インソールと運動の二刀流で扁平足に立ち向かう【Doctor Tのスポーツエクササイズ医学】
こんにちはDoctor Tです。もう5月ですね。屋外への外出の機会も増えてきているのではないでしょうか?
職場の隣にインソールの専門店があり、自分のインソールを調整してもらっています。直してもらった直後から歩行時の足の運びがなんとなくスムーズになった感覚はありましたが、改善を一番感じたのが、そのインソールではない靴を履いたときです。こんな靴を今まで履いていたのかと驚きました。
皆さんはインソールを調整したことがありますか?
二本足で立っている時間は、寝ている時間より長いかもしれません。良い寝具と同様、健康のためによい靴やインソールを使う価値はありそうです。
今回の経験をきっかけに「足」に興味を持ったので、扁平足の改善方法について調べてみました。
運動で足のアーチを改善する(扁平足を改善する)
インソールで足のアーチ構造を外部から直すだけでなく、6週間の運動でもアーチが改善したという研究報告があったので紹介します。
平均21.1歳の扁平足の人に対して、足のアーチに影響する筋肉をターゲットとした運動を1回30分×週3回×6週間した結果、アーチの高さ(舟状骨という骨の地面からの距離)が0.4cm上がったと報告されています。
足の構造が大切な理由
足の役割は、まず第一に(2本足で)立っているときに地面と接触して体を支えることです。歩行のときには踵から着地し、つま先に向かって体重を移動させます。体を前に押し出すときにぐらつかないように安定を与えるとても大切な働きです。
足の構造が崩れてしまうとこれらがうまくいきません。足が痛くて長く歩けない、腰が痛くなるといった症状の原因になります。
骨、靭帯だけでなく筋肉もアーチをつくる
足の構造は骨が基本の枠組みとなり、それを靭帯がつなげているのに加え、筋肉もその形を維持するのに一役を買っています。
歩行に影響する筋肉は多岐にわたる
足のアーチ構造や歩行に関わるのは足の裏やゆびの筋肉だけではありません。足首を動かす筋肉(すね・ふくらはぎの筋)や股関節を動かすお尻の筋肉(臀筋という)も関係します。そのため、今回紹介するエクササイズは、足の指から臀筋までの運動になります。
扁平足の人のための運動
体重をかけたときに内側の縦アーチが潰れてしまう扁平足の人を対象に、以下の足関節、足のゆび、お尻の筋肉全てをやる網羅的なエクササイズと足首の運動だけをしたグループを比較しました。
足関節運動だけやった人と比べて、全部をやった人のほうがアーチが改善しました。
足のゆび運動が大切な理由
足のゆびは、最後に地面を蹴り出しています。そのゆびの力が弱かったりそもそもゆびが着地してないと、最後の蹴り出しでぐらついてしまいます。足の変形の原因にもなるでしょう。
私もこのエクササイズをやってみましたが、写真のようにゆびを動かすだけでも一苦労でした。強い力をつける必要はなく、器用に足のゆびを動かせるようになるのが目標です。
お尻の筋肉(臀筋)も重要な理由
臀筋が弱いと脚全体が内股になります。内股で内側に体重をかけたほうが、がに股でそうするときより、アーチが潰れます。太ももの向きが悪い(臀筋が弱い)とその先の膝や足首、足にも悪影響を与えるので、臀筋に力をつけることは大事です!
ウォームアップ・クールダウンもお忘れなく!
足を温めてから効果的に筋肉を動かし、筋肉がつるのを防ぎましょう。また、運動した筋肉は硬くなるので、マッサージやストレッチでほぐしておくことが大切です。
ふくらはぎだけではなく、足の裏も手で触ってみて、凝っているところがあれば、もみほぐしましょう。足の指を自分の手で曲げたり伸ばしたりするのもよいと思います。
まとめ
足の構造は、立位・歩行の安定や歩行時の体重移動に影響を与える。
足のアーチは筋肉にも支えられている。
お尻やふくらはぎ・スネの筋肉もアーチ構造に影響する。
包括的なエクササイズで扁平足が改善したという研究がある。
インソールに運動を追加してより良い足を目指そう!
このエクササイズを自分でもやってみましたが、なかなか難易度が高いですね。表の通りにできれば理想的ですが、まずはできそうな動きから始めてみましょう!
寝ているとき以外、ずっと体を支えてくれている足。時々自分の足に目を向けてあげてはいかがでしょうか。
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