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出逢ってしまった本
高田郁著.「あきない世傳金と銀 源流編」角川春樹事務所.2016.
ある読書会で,読んでよかった本として紹介されていたのが本書です。
それで手に取りました。
率直に言ってグッとくる本に「出逢ってしまった!」でした。
著者の語り口が豊かで,人間機敏のひだを表現するさまに,つい時間を忘れて読みふけってしまいます。
江戸時代によく読まれたという『商売往来』には,
挨拶,應答(あしらい),饗應(もてなし),柔和たるべし。に始まる心得があったといいます(p.148)
「知恵とは,物を知ることは生きる力になるんです。」
と胸に秘めて奉公勤め勤めをする主人公の幸(さち)。
この辺りの聡さ。
文字を読み,本を読み,あきないという書物に載らない「生きていく中で自ら選び取って時流に乗る」諸処を魅せますね~。本書の主人公。
幸の体験,あきないとは何か。
そして江戸時代の『士農工商』の枠をどう描いていくのかが絡み,全13巻の続編に目が離せなくなりそうです。