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「生産性を高めること」は本質なのか_中編【実践!スポーツビジネス道場#17】

←第16話

ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。
「実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ2部所属のサッカークラブ「TOKYO.CITY.FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。


酒井)僕らも何となく話している事ととしては、最後おっしゃっていただいた(今やっている事業と)実際僕らのサッカークラブにどうつなげていくかってことで。やっぱりやっていく必要あるよね、と。

荒木)そう、物事って見えている景色の一個下に入り込むっていうか、よく本質的とか言うけど、構造的なところに目をやると頭の中が整理されたりする。
こんなことばっかりやっていてサッカービジネスが全然できていないじゃんみたいな"これからサッカービジネスに力入れなきゃ"っていうけど、サッカービジネス始めた時にやっているコンポーネントが同じだったりするんだよね。サッカービジネスやるときに使うスキルセットや会社としてのナレッジとかシステムとか含めて、それって違うビジネスでも通用する事がたくさんあるから。スポーツビジネスが特別な事をやっているわけじゃないし、お金稼ぐ側はサッカーやっているわけでもないし、芝の上でボール蹴っているわけでもないので、そのプレーを使ってお金にしていくかというところ。メディアをどう使っていくかとか、どう配信するか、どんなクリエイティブを作るかとか。サッカーが主語になるけれどやっている中身は今やっていることと同じだったりする。そもそも論で無駄にはなっていない構造を理解して進めていく事によって、意識的にも焦らなくて済むし、これはすべて将来のための根っこを作っているフェーズだと分かった上でそこを伸ばしていくという考え方だけでロードマップが描きやすいという事になる。
ただ、その中でその1つ1つのコンポーネントが自分の好き好みで時間を使ってやってしまっているという事は、決して悪い事じゃないし、そこが強みだとしたらそれはそれでいいけど、常に今の10倍増えた時、10倍と言わなくても2倍3倍になった時に仕事ってどう回すんだっけ?って。人に任せられるんだっけ?という時に会社としてのバリュープロポジションが手掛かりになる。会社としての担保しなくてはいけない品質っていうものが。
会社というのは、1つのTという箱の中で社長から出るアウトプットと、ミドルマネージャーから出るアウトプットと、ワーキングレベルから出るアウトプットはお客さんから見たらどれもTの商品。その商品のクオリティをどうコントロールするか、担保するかという事が基本ベースなので、それが崩れるとどうなるかというと完全に人に依存した人ビジネスになる。たまたま法人は会社になっているけど、出てくるアウトプットは人に依存しちゃうという事になると、横展開できないモデルになっちゃう。横展開できるのは会社の看板を使っていろんなプロダクト、ソリューションを増やす事ができる構造になっていないと絶対どこかで頭打ちになるし、人が絡むほど労働集約型になる。そうなると構造的な問題になる。
じゃあ売り上げ上がったら人増やせばいいじゃんって話になるけど、人を増やしてもクオリティコントロールができなくなっちゃう。今からやっていかないと。人が増えたときに人に依存したままだとクオリティにバラつきが出るので、その時にTってこうだよねというプロダクトが揺らいでしまったら意味がなくなっちゃう。そういうことも今は少ない人数だけども、まだ早いと思うけど、そこへのこだわりを持った上でやっていく必要があるんじゃないかと思うね。

酒井)ありがとうございます。正におっしゃる通りで、今やっている事を考えてみると人に依存しているなと思います。

荒木)それしょうがないと思う。どんな会社でもうちでもそうだけど、人に依存するのは仕様が無いけど、そこに対してマネージメントとしては課題感を持ってどうすれば高いレべルで安定化、システム化、プロセス化するかというところや、こだわりに対する定義をしっかり作っていけるかというところを平行的に考えるべき。できるできないは有るけど、そういう視点を持っていかないとどうしても人に依存する間は絶対に伸びない、仕事が増えないので。
最初のうちは自分で頑張っていこう、横展開して寝る時間も惜しんでとか自分自身の生産性を高くして数をこなすみたいな。それって途中まで頑張れても限界は必ず来るので。ずっと3つ抱えてやっていたけど4つ目がすごく大きな案件で、プライオリティ1位の案件なのに3つがあるから取れないっていうのもよろしくないじゃない?そういう準備も含めてやっていく事がとても大事だと思う。


≪第17話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI
一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
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➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
J1から数えて8部に相当する、東京都社会人リーグ2部に所属するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
TOKYO CITY F.C. 公式サイトはコチラ

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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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