体を動かさないには理由があった【Doctor Tのスポーツエクササイズ医学】
明けましておめでとうございます、Doctor Tです。2022年はどのような1年でしたか?2023年はさらに飛躍の年になるようお祈り申し上げます!
前回に続き、なぜ多くの人がやらなきゃと思いながらもつい運動せずにすごしてしまうのかを考えてみます。
本能的にエネルギーを最小限にするものを選択する
人も、動物で、ちょっと前までは食べ物が足りない状況が当たり前でした。そのため常にエネルギーを節約しようとする傾向があります。飽食の時代になったのは最近であり、この短期間では動物としての本能が進化することはありません。
ここからは人が行動を選ぶ際のプロセスについて説明します。参考資料は↓です。
人が行動を選択する時には2つのパターンがある
人が運動に限らずあらゆる行動の選択をする時には、大きく分けて2つの思考パターンがあります。
「本能パターン」と「理性パターン」
運動以外でも、ランチにどこのお店に行くかを決める時こんな選択していませんか?「前から行きたかったあのお店に行こう」もしくは「なんとなくいつものあの店に行きたいな」と。
どっちの思考が多い?
自分の日々を振り返っても圧倒的に本能で選んでることのほうが多いと思いませんか?運動をしない時はほぼ100%本能的に選んでいる気がします。
現代社会はさらに本能パターンを発動しやすい状況
現代社会、特に日本社会は労働時間が長く、文化的にも感情を溜め込みやすいことを考えると、私達を取り巻く環境によって、私達はさらに本能パターンを選択させる方向へ押されているということになります。
理性へ働きかけるだけでは足りない
もちろん運動が健康に良いということはみなさんに引き続き伝え続けなければいけませんが、それだけでは足りなそうです。こんなに環境が本能パターンを発動させている状況では本能パターンにも働きかけなければいけません。
無意識の選択は自分の経験に基づいている
この本能的な選択はその人の経験に基づいていると言われています。運動に関してポジティブな経験が多い人は、運動へのイメージもよく、それほど抵抗なく体を動かしているでしょう。一方で運動嫌いな人はおそらく運動に関してなにかしらネガティブな経験があるのではないかと思います。
本能パターンを変えていく方法
確かに2つの選択があり、それ以外の条件が全く同じであれば、省エネの行動を選ぶのは事実ですが、それ以上の報酬がある場合、人は行動を変えます。
喜びや爽快な気分は最高の報酬
本能パターンは感情に強く影響されます。嬉しい気持ちや爽快感は人を強く動かす原動力になります。お金や他のインセンティブだけでなく、ランナーズハイなど、体を実際に動かすこと自体が爽快感をもたらします。体を動かしてもそうならなかった人は、ストライクゾーンから外れてしまっただけです。あなたのストライクゾーンを探しましょう。
ネガティブな印象もお掃除
運動嫌いな人に理由を聞くと「めんどくさい」「疲れる」などと答えが返ってきます。めんどくさいに至った経験はなかったですか?
「子供のときに走るのが遅くて恥ずかしい思いをした」「運動部に入っていて、最初は楽しかったその競技が強制的になって面白くなくなってしまった」など、あなたが実際に経験した具体的なエピソードがあるのではないでしょうか。
今からでもポジティブ>ネガティブになれる!
過去の出来事を変えることはできませんが、新しいポジティブな経験を増やしていけば、運動に対しての印象をいい方向へ置き換えることができます!色んな障壁があると思いますが、他人や社会のためにあなたの大切な健康を手放すのは、もったいなさすぎます!
体を動かしている人を見つけよう!
楽しい経験を増やしたい時は、楽しく運動している人を見つけて話を聞いたり、一緒にやってみるのがおすすめです!運動習慣のある医者からアドバイスをもらった患者さんは、そうでない医者の患者さんより運動習慣があるというデータは実際に出ています。目指せ運動の共鳴!
まとめ
人は「本能パターン」と「理性パターン」で行動を選んでいる。
現代日本では本能的にエネルギーを節約する方を選びやすい。
本能パターンはその人の経験に基づいた運動へのイメージが影響する。
ポジティブな経験を増やすことで本能パターンを変えられるかもしれない。
ポジティブを増やしたいなら楽しく運動している人を見つけよう!
少し小難しい話になってしまいましたが、伝えたいことは本能に語りかけよということですね。いい気分というのは人にとって最高の報酬なので、運動をしてポジティブな経験を増やすと、本能パターンで体を動かすようになるだろうという話です。そして健康も手に入れる!一石二鳥どころの話ではなくなるはずです(笑)
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