を支えています。ダムが無かった時代には農業用水を巡って水げんかが度々起こり、ひどい時には死者が出るほどだった事を小学生の時の地域学習で学びました。  今はダムとなっている山王海地区は、かつては分校が建つほど人が暮らし、木炭生産と農業をしながら生活していたそうです。このことは町の森林・林業に詳しい方々から聞いたのですが、そのときの驚きはとても大きいものでした。  なぜなら、木

      • 山開き登山の引率を終えて「あづまね山の日」制定に向けて思うこと

        町のシンボル東根山 私の暮らすS町には東根山という山があります。町の東西をいくつもの山に囲まれているS町ですが、中でも東根山は町のシンボル的な存在の山です。東根山は地元の小学生が遠足で登ったり、トレイルランニングの大会が開催されるだけでなく、麓の温泉や湧水には町内外から多くの人が訪れ、広く人々に親しまれています。  今年、東根山の標高928mにちなんで9月28日を「あづまね山の日」に制定しようという動きがあります。 公民館の恒例行事「東根山登山・山開き」に引率してみて 町で

        • 生き物の「名前を知る」ということ

           ゴールデンウィーク中のこと。ゴールデンカムイの無料公開キャンペーンをやっていたので読んでみたら予想以上にハマってしまい、一気に全巻読み終えてしまいました(笑)。「カムイ」とは北海道の先住民のアイヌ言葉で「神」のこと。学生時代にお世話になった先生方には北海道大学出身の方が多く北海道の自然の話をよく聞いたり、北海道の演習林に調査に行ったこともあったため、マンガの中での北海道の動物や植物の描写から当時を思い出して懐かしく感じました。そして、身の周りの自然の動物や植物の名前を知るこ

          自然に触れて「あそびこむ」~子どもの自然体験イベントを実施してみて思ったこと~

          約1年前のこと。次男の出産のための産休・育休中で、当時生後3カ月の次男と2歳の長男の世話に追われる日々の中、乳幼児連れの親子向けの自然体験イベントをやってみたいと思いnoteに投稿しました。 特に私の暮らすS町の東部・西部地区の小学校が統合されることが決まってからは「小学校が無くなる地区に再び子どもの声を響かせることが出来たら」「町内の農村部の自然環境を子どもたちに感じてほしい」という想いから、町内の特に東部・西部地区の農村部でイベントが開催できないか考えるようになりました

          自然に触れて「あそびこむ」~子どもの自然体験イベントを実施してみて思ったこと~

          火を囲む楽しさ

          焚き火が好きです。焚き火でマシュマロを焼いたり焼き芋をしたり料理をするのも楽しいですし、火を眺めてお酒を飲みながら語り合うのも大好きです。私の焚き火経験は幼少期、そして大学生のサークル活動を経て現在に至ります。 実家には※エグネと呼ばれる防風林兼屋敷林があり、強い風が吹くと庭に枝葉がたくさん落ちてくるので祖母がそれを集めて畑の端の方で焼いていました。よその家のエグネはスギだけの所が多いのですが、うちのエグネはスギだけでなくアカマツ、カラマツ、ケヤキ、クリ、ホオノキ等もある針

          火を囲む楽しさ

          S町の過疎問題(母校の閉校)をきっかけに変わった、S町での暮らし方・「町」との関わり方

          私の暮らすS町の過疎問題について以前noteに思うことを書きましたが、 そのことをきっかけに私自身がこれからS町でどのように暮らしたいか、日々の暮らしでS町とどのように関わることができるかを考えるようになりました。 私はもともと町内の小学校を統合して一部を廃校にしてしまうことには反対でした。小学校は子どもが集い、遊んだり学んだりする場として地域に必要不可欠ですから「小学校を無くしたらただでさえ深刻な少子高齢化がもっと進行してしまうのでは…」と危惧していたためです。どうにか

          S町の過疎問題(母校の閉校)をきっかけに変わった、S町での暮らし方・「町」との関わり方

          身近な自然をきっかけにこの町を好きになってもらえたら

          私が幼少期から現在まで暮らすS町は東北地方の田舎町で農業が基幹産業です。県庁所在地のM市にとても近く、町の中心部はM市のベットタウンとして住宅地が次々と造成され、また「オガールプロジェクト」で駅前が公民連携で再開発されたことで全国的に注目され、町の中心部に人口が集中しています。一方で農地や山林が広がる町の東部・西部地区は人口減少が進み、西部では3つの小学校を閉校し統合。東部の5つの小学校も今年の3月での閉校・統合が決まっています。 農業が基幹産業で「自然が豊か」と言われるこ

          身近な自然をきっかけにこの町を好きになってもらえたら

          恩師の最終講義とS町の過疎問題 ~過疎問題はもはや他人事ではなくなった~

          このnoteは学生時代にお世話になった先生の最終講義を聞きに行ったときに、昨年Facebookに投稿した記事を改めて書き直したものです。 --- 私は先生の研究室に所属し、卒論や修論の面倒を見てもらったわけではないが、先生に連れられて奥州市の胆沢や西和賀町、久慈市山形村のバッタリー村に行き、体験したことは今でもいい思い出だ。 先生は農村計画や地域づくり・地域おこしを専門とし、私の地元、S町でも地域づくりの支援を行っていたが、私の中ではなぜか地域づくりや地域おこしは山奥の

          恩師の最終講義とS町の過疎問題 ~過疎問題はもはや他人事ではなくなった~

          産休に入り思うこと ~乳幼児の自然体験について~

          次男出産のため昨年の秋から産休に入り、子育てに追われつつも最近は色々と考える時間と心の余裕が出てきました。そこで考えるようになったのは乳幼児を対象にした自然体験です。 長男の出産後から子供と自然との関わりはこれまで以上に強く意識するようになり、また、子供にさせたい自然体験の内容が母親になる前とは少し変わってきました。以前は「環境教育に効果のある自然体験をさせたい」と思うことが多かったのですが、母になった今は「普段の生活にいかに充実した自然体験を取り入れられるか」と考えること

          産休に入り思うこと ~乳幼児の自然体験について~

          自己紹介

          はじめまして。Izumiと申します。 2018年生まれと2020年生まれの2人の息子と、サラリーマンをしながら猟師をしている旦那と一緒に東北の県庁所在地に近いとある町で田舎暮らしをしています。 生い立ち・経歴・平成の初めの年に東北のとある町で誕生。今も同じ町に居住。 ・田畑に囲まれた環境で育ち、生き物が好きな子どもになった。 ・公立の小・中・高校で学び地元の国立大(農学部)に入学。 ・出身大学に技術職員として就職。 ・森林インストラクターの資格を取得。 ・働きながら修士(

          自己紹介