スポーツビジネス研究3492号室

スポーツビジネス研究3492号室

最近の記事

アリーナというビジネスチャンス① ~建設の理由~

近年、多くの都市でアリーナ建設計画が立ち上がっている。 ここ2〜3年だけでも佐賀、長崎、千葉などに新しい大型アリーナが落成した。何れもスポーツだけでなく、音楽ライブやMICEの集会に利用されている。 また、建設中のアリーナも多く、神戸、名古屋、お台場などでは現在建設工事が行われており、川崎などでも現在建設計画が進行している。 日本には古くから体育館が各地に存在しており、多くのスポーツをはじめとするイベントの殆どはそういった体育館で行われてきた。 では、アリーナと体育館には

¥100
割引あり
    • 三遠ネオフェニックスは墜ちてしまうのか

      2026年よりB.LEAGUEは新たなリーグ体制となり、チームの強さよりも企業としての強さを重視する構造となった。 今年秋に新構造における参入リーグの審査が行われ、新たな一部リーグとなる「B.LEAGUE PREMIER」は11月時点で22チームが加わることとなったが、そのうちの1チームにとんでもない問題が起きた。 愛知県豊橋市を本拠地にする三遠ネオフェニックスだ。 ここで「B.LEAGUE PREMIER」の参入条件を振り返る。 売上高12億円以上 入場者平均4,0

      • あるバスケットボールクラブとプロレス団体の危機

        アースフレンズ東京Zとアイスリボンが危機を迎えている。 バスケットボール・B3リーグ所属のアースフレンズ東京Zは、出資金の未払によって、債務超過に陥り、B2ライセンスを剥奪された。 また、老舗女子プロレス団体であるアイスリボンは選手への給料が支払われず、興行運営を行う有限会社ネオプラスが貸付金扱いとして給与支払いを肩代わりしている状況だ。 どちらも理由は株式会社リベリオンズの未払いだった。 アイスリボン所属の真白優希がある試合後に語ったところによれば、株式会社リベリオンズ

        ¥110
        • 選手のブランド化

          選手のブランド化とブランディング有力なスポーツ選手はその多くが名声を得ている。 例えば、ロサンゼルス・ドジャースに所属している大谷翔平は同一シーズン50本塁打50盗塁という前人未到の記録を打ち立て、まさに空前のスポーツ選手である。 開幕戦では視聴率25%という、テレビ離れが叫ばれる近年ではまれにみる高視聴率をたたき出し、スポーツや野球というジャンルではなく、大谷翔平という一つのコンテンツや文化にすらなっている印象もある。 国外に目を向けても、世界的に人気のある競技の選手であ

          サッカー場の稼ぎ方2 - 抱える問題点

          近年、大型サッカー場の建設や構想が各地で練られている。その一方でその陰ではとん挫した構想もある。 近年でも、鹿児島市が総合球技場構想が2024年2月に事実上白紙となった。また、秋田のサッカー場構想も様々な問題があり、進まない。 さらに、静岡市清水区は新サッカースタジアムを整備する上での資金の確保を懸念する声が上がった。建設されるはずのオリジナル10の伝統あるチームが本拠地とするはずのスタジアムである。 また、サッカー場は多くが県や市町村が建設することが多く、行政頼みになら

          ¥110

          サッカー場の稼ぎ方2 - 抱える問題点

          ¥110

          エンタメ業界を救った格闘技界の稼ぎ方

          格闘技の稼ぎ方というのは年々変わっていっている。プロレスの誕生に始まり、新日本・全日本の二大プロレス団体時代からUWFやFMWといったインディープロレス団体が栄華を極めた時代、PRIDEやK-1の新興格闘技ブーム、そして現代のRIZINをはじめとする各種格闘技団体の興隆など、節目で稼ぎ方は大きく変わっている。 そして2020年、新型コロナウィルスが猛威を振るう中で格闘技界が醸成していった稼ぎ方がエンターテインメント業界を救った。 それについては後で語るとして、ここで、格闘技

          ¥110

          エンタメ業界を救った格闘技界の稼ぎ方

          ¥110

          東京オリンピックは、競技ごとに入場料収入をいくら失ったのか?(極々一部のみ)

          まえがき2024年8月、パリオリンピックが閉幕した。セーヌ川の水質問題や選手村の運営など、問題こそあれど、会場を見る限りは前回大会よりかは大きな盛況で終わった。至極当然の出来事であった。 COVID-19。このウィルスはすべてを破壊しようとしていた。もちろん、2020年に開催されるはずだったオリンピックもさらなりで、蔓延直後は開催すらも危ぶまれた。 結果として、一年の延期を経て開催はされたものの無観客開催であり、様々な色で彩られるはずだった競技場は空席しかなく、空しさすらを

          東京オリンピックは、競技ごとに入場料収入をいくら失ったのか?(極々一部のみ)

          サッカー場の稼ぎ方

          近年、国内でも大型サッカー場の建設や構想が各地で練られている。2024年だけでも広島や長崎、金沢にサッカー場が新たに誕生し、今でも多くの都市でサッカー場の建設構想を練っている都市もある。 このことを考えると、サッカー場の新造というのは近年のスポーツ界のブームの一つである。そこで思ったのは、サッカー場はいかにして稼ぐのだろうか?という疑問である。 こういった巨大建造物はあるだけでも莫大な費用が掛かり、規模によっては数億円必要だ。このことを考えると、スタジアムにとって「お金を稼