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対人ゲームの同格マッチングは悪なのか?
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「タコだぜ」
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「イカだよ」
「今回は対人ゲームでの同格マッチングについての話をするぜ」
「そのためには対人ゲームの歴史から話さないといけないぜ」
「対人ゲームの始まりについてはいくつかの諸説がある」
「大雑把に言えば1981年任天堂のファミリコンピューターから対人ゲームが始まっているとも言えるぜ」
「それはなんで?」
「いい質問だぜ」
「ファミリーコンピューターはコントローラーが2つ付いてて、対人戦ができるゲームが多く出るようになったんだぜ」
「世界初の対人戦ができるゲームはアーケード筐体のヘビーウェイトチャンプというゲームと言われてるぜ、セガ製だな」
「ファミリーコンピューターでは、マリオブラザーズやスパイVSスパイなど1人じゃなくて2人で遊べるゲームが多く出るようになり一般家庭で楽しめるように広まっていたんだぜ」
「ほうほう」
「1980年代から対人ゲームは存在していたと言えるが、まだこの時期のは家で友達同士で集まって遊ぶようなものだったぜ」
「40代30代のゲーマーは友達の家で集まってゲームを遊んで競うという思い出をだいたい持っているぜ」
「いい思い出だね」
「1991年に対人ゲームの革命が起きたぜ」
「誰でも知ってる超有名ゲームのストリートファイター2が誕生した」
「はどーけん!しょーりゅーけん!」
「このスト2の人気と影響は凄まじく、格ゲーというジャンルが築かれたんだぜ」
「ゲーセンにみんな集まって筐体で対戦するようになったんだぜ」
「上手いプレイヤーは勝ち抜けして連戦できるので上手いほど長くゲームを遊べたんだ」
「いろんなゲーセンで上手いプレイヤーが生まれて、地域の各ゲーセンで一目置かれたりするようになったんだ」
「ゲーセンでコミュニティができるようになって独自の文化が生まれていったんだ」
「結構すごかったんだな」
「しかしそんな格ゲー文化も2000年過ぎたあたりにブームが一旦終わったぜ」
「なんで?」
「いろんな説があるぜ」
「マンネリ化したとか」
「格ゲーがどんどん複雑化していったとか」
「初心者が入りにくくて界隈が衰退したとか」
「おそらくどの説も正しいぜ」
「特に致命的だったのは初心者が入りにくかったことだと思うぜ」
「なんで初心者が入りにくかったんだ?」
「強いプレイヤーが初心者をボコボコにするからだぜ」
「初心者の中にも自分より上手いプレイヤーや友達にどうやったら上手くなれるのか聞いたりする根性のある人もいるんだが、教えるのが上手い人はほとんどいなかったりとあまり良い環境じゃないのが多かったんだぜ」
「初心者も楽しくないといって去っていきやすかったんだぜ」
「それは辛い」
「そういう経緯があって格ゲーおよび対人ゲームは一旦廃れかけたぜ」
「そのあとMMOやモンハンなどオンラインで協力したりコミュニケーションを取るゲームが流行ったぜ」
「ラグナロクオンラインとか色々流行ったね」
「格ゲーもオンライン対戦するようになったりとそれなりに進化はしてたぜ」
「ドリームキャストでオンライン対戦できる環境を提供したりとセガが先駆けだったぜ」
「ドリームキャストなつい」
「初期のオンライン対戦はランダムマッチングで上手い人が弱い人をボコボコにしてたぜ」
「時期ははっきりしてないが、レーティング制度やランク制度が徐々に広まっていったぜ」
「2004年の鉄拳5では段位が存在してたから、だいたいこの辺りから徐々にレーティングやランクという考え方が浸透していったと考えられるぜ」
「人口衰退していってる格ゲーで、初心者も楽しめるように同格で戦えるようにレーティングやランクの仕組みが進歩していったかのような流れになるんだぜ」
「ゲームメーカーの人たちが色々苦心して工夫していったとみなすことができるぜ」
「ゲームメーカーの人たち頑張ったんだね」
「2000年〜2010年の間は対人ゲームは細々と地味に活動してたんだぜ」
「オープンワールドとかマインクラフトとか色んなジャンルのゲームが出て皆そちらの方を中心に夢中になってたんだ」
「ところが転機が訪れたんだぜ」
「何が起きたんだ?」
「2009年にLeague of Legendsが誕生したんだ」
「当時League of Legendsは日本では馴染みは薄かったが、多人数でのチーム対戦という概念が出て世界で流行ったんだ」
「1VS1の格ゲーはマンネリしてたが、多人数対戦は新しい面白いとウケたんだ」
「それまでにもバーチャロンとかガンダムVSシリーズとか2VS2のゲームは多少あったんだが、本格的な多人数対戦が出て対人ゲームの歴史はまた大きく動き始めるんだ」
「この本格的な多人数対戦がいつ始まったのかいつから流行ったかは諸説があるぜ」
