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草津温泉一夜湯治

草津へ行って帰るだけの組み写真です


2023年1月撮影

 タイトルにある「一夜湯治」とは、江戸時代に現れた言葉です。一般的な湯治は長逗留なのに対して、一晩だけ湯治場で過ごして翌日には帰ることをそう言いました。もっとも江戸時代の一夜湯治で人気だったのは交通至便の箱根温泉郷でした。東海道から少しだけはずれた湯治場は長逗留の湯治客を相手とし、旅客を相手とする宿場と共存していました。旅客は先を急ぐので長逗留はしませんから、対象とする客層が異なったのです。ところが、一夜湯治で一晩だけの客を湯治場が受け入れるようになってから競合することになり、営業形態をめぐって争いごとも起きました。
 草津温泉の場合は主要な街道筋から離れているので、湯治目的でない客が立ち寄ることは稀であり、そのような問題は少なかったようです。しかし、いまは長逗留でノンビリ湯治する人は少ないので、箱根や草津の温泉街では転地療養を支えるというよりも観光を愉しませる方向にシフトしています。私も観光を兼ねた一夜湯治を堪能しました。

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