特に鍛えたい・太くしたい部位別(お尻と太もも)のスクワットを紹介
スクワットをする大きな目的の1つが、下半身の筋肉を鍛える、または下半身を太くすることが狙いです。
ただし、スクワットをしていると、鍛えたい部位、太くしたい部位ではなく、違う部位が鍛えられていたり、太くなっていくことで悩むスポーツ選手も多くいます。
今回の記事では、お尻と太ももの前と内側の3つに分けて、特に鍛えたい、または太くした部位別のスクワットを紹介したいと思います。
スクワットと言っても、今回紹介させていただく3つのスクワットだけではなく、他の多くのバリエーションがスクワットにはあります。
あなたの目的にあったスクワットを選んでウェイトトレーニングに取り組むようにしてください。
お尻の筋肉、大臀筋のためのスクワット: ハーフスクワット
まず1つ目のスクワットは、下半身の筋肉でも、特にお尻の筋肉を鍛えたい選手にお勧めしたいスクワットになります。
お尻の筋肉である大臀筋は、スポーツ中のパワーの源となる筋肉です。
ただし、残念ながら日本人のスポーツ選手の中には、しっかりと大臀筋を使えていない選手が多くいます。
特に腰痛で悩んでいるスポーツ選手のリハビリをサポートしていると、ほとんどの選手が大臀筋を使えていません。
腰痛で悩む選手へのリハビリとしては、体幹トレーニングがメインとなりますが、同じように大切なのが大臀筋のトレーニングです。
このような選手にスクワットを選択する際には、必ずまずハーフスクワットから指導しています。
ハーフスクワットは、特に、お尻を後ろに引くことが重要です。
このようにお尻を後ろに引くことで、股関節を最大限に動かすことが可能です。
ハーフスクワットでは、膝関節は90度までしか曲げないため、重心を下げていく動作は股関節が中心となり、大臀筋を鍛えることができます。
もしかしたら、スクワットで重心を下げる際には、足の裏の重心を後方に移動させるように指示されたことがあるかもしれませんが、厳密に言えば、これは間違いです。
もちろん、足の裏の重心は後方に移動するのは間違いではありませんが、「お尻を引く」ことが重要であり、しっかりとお尻を引くことができれば、自然に足の裏の重心は後方に移動することになります。
スクワットで重心を下げる際に、足の裏の重心を後方に移動させようと意識しすぎると、バランスが崩れやすくなってしまいます。
また、足の裏の重心が後方に移動させすぎてしまうと、つま先が上がってしまいます。
ハーフスクワットをする際に、つま先が上がってしまう場合には、重心が後方に行きすぎているサインです。
太ももの前側の筋肉、大腿四頭筋のためのスクワット: フルスクワット
大臀筋ではなく、太ももの前を鍛えたり、太くしたいと考えている選手の場合には、フルスクワットがオススメです。
フルスクワットでは、股関節もしっかりと動かす必要がありますが、膝関節を最大限に動かさなければ、フルスクワットにはなりません。
膝関節を最大限に動かすことで、膝の動きに関与している太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を鍛えることができます。
フルスクワットの場合には、ハーフスクワットと違い、重心は足の裏全体で支えるようにしてください。
もう少し詳しく言うと、足の裏の母子球、小子球、そして踵の3点の三角形でしっかりと重心を支えるようにしてください。
この足の裏の三角形は、立位で垂直にジャンプする際にはとても重要で、下半身のパワーを発揮するためには必要なポイントであり、フルスクワットの際にもこの足の裏の三角形を意識してトレーニングをしてください。
太ももの内側の筋肉、股関節内転筋群のためのスクワット: ワイドスクワット
3つ目のスクワットは、太ももでも、太ももの内側を鍛えたい選手のためのスクワットを紹介したいと思います。
もしかしたら、太ももの内側の筋肉なんて、そんなに鍛えたいと思わないのでは?と思った選手もいるかと思いますが、太ももの内側の筋肉である股関節の内転筋群は、横の動作を素早くするためにはとても重要です。
サッカーやラグビー、バスケットボール選手のように横の方向へ素早く動く必要なあるスポーツをしている選手にとっては、アジリティーや方向転換がとても大切です。
股関節の内転筋群は、このアジリティと方向転換でパワーを発揮する筋肉です。
この股関節の内転筋群を鍛えるためのスクワットは、ワイドスクワットです。
ワイドとは、英語で「広い」という意味なので、脚を通常のスクワットより広く開いてください。
また、脚を広く開くことによってつま先の向きは自然に外を向きます。
外を向いたつま先の向きと同じ方向に膝を曲げてスクワットをするようにしましょう。
まとめ
スクワットはバリエーションの多いエクササイズです。
鍛えたい目的や部位によって適切なスクワットのバリエーションを選択することがスポーツ選手には求められます。
大臀筋があまり使えていない選手の場合には、まずハーフスクワットをする必要があります。
ハーフスクワットで大臀筋を鍛えずに、他のバリエーションのスクワットをしてしまうと、大臀筋ではなく、大腿四頭筋を鍛えることになり、大臀筋と大腿四頭筋のバランスが悪くなってしまいます。
この大臀筋と大腿四頭筋のバランスの悪さは、パフォーマンスを高めることができないだけではなく、ケガのリスクを高めてしまうことになります。
ぜひ、スポーツでのパフォーマンスを高めるためにウェイトトレーニングを取り組む際には、しっかりとした知識とスキル、そして経験のあるトレーニング指導者から指導を受けるようにしてください。