ぼっちざごはん#1 サブウェイ

いきなり何を……
施川ユウキ先生の鬱ごはんという漫画にハマってしまった。突飛なファンタジーは書けないけど、飯の話なら僕にも書けそうだ。触発されて書いてみる。

おまえは誰だ

大学4年、一応理系。就活は早々に内定頂いて終わらせた。切り上げたともいう。僕にはあのような面接は多くこなせない。
そして4年前期。卒論を残すのみとなって講義がないもんだから、大学2年頃から悪化していた生活習慣がとどめを刺す様に昼夜逆転夜行性の生き物になった。研究室は行かなきゃいけないけど行かなくてもできる研究だからそれに甘んじている。行かなきゃ。指導教官に怒られる。実はみんなが帰りだす夕方頃にひっそりと大学行ってる。
実家暮らしだけど、生活習慣がズレてて飯は1人。大学にもロクに行かないもんだから、ほぼ唯一他人と関わる手段であったサークルにも滅多に顔を出さなくなってしまって。
残りの関わり合い要素を占めていた彼女もこの間絶交みたいになった。
ってことは必然的にぼっちざろっくな飯をエブリデイというわけだ。

サブウェイを食べよう

ぼくは21歳になるまでサブウェイ童貞だった。理由は色々ある。
まず最初に店が無い。地元には当然無い。行動範囲にもあったかもしれないけど僕の視界に入る場所には無い。
次が致命的。僕はトマトが嫌いだ。あの手のサンド系には必ずと言っていいほど入っているトマト。サブウェイはオーダーが自由だからトマトも抜けるんだろうけどなんか恥ずかしいじゃん。
そして最後。野菜で1食を満たしたくない。
いやほら、ね?野菜で1食を埋めるって何だか敗北感あるでしょう?え?無い?アッハイ……

そんなわけで食べようとも思わなかった。

それがいきなりサブウェイ。オシャレなカフェでインスタ映えな女子大生がいきなり二郎に行くようなもんではなかろうか。

大したきっかけではない。サークルの人と話していてサブウェイの話が出たから食べようかな。それだけ。

とりあえず大学の近くにあったので行ってみた。
流石にサブウェイ童貞とはいえシステム自体は聞きかじりの知識を持っていてテンパらずに済んだ。
自分で色々選ぶタイプの店なので、ベースの仕様(BLTとかチキンとか)を選ぶ→パンを選ぶ→野菜を選ぶ→ドレッシングを選ぶ→ドリンク等を注文、という流れを踏んでいく。

ちなみにトマトは抜かなかった。というか抜けなかった。「野菜はぜんぶ入れちゃっていいですか~?」と聞かれてアッハイと条件反射的に即答してしまったから。しゃーない。

BLTサンドを頼んだのだけれど、想定を上回る野菜山盛りのパンが来た。メニュー写真はもうちょい野菜控えめだったのに……

なんというかアレだ、パンの皿の上にサラダが乗っているみたいな……
メニュー写真のように畳まれてはいないらしい。
重ねられていないハンバーガー屋に初めて行った人も同じ感情を抱いたに違いない(何の話?)

齧りつくために畳もうとする、その動作で既に野菜が零れ落ちてゆく。
あっ、レタスが落ちた……

これをきれいに食べようなどというのは至難の業ではなかろうか。僕には無理だった。ぽろぽろと落ちゆく野菜に絶望を感じながら必死にかじりつく。
マックのハンバーガーLv.100みたい。ビッグマックですら苦戦する僕をあざ笑うように崩れゆくBLTサンド。慎重に食べようとして長い事パンを持っていると手の圧で押し出された野菜がまた落ちる。それに引きずられてまた落ちる……無限ループ

なんとか気合で食いきった。疲れた。

このサブウェイという店、そしてサンドイッチという食べ物はオシャレ飯に分類されるものだと思う。オシャレは我慢という言葉はファッションの為の言葉ではなかったか。まさか飯にも適用されるとは。

豚のエサなどと揶揄される某ラーメンと比較すると、あちらの方がまだマシというか文明的ではないか?と思ってしまった。少なくともラーメンは丼の外に具材を落としたりしないし。箸とレンゲは手も汚さない。

結局はイメージの問題である。

何の話だったっけ。そうだ、サブウェイ。

確かに食べにくいけど、味はとても良かった。パンは香ばしく、野菜もシャキシャキとフレッシュそのもの。苦手なトマトもほかの野菜の山に埋もれてしまえば意外と食べられてしまった。
何より健康的な気分になれる。野菜を腹いっぱい食べた感は何物にも代えがたい。

施川ユウキ先生のように面白いオチが付けられるわけではないから、まさに平凡な感想そのものなんだけれど、実際に食べているときに考えていたことを文章化するように努力していたりなかったりやっぱりしていたり。

久しぶりに物書きをやってみて楽しかったのでまた書くと思います。では。

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