![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125726813/rectangle_large_type_2_e5c70244eba946a4156d7816583a198a.png?width=1200)
僕は案外、義理堅い
僕は案外、義理堅い。
古臭いと言われてしまうかもしれないけれど、僕は、このことを、とても大切にしている。
だから、僕に親切にしてくれる人には、近所に寄ったら、顔を出す。
そして、挨拶をする。
僕のルーティンだ。
そういう意味では、ご主人様の一番上のお姉さんの処にいる僕の幼馴染丸ちゃんと、陣の後にやってきたやんちゃ坊主・ヒナにも、きちんと散歩の途中で挨拶に行く。
このやんちゃ坊主・ヒナは、昨日も書いたように手加減を知らない。
だから、自分の半分以下の大きさの僕にさえ、本気でかかってくる。
僕は、ヒナに礼儀と手加減を教えたいのだが、この体格差では、いかんともしがたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1703643510743-2wiBojpUcB.png?width=1200)
また、あいつの困ったところは、過去世が原因で、何しろ、人間を見ると、吠える。
その気持ちはわかる。
何しろ、だまし討ちにあったんだ。
目の前でお父さんを殺されて、自分も焼き殺された。
その記憶がなくならないから、人間を見ると、恐怖で吠えまくる。
どうにかしてやりたいと思うものの、まだ、その過去の中で生きているから、僕の声が届かない。
暫くの間、様子見だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703643570332-083ZnwMAEW.png?width=1200)
でも、僕は義理堅いから、あいつを見放すことはしない。
ちゃんと時期が来たら、男同士の話し合いをして、ヒナに自分を取り戻してもらいたいと思っている。
そういう意味でも、今日も一番上のお姉さんの家に足を運ぶ。
そして、ヒナと幼馴染の丸ちゃんがいても、いなくても、家の中を覗いて、挨拶をして帰る。
そんな僕を見て、ご主人様は、義理堅い奴だ…と笑っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1703643611877-zS4QCvb4WZ.png)