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青野春秋を形成する作品〜マンガ編〜(後編)

いらっしゃっいませ。
後編までお付き合い頂き誠にありがとうございます。

それでは残りの5作品を早速紹介させて頂きます。

⑪『バタアシ金魚』/ 望月峯太郎

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・上京前は近所の本屋さんに入荷されない単行本は電車で街まで遠征し購入していたのですが『バタアシ金魚』は街の書店にも在庫がなく、注文しても入荷するか確約できないと言われ、どうしても読みたかった私は意を決して東京まで遠征し、渋谷のパルコブックセンターで単行本だけを購入して(余分なお金がないので食事も抜き)寄り道することなく帰宅する弾丸ツアーをしたのを思い出す。

望月峯太郎作品だと『ドラゴンヘッド』『座敷女』『ちいさこべえ』などが有名で人気ですが、私の中では連載デビュー作『バタアシ金魚』そして、続編にあたる『お茶の間』が大のお気に入りである。
内容は荒削りだが、それを凌駕するほどの勢いと読み応えがある。

後に上京した私は引越し資金目当てで「ちばてつや賞」へ初めて描いたマンガを応募して、運よく賞金を手にすることになったのだけれど、望月峯太郎先生が「ちばてつや賞」出身というのも「ちばてつや賞」を選んだ大きな理由だったことは、ここで初めてする話である。

⑫『フラグメンツ』/ 山本直樹

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・山本直樹と言えばエロのイメージが強い人も多いし実際エロいんですが、もちろんエロい描写は抜群なのだけれど話も台詞回しも抜群なのが見逃せない。

『フラグメンツ』は週刊スピリッツで連作短編形式で連載されていて、第二巻に収録されている『世界最後の日々』という連作短編が、山本直樹の凄さが凝縮されていて夢中で読んだのをよく覚えている。
スピリッツの連載時に読んでいたので翌週が待ち遠しくて仕方なかった。

他作品だと『ありがとう』『ビリーバーズ』『安住の地』なども好きで今でも読み返すことが多い。

⑬『ドムーン』/ 天久聖一

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・同じ漫画家のタナカカツキ先生との共著である『バカドリル』シリーズや、週刊SPAの投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』の方が認知度は高いかとは思うし、実際おもしろくて沢山笑わせてもらっている。
しかし、天久さんのヤバさは天井知らずで、個人のマンガ作品にも如実に表現されている。
特に『ドムーン』は全て鉛筆で執筆された驚異の作品で、中でも収録されている短編マンガ『空想KISS〜サイバーシティに連れてって・・・♡』は、私が読んできたギャグマンガ史上最高に笑った大傑作だ。

当時、恵比寿駅付近でアルバイトしていた私は『ドムーン』の発売日を心待ちにしていて、発売当日はバイト終わりに急いで恵比寿駅ビルのアトレ内の書店で購入し、家に帰るまで待ちきれず同じくアトレ内の喫茶店で、心躍らせながらページをめくった。
結果、私はカフェオレを吹き出し周りの注目を浴びて、笑い泣きした苦い思い出がある。

浅はかな自分を恥じつつ急いで家に帰り、今度は思う存分笑って読了した。

これまた、タナカカツキ先生との共著で『ブッチュくんオール百科』というパロディ図鑑も傑作なので、ご興味のある方は是非読んでみてください。
私のオススメは「ピーターやん」です。

⑭『ハード・コア』/ 作・狩撫麻礼 × 画・いましろたかし

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・このコンビと言うだけで危ない匂いがプンプンするが、読んでビックリ。相性抜群でとんでもない傑作マンガになった。

帯では、平成最大の奇書と評されているが奇書だなんて失礼である。

人間愛に満ち溢れた感動作品だ。

⑮『Sunny』/ 松本大洋

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『鉄コン筋クリート』『ナンバーファイブ吾』など独自の世界観が魅力的な作品を描き続けている控えめに言う必要のない天才漫画家。

一番人気で読みやすい作品は『ピンポン』かと思う。
もちろん『ピンポン』も名作だ。

それでもやはり、現時点の松本大洋の最高傑作は『Sunny』で間違いない。

余程のマンガ読みでないと分かりにくいほどに完成度が高すぎるので、松本大洋作品を未読の方は『ピンポン』から読んでみて自分との相性を確認するのが得策かと思います。


以上で、悩みつつなんとか選出した15作品になります。
青野春秋作品が好きだからと言って必ずしも楽しめるわけではないので、ご自身が気になる作品があれば読んでみてください。

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書ききれませんでしたが、他に私が好んで読む漫画家も簡単になりますが紹介致します。

・池上遼一・楳図かずお・赤塚不二夫・横山光輝・弘兼憲史・あだち充・ちばあきお・安達哲・タナカカツキ・小山ゆう・鳥山明・冨樫義博・井上雄彦・古谷実・長尾謙一郎・吉田秋生・さくらももこ・今日マチ子・安野モヨコ・池辺葵・魚喃キリコ・真造圭伍・大橋裕之・華倫変 and more...(敬称略)

それでは、なによりも私、青野春秋が復活する日をお待ち頂けると幸いです。

地道にこつこつ執筆中!

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