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【代表メッセージ】スプラシアのミッション・ビジョンへの思い

なぜ、ミッション・ビジョンが必要だったのか

2016年、スプラシアは博展のグループ会社になった。
2017年、私は当社の経営参画し、2019年に代表に就任。
そして2020年に、ミッション・ビジョンを策定した。

なぜ、ミッション・ビジョンをつくることになったのか。

その理由は、さまざまなバックボーンを持つ社員が、1つの方向に向かい、やりがいを持って働き、成果を出せる会社をつくるためだった。

まずは、私たちの事業方針と強みを定義した

私がスプラシアに経営参画した2017年当時、当社には、以前からスプラシアで働いていた社員と、web系グループ企業の株式会社アイアクト (2016年当時、スプラシアと同様に博展の子会社だった企業、現在は売却済み)出身の社員、親会社である博展出身の社員が在籍していた。

3方向から寄り集まったメンバーでのスタート。博展やアイアクト出身社員の中には、自分の意思で異動をしたわけではないメンバーもいたため、会社はずいぶん混沌とした状態だった。

明確な商材があり、そのスケールを実行するという使命があればわかりやすいのだろうが、そもそも何を目的として集まったのかも1人1人がわからない状態でもあった。当然、方向性の見えない状況にメンバー達は不安を覚え、2018年頃までは、会社を出て行く人も少なく無かった。

そんな状況の中でCMOとなった私の仕事は、「営業からマーケティングまでを管掌すること」。人材の流出を止め、この船を沈まぬものしなくてはならない。

そのためにまず、私がすべきことは「誰に何を提供する。どんな強みを持った会社なのか」を定義することだと考え、それに集中した。

プロダクトやサービスの骨格を作っては販売を試みる。その繰り返しの中で、当時、当社が特許を持っていた動画合成の技術が、5Gの波に乗ってやってくる動画需要とうまくハマるだろうという仮説が浮かび上がった。そしてその仮説のもとに、動画系のプロダクトに事業を集中させる方針を立てた。

「誰に何を提供している、どんな強みを持った会社なのか?」

その問いの答えを、

「カスタマーとの接点を求めている企業に、独自の動画合成技術を使った動画コンテンツで、その機会を提供し、より効果的なコミュニケーションをつくる会社である」

としたのだ。

事業方針と強みが明確になったことで、メンバーの不安の大部分は取り払うことができた。それに伴い、退職者の数も減少していった。と言っても、一通り辞め切ったと言ったところだったのかもしれない。

次に考えはじめたのは、「何のために」働いているのか

事業方針と強みを把握して肝煎り商品を作り、販売する。これにより一定の売上が出始めたころ、メンバー達は「この会社で働く意義」について考え始めた。

「なぜこの商品を売っているのか? 何のための開発しているのか?」

「必要としているお客様がいるから」という短絡的な考え方では、社員を束ねることはできず、社員と会社が冷え切った関係性になってしまうと感じた。

「何のために、誰に何を提供していくのか」

「その結果どうなりたいのか」

「その結果に対して現在、自分たちはどの地点にいるのか」

「うまくいっているのか、いないのか」

この疑問に対して、会社がきちんと社内(外)の人達と向き合うことが出来なければ、社員と会社の関係性を維持することは難しい。

そう考えた経営陣は、まずはミッション・ビジョン、さらにバリューや、それに添う人事制度を創り上げることを決めた。これが、私が代表に就任して最初に手をつけたプロジェクトだ。

ちなみに、それまでももちろん人事制度はったが、親会社のものをそのまま利用したものだった。またミッションだけはあったが、創業当時のまま買収後に改定をしておらず、それぞれ機能していなかったのだ。

ミッション・ビジョンを創るプロセスとは

ミッション・ビジョンの策定においては、自分を含めた当時のボードメンバー4名で定例MTGをセットし、旗振り役は私が務めた。

他企業のミッション・ビジョンを持ち寄って共有したり、さまざまな角度から自社を見たりを繰り返し行ったMTG。前提条件が揃うと、あとは自分達らしい言葉選びを行った。

この最後の言葉選びの工程が1番難しかった。

ボードメンバー4人中、私を含めた3人は理系で、語彙力が圧倒的になかったのだ。(笑)

こうして進んだミッション・ ビジョンの策定だが、結果的には、スタートしてからメンバーへお披露目するまでに3、4ヶ月程度かかっている。

当時のメモをここに残しておこう。

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【前提】
最低限、社員がそうなりたいと思い、同じ解像度で語れるモノにする。​
できれば、社外の人(家族や顧客・仕入先)がいいね! 応援するよ! となるモノにする。​

