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黒マントの 中身

ありのままに なんて綺麗に語られるが
自分を そのまま出すことは やっぱり難しい

無意識のうちに 最適化した結果
その自分は 出てきていないのだからだ
いわば 選択しているのだ

仮に もし 出てきてしまったとしたら 
必ず 何かのハレーションを起こす

だから 怖い
だから 避けたい
だから 出さない

でも 見方を変えれば その自分は
【可能性】という 名前をつけることもできる

今日のnoteは
その未知なる可能性と 今の自分とを 
契り直すワークでの 体験談

システムコーチング®(*1)の
応用コース 2個目 
システム・ジオグラフィーでの出来事だ

僕の 未知なる可能性は 
黒いマントを 頭からすっぽり 羽織っていた

背は 僕よりも少し高い 
筋肉質で 顔は見えない 

けれど 烈火のごとく
怒り狂っているのがわかる

「お前は やるべきことをやっていない」

責める視線が 痛い
びりびりとした 空気がそこにある

僕は聞く
どうして そんなにも怒るのですか

「お前が 自分の人生を 
 蔑ろにしているからだ」

「お前の人生は 
 二人分を 生きるのだろう?」

はっ とする
黒マントは 知っていた
僕が 大切にしていることを(*2)

そうなんだよ
そうなんだよ
そうなんだよ

わかる わかるんだ
でも それでも
できないから 困っているんだ

僕は どうしたらいい
どうすればいい
教えてほしい

僕は 
黒マントに 助けを懇願した

すると 黒マントは
ゆっくりと 近づいてきた

怒っていたのにも 関わらず
僕も すんなりと受け入れた

そして 目を見て
優しく 肩に手を乗せた

「お前はもう 知っているだろう? 
 どうすればいいかを」

あぁ なんてことだろう

黒マントは 僕よりも 
僕のことを 知っている

そうだ 知っていた
でも 実行する勇気がなかった

自分を大切に 扱うこと
時には 他者を傷つけたとしても 
それでも 自分を大切に扱うこと

それを もっとやっていいんだ
それが 自分を生きることだ と
そう 黒マントは言っていた

「お前は 真面目すぎるんだ。
 もっとズルくて いい。」

気がつくと いつの間にか
場に満ちていた 怒りのエネルギーは 
無くなっていた

そして どことなく 静かで
なぜだか 寂しい空気があった

黒マントとの お別れの時間が
近づいて きたのだ

居心地良い ところに 
帰ってもらわなくては ならない

どうしたらいいのかと 思考を巡らせた瞬間
ふと 黒いマントを 外したくなった

手をかけ 黒いマントを外すと
そこには 小さな男の子がいた

身長は 僕の腰くらい
利発そうで 育ちが良さそうな 
顔をしている

男の子は 満面の笑みで
幸せそうに こちらを見ている

もう 自分の役割が終わったのだと
そう 感じたのだろう

僕からの 別れの挨拶を待っていた

僕は 泣きながら
今まで 守ってくれてありがとう と伝え
その子と バイバイをした

体験はここで 終わったのだが
実は 続きがある

書き終えた後 問題ないか
リードしてくれた方に 確認をお願いした
すると こんとなことを伝えてくれた

てっちゃんは 弟なんだね

ああああああ
そうなのか そうだったのか

この瞬間 つながった
身体が 痺れる

バスに 乗っているのに 
涙が 止まらない

なぜ マントの中身は
子ども だったのか

なぜ 彼は
僕のことを 僕より知っていたのか

なぜ 彼は
自分から 還っていったのか

それも そのはずだ
なぜなら ずっと見ていたのだから

あれは 兄だ
兄だったのだ

必死に 兄を演じようとする弟に
もういいんだと 伝えにきてくれたのだ

深い海に 潜ったような
長い 映画を見たような
余韻が 身体に残った

【あなたはなぜシステムコーチを目指すのですか?】

ようやく 
自分に起きたことが わかったところで

前回のコースで 
リーダーに投げかけられた問いが
また 嬉々とした顔で やってくる

まだ すぱんと答えられるものはない

旅は まだまだ 続く
次は 何が起こるのだろうか
いや 何を起こすのだろうか

*1 システムコーチング®は、CRR Global Japan 合同会社の登録商標です

*2 兄のエピソードはこちら

*3 前回の体験はこちら

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ひらいで#あの人が願っていたこと
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