糸庄のもつ煮込みうどんと、我が家のキンパ
4月に1ヶ月富山を旅行した際、糸庄のもつ煮込みうどんを食べに行ったことがある。
糸庄といえば富山の有名店で、本店の前を通りがかると平日でもいつもすごい行列ができていた。
旅行も終盤になり、やっぱり食べてみたいなあと思い、一人で行列に並ぶ勇気がないわたしはアピタ店に行くことにした。
アピタというのはイオンみたいな商業施設で、映画「あのこは貴族」のなかで「俺のセフレがアピタでバイトしてるんだけど見に行く?」というセリフでお馴染みのアピタである。(個人の感想です)
連休の合間の平日だからか、こちらも少し行列ができていたけど、2、3組くらいだったので待つことにした。このために頑張って自転車漕いできたというのもある。
待っている間、店内を観察する。レジの横にはお土産用の冷蔵もつ煮込みうどんが販売されており、5個くらいまとめて買って帰るおじいちゃんおばあちゃんを何人か見た。家族に買って帰るのだろうか。「いつもそうしてます」という感じがしてすごくいいなと思った。
10分ほどで席に通される。定番のもつ煮込みうどんに卵をトッピングしてもらう。
周りを見渡すと、こんな観光客然としてるのはわたしくらいなのでは?というくらい、地元のお客さんが多く、みな特にはしゃぐ様子もなく、なかには普通のラーメンとかカツ丼を食べている人もいて、生活の一部なのかなあと感じる。
店内のテレビをぼーっとみていると、もつ煮込みうどんがやってきた!
わたしの食レポはどうでもいいので、まずはホームページの説明を。
’’不動の一番人気メニュー。ニンニクのパンチが効いた優しい味わい。卵を入れると、さらにコクのあるまろやかさに。’’
そうそう!これが一人用の土鍋でぐっつぐつの状態で運ばれてくる。
海老天やらえのきやら赤巻きが乗っていて、すごく嬉しくなる。
だれが海老天のせようと考えたんだろう?天才…
もつも大きくてプリプリで本気の量で、もつ好き歓喜。
このとき胃腸絶不調だったんだけど、汗だくになりながらぺろりと食べた。
おいしかったなあ…
なんで今頃になってこれを書いているのかというと、つい先日お土産で買っておいた冷凍もつ煮込みうどんを食べたからです。
糸庄本店の隣には冷凍もつ煮込みうどん自販機というものが設置されており、旅行の最終日に買いに行ったのだ。
ちなみにこの時店内で食べるために行列に並んでる皆さんの注目を感じずにはいられず、けっこう恥ずかしかった。
賞味期限は冷蔵だと多分1,2日?だけど、冷凍はなんと3ヶ月も持つ。
大事に大事にとっておきすぎて、ついにリミットが来たので、ようやく食べることにした。
冷凍も具がフルセットで用意されていて素晴らしい。どうしてもぐつぐつ状態では出せなかったけど、あの時の味を完全再現することができた。夫はえらく感動していて、家にあった冷凍うどんを替え玉し、さらにご飯もいれてスープまで全部飲み干していた。わたしは食べた瞬間アピタに食べに行った時のことを鮮明に思い出し、これぞまさにソウルフードだなあ!と感動したのだ。
それでふと、東京のソウルフードってなんだろうって考えたのだけど、これが一つも思い浮かばない。
別の日に富山出身の人に糸庄について話したところ「糸庄行ったことない…」という答えが返ってきて、ずっと住んでいるとそういうものなのかもなと思った。外から見て気づく良さというか。
東京のソウルフードをお持ちの方はぜひ教えていただきたいです。
そこからさらに話は飛躍するが、我が家のソウルフードもなくない?と思い、夫に聞いてみると「キンパがあるじゃない」と言われる。
そうだった。わたしは年に一回、花見の時だけキンパを作ることにしている。
付き合ったばかりの頃ははりきっていたが、正直今は面倒で仕方がない。
卵焼きを作るところからハードルが高い。にんじんとほうれん草でそれぞれナムルを作るのも面倒。キムチの水をしぼるのも地味に面倒。海苔巻きも上手に巻くの難しいし。4本作るので、最後切るのも面倒。(文句言い過ぎ)
でも夫は「それでも続けていくことが家庭になっていくの!」と言い張り、たしかにそうかもなと今頃になって思った。
毎年食べるたび、これが我が家の味だよな!と染み込んでいくといいな。
写真を見返すとキンパ歴は9年か?来年もがんばっておくれ。
思い出の味っていいなという話です。