■顧客(マーケット)
ITには明るく無いけど、ITを使うことで、自社とか社会とか、世界をもっと良くしたいと思っている。

■社会(世の中)
IT化が進むことで、ヒトの仕事は無くなるのではなく、​本来のヒトらしい(感性) 仕事が増え、世の中がもっと豊かになっていくべき。​我々の仕事や我々自身は、そんな世の中を創る​。

■我々(強み)
あらゆるテクノロジーとストラテジーでそれを支える。
最新のテクノロジーに触れる知的探究心​​。
いくつものプロジェクトを世に送り出すプロデュース力。​

■代表としての思い
世の中的に影響力のある会社になりたい。​​
変わり続ける社会に対して、​​価値を届け続けられる会社になる。​

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ケンケンガクガクの議論を繰り返し、最後はお酒を飲みながら会話し、満場一致になるまで話し合った結果、ようやくスプラシアのミッション・ビジョンが決まった。

ミッション・ビジョンに込めた思い

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MISSION

I Tで踏み出す新たな一歩を共に

A step in I.T., A new step forward.

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ミッションには、下記のような思いを込めた。

「今より、もっといいやり方があるのではないか」

「こんなことができれば、もっといいのに」

「本当にこれが最善なのか」

「誰に頼めばいいのかわからない」

アイデアをカタチにする時、​はじめの一歩はとても大変だ。

しかし、私たちは、ITに精通し、​ユーザーの気持ちを理解し、顧客と共に考え、​アイデアを提供し、​世界中に溢れるあらゆるテクノロジーを活用して​、創り、育て、そして拡大していくことができる。

ゼロからつくらなくとも、我々の保有するテクノロジーやツールを組み合わせ、​まずは試せる機会を提供する事から始めよう。​

「便利になった」

「面倒なことから解放された」

「​いいね」

「任せて良かった」​

我々のミッションは、​ITで踏み出す新たな一歩を共にすることだ。​

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VISION

時代に新しいスタンダードを実装する。

Implement new standard for the era.

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ビジョンに込めた思いは、下記のような内容だ。

私たちが目指すのは、​世の中をITの力で便利に豊かに幸せにしていくこと。誰かにとって、スプラシアの提供する価値が無くてはならないものであり、スプラシアという会社と、スプラシアのひとり一人の能力が世間に認められること。​

そのためには、変化を続ける社会の中で、​常に価値を認められるものをアウトプットし続けるとともに​、ひとり一人が主人公となって、個人の自己実現を追求していかなくてはならない。

技術力と発想力で、これからの時代をつくっていく。​
今までの当たり前ではなく、これからの価値をつくっていく。
それがスプラシアだ。​ 

ミッション・ビジョンの活用法

最後に、今、私たちが、このミッション・ビジョンをどう活用しているかを紹介させてほしい。

「最低限、社員がそうなりたいと思い、同じ解像度で語れるモノにする。​ できれば、社外の人(家族や顧客・仕入先)がいいね! 応援するよ! となるモノにする。」

という目線でつくったからこそ、毎月の全社会議の冒頭には、必ずミッション・ビジョン・バリューをメンバー全員で確認している。

完全に覚えている人もいるし、好きな人も、そこまで気に入っていない人も、なんとも思っていない人もいるかもしれない。
しかし、何度もこのワードに助けられるような機会があったし、メンバー達も普段の会話の中で、このワードを使ってくれているシーンも見かける。

経営の意思決定や、行動のスタンダート、やらないことを決めたり、優先順位を決めたり、時として個人や会社の成長意欲を喚起するような、絶対的な判断軸として機能していることは間違いない。

ミッション・ビジョンはある意味、抽象的な“言葉”だ。だからこそ、建前として捉えられてしまったり、放置すれば風化し忘れ去られてしまったりする。そして、思い出したかのように、久しぶりに取り出すほど、恥ずかしい事は無い。

実は、取り扱いがとても難しいのが、ミッション・ビジョン。しかし、この浸透には経営者の熱意や思いが重要で、お飾りにせずに、正しく、そしてリスペクトを持って扱うことで、会社の精神そのものになる。と、私は感じている。

つまり、ミッション・ビジョンは、スプラシアにとって、とても大切な “言葉” なのだ。

では最後に、出来るだけカッコ良い “飾れるもの” をつくりたい。そんなコンセプトでつくった「ミッション・ビジョン ポスター」を共有して終わります。

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