ヒーローが消された日~とにかく邪魔だけはしないで欲しいということ~

このニュースを見て、久しぶりに怒りが混みあげてきた。

今回の吉田投手のボロボロになるまで連投に次ぐ連投で投げる姿を見て、そもそも彼は逸材であり、彼の野球人生はまだまだこれからなんだから、指導者や大会側がもっと投球制限とか連投制限とかを作り、守るべき、という意見も多くみられているが、私はこれには少し違った意見を持っている。それはこのご時世、彼としても連投による選手生命のリスクは情報も十分にありわかっていると思うし、周囲の雰囲気としても彼が無理をし続けることに対してそれを強いるようなものにはなっていなかったハズである。つまり、吉田選手自身が自身の判断で”それでもチームの為に、東北の為に投げるんだ!”という強い想いでマウンドに立ち続けていたことになる。実際彼のマウンド上での表情を見ていれば、そういった強い決意・自身の想いのようなものがにじみ出ていて非常に頼もしかった。

もちろん怪我のリスクを踏まえて選手として短期的に無理をしないことも大事だと思うし、それがスポーツの本場、アメリカ等では当たり前だと思うが、そのアメリカのトップ選手ですら、ここぞというときには目的を成し遂げる為に無理をすることだってある。最近の例で言うと、一昨年のポストシーズンでLAドジャースのエース、クレイトン・カーショーが中1日での先発や連投でのリリーフ登板とフル回転していたのが記憶に良く残っている。

私自身は知識のない高校生がそのリスクを知らずに、もしくは自分の意志とは別のところで、酷使されてしまい、選手生命を棒に振るような事態になることは断固反対であるが、そのリスクも十分理解した上で、自身の判断で無理をするのであれば、それはあっても良いのではと思う。そのくらい甲子園の持つ魅力はそれをやっている人にとっては非常に重要で魅力的なものだと思うし、掛け替えのないものだからだ。(私自身は夏の甲子園の過酷な日程とか、そもそも運営側がこうしたリスクを回避して、選手層の厚い強豪校に有利な仕組みを何とかできる立場にあると思うが、それに手を入れないことの方がよっぽど問題だと思う。)

スポーツの本当の価値とそれを伝えるSNSの魅力

さて、こんなことを考えていた矢先に、吉田選手のツイッターアカウント削除のニュースが飛び込んできた。記事によると応援してくれた方へ自ら直接想いを伝えたいとのことで、すでに8万人のフォロワーが付いていたとのことで、吉田選手の姿や振る舞い、表情といったものに感動を受け、勇気づけられたファンにとっても素晴らしいことだったと思うが、それが何らかの理由により削除されたとのこと。これは高野連とか学校・チームが強制的に削除したものだとすると、本当にあり得ない、、、

なぜなら、これだけ自分の身を削りながらも、ファンに感動を与え続けた吉田選手には数十万人というファンベースを抱える権利があると思うからだ。SNSのアカウント等でファンベースを持ち、その自分を応援してくれるファンに対して”今の瞬間”の自分の想いや考えていることを直接発信して行く、それこそが、スポーツの持つ感動やリアルタイム性というものをより輝かせてくれるし、そういった意味で、マスメディアといった間接的なものでなく、直接ファンと繋がれるSNSの持つ価値は凄まじく重要で素晴らしいものである。

そして、まさにこうした感動を生み出して、そのボルテージが最高に高まっているこの瞬間に、ファンベースをフローからストックに変えて資産化して行く、それがスポーツ選手の権利であり、やるべきことである。それを今回は大人側が勝手に目をつぶしたことになる。金銭換算しても、本当に自分を強く応援してくれるファンが数十万人付くなら、それは数億円~数十億円の価値があると思う。(誰が原因なのかわ定かではないが)究極的に言えば、高野連や学校側はこの資産を奪ったことを賠償すべきとも言えるだろう。

仮に、もし「未成年の選手がSNSで発信した内容で炎上するリスクがある」、だとか「誹謗中傷に晒されるリスクがあるから、それを予防するためにSNSを禁止したのだ」、ということであれば本末転倒で、であればSNSの運用について教育者側がきちっと教育すれば良い、だけの話である。何れにしてもスポーツ選手は今後キャリアのどこかでSNSをしっかり自分で運用しないといけない時代になっているのだから。。「臭いものに蓋を閉じろ」では、スポーツの人気の折角の盛り上がりに水を差し、最も身を削っている選手のファンという資産を奪い、更にファンが選手から直接勇気付けられる機会を奪うことになり、何もいいことはない。

改めて、SNSはスポーツにとって欠かせないもので、選手が”今”何を考えていて、何を思っているかを、生の声で伝えられる最高の自己表現のツールである。その最高の手段と、日本一いや世界一選手が、ファンが熱狂するアマチュアスポーツである高校野球との相性の良さは説明するまでもないと思う。是非、SNS教育がアマチュア界に広がり、身を削った選手が、甲子園の土だけでなく、自分の生き方を応援してくれるファンベースという、人生最大の資産を甲子園から持ち帰られるような日が、すぐに実現されることを強く望んでいる。ご共感頂ける方は、是非一緒に動きましょう!


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