「早ければ1999年のアンリアルトーナメントから始まってたとみなすこともできるんだ」
「とにかく1VS1の格ゲーから変わって多人数対戦の時代が始まったんだぜ」
「いいね」
「League of LegendsはMOBAというジャンルだったが、FPSやTPSなどのジャンルも多人数対戦として人気が出るようになったんだ」
「そこから派生してバトルロイヤルなどのジャンルも生まれたんだぜ」
「PUBGやFortniteだね」
「多人数対戦が流行っていく際に、格ゲーの衰退の経緯をゲームメーカーは忘れてなかったんだ」
「同じ轍を踏まないように、積極的にレーティングやランクなどの制度が当たり前に採用されていったんだ」
「2010年前後から劇的に同格マッチングというのが当たり前の制度として広がっていったんだ」
「よかったじゃん」
「ここまでの流れでいうと同格マッチングというのは、初心者が楽しくないとやめていきにくいように採用されたような制度になるんだ」
「わかるよ」
「PUBGなど色んな多人数対戦ゲームが流行るようになって、新たな問題・傾向が出てくるようになったんだ」
「どんなの?」
「足を引っ張る味方への愚痴やキレすぎてコントローラー投げて壊したりするプレイヤーが出てくるようになったんだ」
「キレすぎてキーボードクラッシャーとしてネットミームで有名になりすぎた海外の少年プレイヤーも出たりしたんだ」
「こわっ」
「最初は一部のプレイヤーだけの特殊な傾向だと思われてたんだ」
「ところが多人数対戦ゲームが流行るにつれて、一般的に見られるようになってきたんだ」
「それどころかスマブラなど1VS1のゲームでも荒れるプレイヤーが観測されるようになってきたんだ」
「すごいね、対人ゲームはそんなにストレスかかるの?」
「なかなかはっきりしなかったんだ」
「ネットのおかげで、荒れるプレイヤーがいることが可視化されただけだったのか、現代の若者がストレスに弱いのか、ストレス負荷が大きすぎる一部のゲームが存在するだけなのか、よく分からなかったんだ」
「確かに特定はしにくそう」
「ある段階から対人ゲームは面白くない、ストレスが溜まるという声が出てくるようになってきたんだ」
「まあ合わない人は多少出るだろうね」
「それらの声がより具体的になって、ランクマッチ面白くないやりたくないという声に変わっていったんだ」
「ランクマッチしんどい、ゲームで接戦したくない、ゲームでまで努力したくない、などの声が出てくるようになったんだ」
「ありゃま」
「ランクマッチを頑張らないでカジュアルに楽しむことを目的とするプレイヤーも出てくるようになったんだ」
「エンジョイ勢とか言われたり、友達とチームを組むときだけ遊んだりするような人が出てくるようになったんだ」
「それってどういうこと?」
「仮説レベルの話だが、同格マッチングをストレスに感じるプレイヤーが増えてきたんだ」
「彼らはランクマッチや接戦をそれほど望んでないようなんだ」
「接戦がストレスなの?」
「なんでそんなことが起きるんだろう」
「どうやら全てのプレイヤーが同格の勝負を望んでいるわけではない、楽しいと思ってるわけじゃないようなんだ」
「もっと勝ちたいとか、もっと気持ちよくゲームをしたい、と思っている層がいて、同格マッチングを強制されるランクマッチなどは彼らにはしんどいようなんだ」
「えぇ〜…」
「じゃあどうするの?」
「最近のゲームだとレートやランクに影響のないカジュアルマッチモードも採用するゲームが出てきているんだ」
「ゲームメーカーも全ての人間がガチンコの同格マッチングを楽しめるわけじゃないと認めて、ガチンコ層とエンジョイ層の共存を目指すところが出てきている」
「いろいろ大変だね」
「流れで言うと、初心者が楽しくないと去っていきやすいのでそれへの対策としてレートやランクを用意した同格マッチングが用意されたんだけど、今度はその同格マッチングがしんどいと反発するプレイヤーが出てくるようになった」
「これは現在進行形の課題として明確な解決策はまだ見つかってないんだ」
「次から次と対人ゲームの課題が出てくるね」
「多人数対戦だとチーム戦なので、同格マッチングを組むために上手い人とそれほど上手くない人が帳尻を合わせるために組まされるゲームがあったり、チームの組ませ方に納得感がない不公平だと感じやすいゲームもあるんだ」
「マッチングの精度どうなってんだとプレイヤーから文句を言われているゲームもあったりする」
「あ〜…それはキツいね」
「同格マッチングには良い面と悪い面があって、悪い面が具体的にどういうことなのか分かるようになってきたんだぜ」
「初心者でもある程度楽しく遊べるようにと用意されたのが同格マッチングでもあるので、良い面はちゃんとあるんだ」
「これからは、前よりもみんなが楽しめるようにゲームメーカーがまた頑張って考えて工夫する時期になりそうだぜ」
「ゲームメーカーさんお願いします!」
「とりあえずは、同格マッチングがしんどい人はあまり無理しないで対人ゲームを楽しめるよう自分自身でも工夫したり発想を変えたりしてみて欲しいんだぜ」
「じゃあこの辺で…」
「お疲れ様でした!!!」