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「創造と変革の志士」 から 「自分」へ〜仲間に選ばれたことで自分を認めた日〜
この記事は 自己紹介だ
目的は ただ 一つ
僕と言う 人間が
どんな 過去を持つのか
なぜ 痛みに拘るのか
それを 知ってもらうため だ
*
グロービス経営大学院では
創造と変革の志士 という
経営における 難所を
乗り切れる 人材を育てようとしてる
僕も もちろん それを目指して
たくさんのことを 学んでいた
しかし 自分は違うのだと
夢見た心は 砕かれてしまった
きっかけは ふたつあった
ひとつは 東日本大震災
そして もうひとつが
友人が 亡くなったことだ
*
その友人とは 大学院に入る前
定量分析を学ぶコースで 知り合った
同じ講座を受けたのは 一回だけだが
その後も 交流が続いていた
そして 闘病の末 亡くなった
その友人が 葬儀に出て
骨を拾って欲しい と 僕に言葉を残した
しかし その日は
入学時から 行きたかった講座の日だった
冨山和彦さんの 変革のリーダーシップ
入学前から これは受けたいと願っていた講座
僕は 動揺し 悩んだ
たくさんの人に 相談した
そして こう決めた
本人に 行くことを 伝えにいこう
お母様に 連絡をし
葬儀の前日に 話させてもらった
意向は 受け取ったこと
そして その上で
どうしても行きたい講座があること を
実際に 会って伝えてわかった
彼なら きっと 行っておいでと
そう 言ってくれると 思ったのだ
僕は 学んできますと 伝え
翌日は 講座に参加することにした
ところが だ
翌日の僕は ひどかった
ぼろぼろの パフォーマンス
それはそうだ
行くのか 行かないのか
迷ったままでは 予習に本腰は入らない
頭も どこか ぼーっとしていた
友人に 宣言してきたのに なぜだ
勉強してきますと 言ってきたのに
ごめんなさい
激しい後悔 と 自分への絶望
そして 気付いてしまう
創造と変革の志士って こんなだろうか
当然のように 問いは自分に刺さる
そして その後に 大震災が起きた
友人との約束も 守れない
肝心な時に 行動もできない
何も できてない
問いの答えは でた
僕は 志士 ではない
*
目指す姿が 無くなり
どう 学んでいいのか わからなくなった
あれだけ 楽しく 充実していた
大学院の時間が とにかく負担だった
それから 3ヶ月が経った次の期間
また 合宿形式の講座の抽選に 受かった
それは 船川淳志さんの
グローバルリーダーのマインドとスキル
という 講座だった
ネタバレを 防ぐために
受講した方も 多くを語らない
噂によると 日を跨ぐ日もあるとか
僕は 不安だった
今のへし折られた メンタルで
ハードな クラスを受けれるだろうか
しかし 今回を逃せば
次の機会は ない
意思決定は 打算だった
僕は 自分に負荷をかけず
とにかく 身体を会場まで運ぶ
という意図で 講座を受けることにした
そして この講座が 転機となった
*
クラスは インパクトフルだった
ケースを 学びながらも
時折 教養のクイズが出題される
気を 抜いていると
それを 指摘される
意識を 切らすことができない
まさに ぶっ通しのクラス
身体を 運ぶだけなんて言っていた
そんな意識は すぐになくなり
必死になって 展開についていった
一日 また 一日と過ぎるうちに
なぜだか 身体の中に
湧いてくるものが あることに気付いた
時折 船川さんが挟み込む
ハゲタカの物真似も 心地よく
俯いていた顔に 笑顔が戻った
そして 駆け抜けた 最終日
クラスの中から MVPの一人として
選ばれることと なった
祝福の拍手 メンバーの笑顔
僕は 充実感に包まれて 会場を後にした
*
ところが だ
大変だったのは ここからだった
グロービスの講座は 終わった後に
レポートを 提出することで単位をもらえる
僕は 講座から 問われていた
あなたが MVPを取った理由は 何?
予習が 十分だったかというと
メンタルは ボロボロだった
クラスの中でも 何かが秀でた感覚はない
なんだ 何が理由なんだ
答えの 見つからない僕は
参加していたメンバーに 連絡を取った
そして 僕の何が良かったかを聞いて回った
ひとり ひとり と
真摯に コメントをくれた
しかし どれも合っているようで
書くべき 答えでないことも わかる
何かが おかしい
どう考えれば いいのだろう
時間は どんどんと進む
レポートの提出日が 迫り焦る中で
僕は ふと 気づいた
なぜ 僕はメンバーのコメントから
理由を 探し出せないのだろうか
違うと 感じるのは なぜなのだろうか
メンバーを 信じていないのか
いや そうじゃない
クラスの中でも 関わった人に相談している
ならば なぜ
ぐらりと 外側に向けていた意識が
180度かわり ゆっくりと自分に矢印が向く
どくどくどく という
心臓が鼓動する音が 聞こえる
そして 何かが 刺さった
ぐさり
そうか
僕が 信じていないのは 僕自身だ
僕が 僕を認めていないからだ
僕が認めていないから
他者からの 声を受け取れないのだ
この考えに 至った時
変な汗を かいているのに気づいた
怖い とにかく怖い
自分で 自分を認める
認めて いいのだろうか
そんな資格が 自分にあるんだろうか
いや 仮に認めるとしても 一体どんな理由で
僕は 考えた
僕の何が インパクトを与えたのか
僕の何が みんなに認められたのか
予習が 深かったわけではない
知識が 広かったわけでもない
経験が 積まれていたわけでもない
思考を 繰り返す
逆に 何があったのだろう
どんな違いが あったのだろう
当日 僕にあったのは
その 学ぼうという 我武者羅な姿勢だった
何もないと思っていた分 それだけ
貪欲に 学びを実践した
ひょっとして これ なのか
キーボードを 打ちながら
違うと 否定する声が 頭に鳴り響く
ふざけるなと 怒られているような
居心地の悪さ
でも 考えられるのは これしかない
僕の 学ぶ姿勢だ
ただ 誰も 許可をくれない
自分が 許可を出さなければならない
僕が 僕を認めるのだ
覚悟をして 震えながら
レポートを 提出した
*
他者の眼に 常に晒されている僕たちは
意識しないと 忘れてしまう
自分で 自分を認めることを
僕たちは 足りないところを
埋める 必要はない
僕たちは 欠けているところを
見る 必要もない
僕たちは 出来ないことを
探す 必要もない
今この瞬間の 自分を
そのまま 認めていいのだ
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