先週、「黒木の大藤」に訪れた1000人の方たちへ。
ニュースを観ていたら、画面いっぱいに美しい藤の花のアップが映った。
薄紫や濃い紫のグラデーションが見事で、「わぁ~きれい!!」と思わず声が。
次に観た映像は、チョキチョキと剪定ばさみで刈られている藤の花たち。
「えっ?なんで?!」
ニュースの内容を知らなかった私はまたもや声が出てしまった。
場所は福岡県八女市。
通称「黒木の大藤」と呼ばれている、樹齢600年超えの天然記念物の花。
聞けば、緊急事態宣言で外出自粛とこれだけ言われているにもかかわらず、花を見ようと先週1000人ほどの人出が出たそうだ。
そのため、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、関係者が苦渋の決断をし、花を刈り取ることにしたという。
「どうして、こうなってしまうの?」
「どうして、みんな我慢ができないの?」
自粛をしいられ、ストレスが溜まっているのも理解はできる。
“藤棚は外だから、気分転換にちょっと見るくらいならいいだろう。”
そのような考えのせいで、結局多くの人が集まってしまい、花の命を奪うことになった。
関係者は、
“かわいそうだが人の命より大切なものはない”
このように思い、花を刈り取ることにしたそうだ。
人の命は大切だ。
でも、花にも命はある。
だから、どちらも大切だ。
それはみんな、わかっている。
けれど今回、身勝手な一部の人間のために、花の命を奪うことになってしまった。
花のお世話をしてきた職員の方が、「花に罪はないのに・・・」と花を刈りながら涙ぐんでいるのをみて、私も悲しくなった。
花を刈る以外に方法はなかったのか?
例えば、周囲の立入禁止措置や、シートで覆って藤棚自体を隠すとか・・・
でもそれは、コストも労力もかかってしまうから無理だったのかもしれない。
やはり、
“来ないようにお願いするしかないのだ。”
だが、お願いは元々していたはず。
なのに、ちょっとだけなら・・・
という身勝手な人間が多くいた結果、「黒木の大藤」の命を奪うことになってしまった・・・
先週、「黒木の大藤」に訪れた1000人の方たちへ。
美しい花を見れて自粛疲れが癒やされたことでしょう。
気分転換ができてよかったですね。
でも、あなたたちのその軽率な行動のせいで、美しい藤の花の命が奪われました。
花の命を奪ったのは、自分勝手な都合で行動したあなたたち。
それでも、見に行ってよかったと思えますか・・・?
これからも、全国各地で花の名所が見頃を迎えることであろう。
そのたびに、あなたたちのちょっとだけという軽率な行動で、またどこかの花たちの命が奪われてしまうかもしれない。
それでもまだ、花を求めて外出をするのですか?
花の命を奪ってまで、気分転換がしたいですか?
今一度自粛の意味を一人一人に考えて欲しい。
どうか、どうか、考えて欲しい。
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