バドミントンをするヒト型ロボットアーム
人間のように巧みで様々なショットを打ち、打ち返すバドミントンロボットアームを紹介します。
前回紹介したアクチュエータを使って、当時大学4年生だった森翔太郎さんが主として開発したロボットアームです。
問題意識
これまで、人間とラリーを行うバドミントンロボットが開発されてきました。それは、研究開発にとどまらず、ABUロボコンでバドミントンのダブルス競技が行われたこともあり、様々な立場の人がすでに多くのバドミントンロボットを開発しています。
バドミントンロボットのほとんどは、バドミントン専用の身体を持っています。もし、人間のような身体をもち、人間のように動くバドミントンロボットが実現すれば、ラリーの中で人間と動きを読み合い、フェイントをかけあう練習相手として役に立つと考えました。
また、これまでのバドミントンロボットは、人間が行うような多様なショットを打てません。そのため、この研究では人間のように多様なショットを打つロボットを作るという課題にも取り組みました。
開発したロボット
バドミントンにおいて前腕の内外旋が重要であることに着目し、前腕と手をもつ4自由度のロボットアームを開発しました。ロボットは構造一体型空気圧ケーブルシリンダに送れられる圧縮空気の力で駆動します。
ロボットはシャトルにスピンをかけるショットを打つことができ、手動で設計したフォア/バックと上下4種類のスイングでシャトルを打ち返します。打ち返しでは、モーションキャプチャシステムを使ってシャトルを認識し、空気力学のモデルを使って将来のシャトル位置を予測しました。
その後
この研究では、手動で人間がロボットの運動を作っていました。現在、ロボットが自分でスイングを獲得できる運動の学習法を調べています。同時に、より全身に近いロボットの身体への応用と、他の球技への応用も進めています。