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【進路に悩む高校生必見!!経済学部で何を学ぶ?】12.国際経済学編


はじめに


あなたは、こんな疑問を抱いたことはありませんか?

  • なぜ、世界の国々と貿易をするの?

  • なぜ、関税がかけられるの?

  • なぜ、アメリカ経済のような大国の動向が世界に影響を与えるの?

これらの疑問に答えるのが、国際経済学です。

 今回は経済学部で勉強する国際経済学についてどのようなことを学ぶか解説します。進路や学部選びに迷っている高校生、学問に興味のある大人の方に向けて、現役経済学部大学生が解説、紹介します。

 他にもこういった学問を紹介しています!経済学部に進路を考えている方は是非見てください!


国際経済学はどういう学問?


 国際経済学ではどのようなことを学ぶか説明します。国際経済学では国際貿易・貿易政策の理論を学習します。異なる国々について、財・サービスや資本・労働の移動、取引を経済学的に分析する学問です。

 また、この学問は、ミクロ経済学・マクロ経済学の基礎をもとに派生されます。個人的に面白いと思う点は貿易が必要であることを理論的に考えるところです。

 具体的にどういう学問か見ていきましょう!


具体的に紹介:国際経済学


 国際経済学ではどのような内容を扱うか説明します。

・貿易の理論
・関税による影響
・保護貿易をはじめとする貿易政策
・海外直接投資・経済統合

など、まだまだ学ぶ内容はたくさんありますが、ザックリとまとめてみました。


貿易を説明できる理論たち


 「貿易がなぜ起きるのか説明せよ。」と言われたらどう説明するでしょうか。昔の経済学者達が様々な考え方を提唱してきました。といっても学問の紹介なので、専門的な内容ではなく、ザックリとした概要を説明します。

提唱された理論モデル

リカード・モデル
ヘクシャー=オリーン・モデル

リカード・モデル

 ここでは、リカードモデルについて紹介します。リカード・モデルでは比較優位をもとに考えていきます。比較優位とは、「生産をするのが得意なモノについて、その国がモノの生産を行う」という考えです。

 例として、日本とアメリカについて考えます。日本は自動車生産が得意で、アメリカは航空機生産が得意とします。得意というのは生産のコストを割安で抑えられるということです。あくまで例ですが、以下のようになります。

貿易を行わない場合
日:自動車10台、航空機5台 を自国で生産する
→ 自動車 × 10, 航空機 × 5
米:自動車8台、航空機12台 を自国で生産する
→ 自動車 × 8, 航空機 ×12


貿易を行う場合
日:自動車25台 を自国で生産、15台を米に輸出
→ 自動車 × 10, 航空機 × 8
米:航空機20台 を自国で生産、8台を日に輸出
→ 自動車 × 15, 航空機 ×12

※ 貿易により生産数が増えることを伝える目的として例を挙げているので、数値は全て適当です。

 日本は自動車生産に特化、アメリカは航空機生産に特化すると、不思議なことに、貿易を行わない場合(互いの国が自国で生産する)よりも、貿易を行った場合の方がたくさんの「モノ」を生産できるのです。

 この理論より、「なぜ貿易が必要なのか」という疑問に答えることができるかと思います。

 リカード・モデルについては一年ほど前に作成したものがあるので、詳しく知りたい場合、こちらをおすすめします。


ゲーム理論で保護貿易を考える


 保護貿易論について紹介します。これは貿易政策の1つであり、今回はゲーム理論という考え方を応用して紹介します。補助金で、戦略を変える様子を紹介します。まずは、補助金のない貿易を見ましょう。

 A国とB国の2国の貿易を考えます。2国はとある市場に参加しています。2国は「参加する」「撤退する」の2つの行動をとるとします。行動は3パターンに分けられ、利益は以下のようにします。


2国が参加する場合
2国とも -5億円 となる(2国が干渉してしまうため)

・2国が撤退する場合
2国とも 0円となる

・1国が参加し、1国が撤退する場合
参加国は10億円の利益不参加国は 0円となる


2国の行動を考えてみましょう。

 このように相手の行動を考えると、2国は参加の戦略を取ります。この考えがゲーム理論です。今回の2国の戦略は「1国が参加し、1国が撤退する場合」となります(今回のゲーム理論は少し複雑なので、この戦略になるんだと思ってください)。ここで、A国が「参加」する場合に、6億円の補助金を出すとします

2国が参加する場合
A国:1億円, B国:-5億円

・2国が撤退する場合
A国:0円, B国:0円

・1国が参加し、1国が撤退する場合
A国:16億円, B国:0円
または
A国:0円, B国:10億円

2国の行動を考えてみましょう。

  • B国が参加するとき、A国は「参加」を選ぶと得です。(1億 > 0)

  • B国が撤退するとき、A国は「参加」を選ぶと得です。(16億 > 0)

 以上のようにA国は必ず「参加」を選ぶので、B国は「撤退」を余儀なくされます。このように、補助金は相手国の戦略を変えることができるのです。今回の内容は少し難しいですが、こういった内容を扱います。


数式ももちろん扱う


 最後に数式を扱うことをお伝えします。ですが、具体的な例を用いるとかなり長くなってしまうので、ここでは概要を書きます。

 経済学では、需要曲線と供給曲線を数式で表します。国際経済学では、この2つの曲線に、輸入または輸出の概念を考えます。

 これは、均衡価格という需要と供給が一致する価格とは、別に国際価格というものを考えるので、供給不足を輸入で補う必要(供給過多を輸出で解決する)があるからです。このように、ミクロ経済学の内容を発展させます。


まとめ:他にはこんなことを学ぶ


 以上のことから、国際経済学というものがどういう学問か理解できたと思います。今回は様々なモデル・ゲーム理論などを紹介しましたが、これらを応用させたものを大学では勉強していきます。

 他に大学で専門的に勉強しようとすると

  • 産業内貿易の理論

  • FTAなどの協定について

  • 大国の貿易理論・政策

などといったことを学びます。

 経済学部に進路を考えている方への1つのきっかけになればいいなと願っております。最後まで見ていただきありがとうございました。

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