相撲のすごさ
おなかいっぱい食べたい。願いは五穀豊穣。神様、お願いします。みんなが楽しみにしている相撲を捧げます。ぜひ楽しんでください。それでどうか、五穀豊穣をお願いします。
そうやって相撲は受け継がれてきたようです。
誰でも力士になれないと困る
五穀豊穣の願いはずっと続く。だから相撲も続けなくてはいけない。それも、神様に楽しんでもらう相撲です。普通の人の相撲ではダメなわけです。そこはやっぱり力士じゃないといけない。
では誰が力士になるのか。身体が大きく、運動能力の優れた人が力士になる。でもそれだと、そういう人材がいなくなった時、相撲が続けられなくなる可能性がある。だから、ごく平均的な能力しか持っていなくても力士になれないと困る。相撲にはそういう切迫した問題がありました。
四股、てっぽう、すり足
昔の人だって、生きるためには日々の生活があります。それを犠牲に相撲の稽古ばかりしてるわけにはいかない。だから何か特殊な方法で、ひとっ飛びに力士の強さを手に入れるに必要がある。
そういう問題と向き合う中で、四股、てっぽう、すり足といった相撲の基本稽古が生まれたようです。それは普通の人の身体を、力士という強い力を出せる身体に変身させる。四股、てっぽう、すり足はそういったすごいトレーニングなのです。
身体の構造を変える
四股、てっぽう、すり足で、普通の人が、なぜ強い力の出せる力士になれるのか。それは身体の構造が変化したからです。
トップアスリートのプレーが凄すぎて人間わざじゃないように感じるのは、私たちと身体の構造が違うからです。だからプレーを見てもそれを再現できるイメージが全く湧かない。
私たちが登ろうとする道の先に彼らはいません。彼らは断絶した崖の上にいる。道はつながっていない。だから人間わざじゃないように見えるのです。どうやってあんなとこに登ったんだよって。
つまり、四股、てっぽう、すり足は相撲が強くなるためのトレーニングというよりも、身体の構造を変えるためのトレーニングなのです。身体の構造が変わった結果、相撲が強くなった。道のつながっていない崖の上にジャンプしたのです。
だから、四股、てっぽう、すり足は、すべてのスポーツに応用できます。いにしえの日本人の知恵が詰まった画期的なトレーニングなのです。世界のトップアスリートがトレーニングで四股を踏む。もしかしたら、そんな映像を目にする日は近いかもしれません。
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