あるバスケットボールクラブとプロレス団体の危機

割引あり

アースフレンズ東京Zとアイスリボンが危機を迎えている。

バスケットボール・B3リーグ所属のアースフレンズ東京Zは、出資金の未払によって、債務超過に陥り、B2ライセンスを剥奪された
また、老舗女子プロレス団体であるアイスリボンは選手への給料が支払われず、興行運営を行う有限会社ネオプラスが貸付金扱いとして給与支払いを肩代わりしている状況だ。
どちらも理由は株式会社リベリオンズの未払いだった。

アイスリボン所属の真白優希がある試合後に語ったところによれば、株式会社リベリオンズ社長兼株式会社アイスリボン社長の五嶋一人氏と連絡が取れないとした。

ベルト獲って嬉しいんですけど、1つだけ言いたいことがあるんです。いま現在、株式会社アイスリボンの五嶋社長と連絡が取れないなか、私は今日を迎えることがすごく不安でした。みんなもすごく不安だったと思います。でもこうやってリングで戦って、命かけてプロレスやって、私は今日、このベルトを懸けて、ベルト獲ってよかったと思ってます。(後略)

アイスリボン「Oktober Iceribbon Fest2024」
真白優希の試合後マイクより   

なお、試合後にぶら下がり会見を行ったネオプラスの佐藤肇社長によれば、五嶋社長は心臓手術を受けてICUに入院中であること、連絡は週一回の生存報告のみで、事実上の音信不通状態であることを明かした。
また、アイスリボンのマネージメントを担っているのが五嶋のみであり、全ての業務が滞っているという状況であるとしていた。

状況としてはまだこちらのほうが良いかもしれない。問題はアースフレンズ東京Zだ。
B.LEAGUEは現在、2026年秋の構造改革に向けてビジネス面を中心に強化に努めている。そんな中で、東京Zは今シーズンのB2ライセンスが剥奪され、さらには2025-26シーズンのB2ライセンス申請資格も失われた
様々な面でチームの強化を目指している中で、これは重い処分である。今年と来年は例え全勝優勝を果たしても昇格はできない。もちろん昇格すれば、観客動員数の増加などに伴うチケット収益・スポンサー収益の増加、特に東京Zは22-23シーズンでB2から降格した過去もあり、是が非でも昇格したかったはずだ。昨年こそ降格による影響もあってか負け越しに終わったが、今年こそという思いもあったはずだ。そんな中で出資金の支払いが無かった故に来年の昇格まで消滅したのは選手・ファン、クラブ関係者全員がやるせない思いを抱えているだろう。
無論、東京Zと同一参加のハンドボールチームであるアースフレンズBMも表面化こそしていないが、厳しい状況であることは間違いないだろう。

Project R

2023年12月、株式会社リベリオンズは株式会社GWCと有限会社ネオプラス(株式会社アイスリボン)と提携を結び、2企業(3スポーツ団体)のマーケティングやSNS運用などの間接業務を共有化。各業務の専門性を高めつつコストダウンを目指すとしていた。
そのプロジェクトをProject Rと題し、さらなる拡大も目指していた。

発足時に会見が行われたが、アースフレンズ東京Z、アースフレンズBM、アイスリボンの三団体の選手・首脳陣らが集った会見は心くすぐられたスポーツファンもいた。

そのプロジェクトを主導した五嶋一人氏は、華々しい経歴を持っていた。
大学卒業後に証券会社に就職すると、2006年にDeNAに入社すると、投資及びM&A責任者としてプロ野球球団など、様々な企業の買収にかかわった。その後、2016年にベンチャーキャピタル企業を設立し、2023年に株式会社リベリオンズを資本金5万円で設立した

バックヤードのことは明かされることが少ないが、現実問題として発展途上途中でなおかつ大企業がバックについていないスポーツチーム・団体の運営は苦しい。
人件費に割ける金額も少なく、人材・財力不足は常に付きまとう。そんな中でSNSなどでの宣伝やB2B営業、権利管理などの間接業務の一部から解放され、さらにコストが圧縮できたのは発展途上のスポーツ団体にとってありがたかったことには違いない。


有料部分では、2団体の今後の予見や五嶋氏の過去の問題を記しております。
ぜひご購入ください、



今後の舵取り

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