見出し画像

現在と過去と未來で感じる味の違い

あっ、これなんか、懐かしいな。。

皆さんは、どんな時に懐かしいと感じるだろうか。

それは懐かしい味だったり、

匂いだったり、

音だったりと、

様々な五感を通して、昔のことを思い出だすことがあるのではないだろうか。


久しぶりに懐かしい味に再会した。。


時々、妻と一緒にスーパーに買い物に行く。

朝の開店と同時に行くと、半額のものがあり、掘り出し物に出合うことがある。

先週の土曜日、半額の札幌醤油生ラーメンを見つけた。

手に取ると、横から妻が顔を出し、

いいの見つけたねと、声をかけてきた。

パッケージがすごく美味しそうに見え、買うことにした。

今日は、その札幌醤油生ラーメンを食べのだ。


その味は、、

まずくはない。

美味しくもない。

ただ、なんだろう、、。

一口一口、なんか、懐かしい味がした。


そうか、、あの時の味に似ているのかな。。



私が子供の頃、そう、35年以上も前の話である。


近所に札幌ラーメンという店があった。

メニューは少なかっが、今でいうファミレスみたいな店だった。

私の実家は、四国の田舎町で、子供の頃は今より外食ができる店も本当に少なかった。

あったとしても、当時の私の家の感覚としては、高価で行くことはなかった。


この札幌ラーメンという店は、

私の家から自転車で10分ぐらいのところにあり、

田んぼばかりの国道沿いに、ぽつんとある店だった。


店頭にはショーウィンドウがあり、
照明に照らされた食品サンプルが、キラキラと光っていた。

値段も手頃で、どれも美味しそうに見えた。


店の中は、カウンター席とお座敷席があり、お客はまばらだった。

カウンター席におじさんが一人、いつもラーメンをすすっていた記憶がある。



父と母、姉と私の4人は、いつも右側のお座敷席に座った。

私が家では、外食と言えばこの札幌ラーメンだった。


父が36歳にして、脳卒中で倒れ、働いていた会社をクビになった。
ある会社に障害者枠で再就職ができたが、その賃金はびっくりするほど安いものだった。

そんなこともあり、私の家はかなり節約をした生活を送っでいた。

子供の頃の私にとって、外食は、めったにない、特別なものだった。



食べる時は、
いつも同じメニューだった。

私が食べていたのは、醤油札幌ラーメンセット。

他のメニューもあったが、めったに食べることができない外食、、他の味を知らなかったし、
冒険なんて、とてもじゃないけどできなかった。

ラーメンセットには、

・ラーメン

・山盛りのご飯

・唐揚げ

・サラダ

・漬物

今思えばシンプルなものだったが、当時は本当にご馳走に思えた。

子供の私には、食べきれない程の量だった。

美味しさと、

満腹感と、

幸せで、

満たされた気持ちで、いっぱいになったのを覚えている。



今日食べた半額の札幌醤油生ラーメンの味は、

一口一口、懐かしい味がした。

しかし、あの時食べた感じと何かが違う。


札幌ラーメンは、もっともっと美味しかったはずだ。


あの美味しかった札幌ラーメンの店は、残念ながら20年前に潰れてしまい、
もう二度とあのラーメンを食べることはできない。


本場の札幌ラーメンはどんな味なのだろう。。

いつか、北海道に行き、食べてみようと思う。

さぞや美味しいのだろう。

でも、

子供の頃食べたあのラーメンセットより、

美味しいと感じる札幌ラーメンには、

出合えないような気もする。どうなのだろう。。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?