卓球ロボット
ロボットの運動として古くから卓球が扱われています。これまで、多くの卓球ロボットが開発されてきました。これまでに紹介したバレーボールやバドミントンのように卓球もボールを叩くスポーツですが、卓球ロボットはスポーツを行うロボットの中で最もよく研究されています。開発された卓球ロボットと市販されている練習用ロボットを紹介し、スポーツロボットにとっての卓球について説明します。
卓球ロボットの研究
1980 年代に最初の卓球ロボットが作られました。
その後も数多くの研究が行われ、予測や機構などの技術が発展しました。
機械学習を用いて卓球をロボットに学習させる試みもあります。
オムロンは卓球ロボットを開発して、ギネスに認定されています。最近では国内外の有名選手とラリーしているようです。
(2019/01/22 追記)オムロンの卓球ロボットの公式動画がありました。
卓球するヒト型ロボットの開発も進められています。人間が行うようなステップはありませんが、すばやい腕の動きに応じてバランスを取りながら、ボールを打ち返し、ラリーを行います。
練習用卓球ロボット
ロボットは練習での球出しに使われています。人間のように打ち返すのではなく、打ち出すことで、様々なコースや球種を練習できます。野球のピッチングマシンのようなもの。
卓球とスポーツロボット
卓球は球技なので、水泳や陸上競技よりも、相手との駆け引きが多く発生します。駆け引きには、理解や働きかける能力が必要なので、人間と駆け引きするロボットの技術は、人間と共に暮らすロボットの役に立つはずです。
卓球のボールは軽いので、ロボットは小さい力でボールを打ち返すことができます。バレーボールやテニスボールを叩くロボットは、より大きな力を発揮する必要があります。
卓球は相手とネットで区切られているため、ロボットと人間で対戦させる時に、人間とロボットがぶつかって怪我をさせずに済みます。サッカーやラグビーを行うロボットは、人間に怪我をさせずにぶつかる方法を考える必要があります。
卓球のシングルスは一対一で行う競技なので、チームメイトとボールをやりとりする連携がありません。バスケットボールやハンドボールを行うロボットは、パスやフォーメーションを考える必要があります。
これらの理由から、卓球は人間と駆け引きを行うスポーツロボットの題材として、扱いやすい競技であると言えます。私も同様の理由で卓球ロボットを開発しています。