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骨粗鬆症にも運動が効く【Doctor Tのスポーツエクササイズ医学】
こんにちはDoctor Tです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。外は異常な暑さなので、暑い時間帯は外での運動は危険です。安全にできることをやりましょう。
今回は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と運動についてです。人間ドックなどでもよく入る項目なので言葉には馴染みがあるかも知れませんが、なぜこんなに骨粗鬆症をチェックされるのかはご存知でしょうか?そして、もし見つかった時もしくは予備軍と言われた時、どうしたらいいかを紹介したいと思います。
骨粗鬆症とは
それほど大きくない衝撃で骨折してしまったり、平均値と比べて骨密度がかなり低い(t-scoreが-2.5より小さい)時に骨粗鬆症と診断します。
骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、特に都市部に住む、日常的にあまり動かない人に多いと言われます。
日本女性は外国と比較し骨粗鬆症の患者の割合が高い
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S.W.WadeらEstimating prevalence of osteoporosis: examples from industrialized countries,
Arch Osteoporos (2014) 9:182
世界でも骨粗鬆症の患者数は増えています。その中でも日本の女性は他の先進国に比べ骨粗鬆症の患者の割合が高いことを示した研究もあります。
骨粗鬆症を治療する目的は「骨折予防」
患者さんや時には医師の中にも、治療の目的は骨を丈夫にすることだと思っている人がいますが、それは小目標です。本当の目的は再発を含む病的な骨折を防ぐことです。
骨折は要介護になる原因の上位
骨粗鬆症が問題視されるのは、これによって骨折すると、体が弱ってしまい、寝たきりなど介護を必要とする状況になってしまうからです。体を動かして骨折を予防し、少しでも長く自立して生活できるようにしませんか?
骨粗鬆症による骨折予防のための運動を紹介します
薬で治療もしますが、やはりここでも食事と運動を忘れてはいけません。
運動による効果の3本柱
骨折を減らすためには次の3つの要素を意識する必要があります。
Strong 骨を強くする。Steady 転倒を減らす。Straight 姿勢を良くする。
それに加え、運動で骨折による痛みを減らすこともできるかもしれません。
色んな動きを取り入れる!
下の図は全体像と具体的な動きの例です。日常の意識でもできることがありますね。細かい説明は後に書いていますが、細かいことよりこの全体像を普段から意識しておくのが大切です。
日常のすきま時間、例えばバスを待っている時につま先立ちしてみる、片足立ちしてみる。一人で歩いている時に早く歩いてみるなどです。
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上記BJSMの図を筆者が編成
患者さんを見ていると衝撃のある運動(軽いジャンプなど)やバランスは、必要だと知っていてもあまりされていないことが多い印象です。具体的に何をしたらいいのかわからないのかもしれませんね。
また、姿勢も年だからと諦めてしまっていませんか?固まる前に直せばある程度修正可能です。元通りにならないからやらないのではなく、これ以上ひどくならないようにするのも運動する意味ですね。
あまり運動らしくないですが、日常生活内の動作を確認してもらう(=姿勢を正すテクニック)のは現実的で重要だと思います。多くの場合圧迫骨折は日常生活の中で起こるからです。
骨を強くするための運動
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転倒を減らすための運動
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姿勢を良くするための運動/症状を緩和する運動
![](https://assets.st-note.com/img/1656344236071-YKoSHPUMwD.png?width=1200)
柔軟運動もお忘れなく!
この3本柱には入っていませんが、運動するときの基本として柔軟は忘れていけません。痛いほどぐいぐい押すのは害ですが、少し痛いような引っ張られているようなところで数回呼吸をしましょう。毎日やっているとしなりが良くなってくるはずです。急がば回れ。
まとめ
日本女性は他の国より骨粗鬆症の割合が多いかも知れない
骨粗鬆症による骨折は要介護になる原因の上位
目標は「骨折を防ぐこと」
日常生活で体を動かすことを意識するのが効果的
骨に刺激を与える衝撃のある運動、バランスや良い姿勢
骨密度は年を取って減ってくる段階になってから注目されていますが、そのずっと前の思春期に一気に作られてピークを迎え、それ以降は低下の道をたどります。
高齢になって低下のスピードを遅くするのも大切ですが、それよりも子供の時にしっかりカルシウムを取り、運動をして骨のピークをより高くしておくことが一番大切です。過ぎた時間は戻せないので、子供には大人がしっかり教えてあげたほうがいいと思います。
また、ダイエットによって生理が止まってしまうと、エストロジェンという女性ホルモンが出なくなり、この状態は骨密度を下げていきます。若いのに閉経状態ということです。極端な減量は将来のためにもやめたほうがいいですね。
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