サハラ砂漠の夜明けのノクターン by かてぃん

CGでなんでも背景を作り出せてしまうAI時代に「あえて」北アフリカの広大なサハラ砂漠の片隅まで行って、夜明け前の砂丘の上に小さなグランドピアノを設置して、自作のノクターンを弾いた Cateen こと角野隼人さん。

「もっとも空に近い場所に行きたくて、モロッコの砂漠で撮影しました。今までで一番鮮やかな空でした。夜明けへの希望と祈りを込めた曲です」というご本人の言葉。

"Please... Draw me a sheep..." (ねえ、羊の絵を描いてよ)
って小さな男の子が後ろから呟いてきそうな絵になる情景。

星空と朝日が混じり舞う神秘的な夜明け… サン=テグジュペリがいみじくも語ったように、蜂蜜色の大地の上のピアニスト!

でも自分としてはグランドピアノを砂漠の真ん中まで持っていった現地スタッフ大変だったろうなと、いかに撮影したかという点ばかりが気になってしまう。映像作品そのものよりも、作品がいかにできたが気になって仕方がないのは、作品を作る難しさを日々実感しているから。

効果的な照明が神秘的な雰囲気を醸し出しています。やがて淡い光を放つ星たちを眠らせる、本当の朝日が差してきて… 日が昇る具合に合わせていつくかの動画がまるで一度で演奏しているかのように巧妙につなぎ合わされているのも見事。

撮影スタッフ、ビデオ編集の皆さんご苦労様。素晴らしいミュージックビデオです。

Cateenのピアノ演奏にはいつもながら文句なし。夜明けのノクターンは夜の終わりの歌。砂漠の夜明けはよく冷えていても、真昼には灼熱の大地へと変貌する。そんな不思議な世界に響く微妙な転調とよく踏まれたペダルの残響が美しい。

こうして多くの人に支えられて支えてもらって作品を作り出しているCateen!ご本人は平仮名で「かてぃん」と綴る。英語読みはカティーン、フランス式では「かてぃん」かな。なかなか興味深い。

どういう由来のハンドルネームだろうと思って調べると、ゲーム「太鼓の達人」の登場人物「かっちゃん」をもじったのだそうです🧐。

今日も素敵な朝になりますように!

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Logophile
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