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わが家の歴代主力カメラたち
わたしは note でカメラ愛にあふれる方々の記事を読むのも好きで、それぞれにカメラとの出会いがあり、思いがあり、物語があって、それは楽しく読ませていただいています。
そんなわけでわたしも、わたしの愛したカメラたちを紹介させていただきます。なーんの参考にもなりませんが、お付き合いいただけると幸いです。
OLYMPUS XA2
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学生時代、ヨーロッパ一人旅を共にしたフィルムカメラです。
気軽にポケットに放り込んでおけるスナップショット機!
以前の記事で紹介しましたので、詳細はこちらで。
Nikon FE
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祖父から譲り受けたNikon FE。
1978年に発売開始されたAE搭載小型軽量一眼レフ、ニックネームは「シンプルニコン」。Nikonならではの上質な仕上げ、精悍なブラックボディ、撮影に集中できるシンプルな操作系、手に馴染む大きさと重さ。ファインダーをのぞいた感覚が最高で、ピント合わせもシャッター音もここちよい。
我が家の主力機材として長く使ってきた、言わばわたしにとっての「カメラの原風景」を形成する存在です。
中古市場ではFEの前年(1977)に発売開始された機械式シャッター搭載のFMの人気が高いようですが、実用機としてFEは最高です。
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KODAK DC20
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巷でカシオのQV-10をはじめとした「デジタルカメラ」が流行だしたのが1995年。当時デジタルカメラに対して特に興味はなかったけれど、翌年DC20がとても安くなっているのを知り、軽い気持ちで購入しました。
近所を散歩するときにはよく携帯し、とりあえず8枚(このカメラはノーマルで8枚しか撮れない)撮ってはいた(ランニングコストが0円なので)けれど、そこに映っているものは 見なれた日常であり、また、当時の我が家のPC性能も「快適に画像を楽しめる」ものではなかったため、ほとんど撮った画像をながめることもしていませんでした。
それから数年が過ぎ、我が家のPC性能も向上し、あらためて(というか、はじめて)DC20で撮ったすべての画像を見ました。撮影した当時は 「見なれた日常」に過ぎなかったものが、時を経ると「かけがえのない家族の記憶」であリ、そこには我が娘たちの成長の過程がかざらない日常の姿として写し出されていました。最後の画像を見終わる頃には、感動で涙ぐむ自分がいました(言い換えると、単なる親バカな自分がいました)。
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この頃の「主力カメラ」は Nikon FE で、このカメラはサブサブカメラ程度の位置付けでしたが、思い出に残る写真を残してくれました。
Nikon CoolPix 990
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2000年になると、デジタルカメラの性能も格段に進歩しました。DC20のときは「コンピュータの画像入力用周辺機器」程度に考えていたけれど、Coolpix990は「カメラ」として期待を持って購入しました。
当初は、撮って出しJpegをモニターで見ると一見地味で、「あれ、DC20のほうが美しくないか?」という印象でした。
ところが、フジのFDiというデジタル画像を印画紙に焼きつけるサービスを利用すると…美しかった。FDiは画質の自動補正を行うので、コントラストや彩度も補正されているかもしれないが、驚いたのは「透明感」というか「抜けのよさ」というのだろうか、銀塩一眼レフで撮った写真と見比べても気持が良い。
そうか、このカメラは「カメラ」であり印画紙に焼きつけて初めて真価が発揮されるのだ。以来このカメラはだんだん我が家の主力機としてその地位を高めていきました。
334万画素補色CCD、マグネシウム合金製の外装、35mm換算38〜115mmのインナーズーム。決して小型ではないが、気楽に持ち運べるところも魅力。そして、小さいながらもズームと連動する光学ファインダーが搭載されているあたり、老舗メーカーとしてのこだわりが感じられます。
「さすがニコン!」
SIGMA DP3 Merrill
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その他デジタル一眼とか、なんだかんだといくつかのカメラの変遷をたどりますが、主力カメラになったのはこのDP3 Merrill でした。 これ以前のカメラは、旅行の記録や親バカ写真が中心でしたが、DP3M から写真を撮ることそのものが楽しくなってきました。
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なんてこともないスナップ写真ですが、この写真をMacのモニターで見た時からDP3Mに心底惚れ込みました。ぜひ拡大して見てください。細部の解像感と質感が 尋常じゃない!
特にエッジ部の清々しさがすごい。この絵を見てしまうとベイヤー 方式のカメラで撮った絵では、エッジが「それっぽいけど、画像処理で作られた」ような胡散臭さを感じるようになってしまい、もう戻れない。
AFは遅いし、書き込みも待たされる。ISO感度は実質100で固定。めっぽう気難しいカメラなのですが、ハマったときの絵力が半端ない!
これが、SIGMAのカメラのみの搭載されている「Foveon」センサーの威力(SIGMAがMerrill用に専用設計したレンズの威力と併せ)なのだろうと思い知らされました。
レンズ一体型なのに、75mm相当の単焦点という変態さ度合い。市場調査なんて行わずに自分たちが考える理想のカメラを製品化してしまうSIGMA。
こんな会社、世界にSIGMAしかいない!
SIGMA fp
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DP3M に至るまでには、デジタル一眼や小型ミラーレスなど、いくつかのカメラを渡り歩るく浮気性のわたしでしたが、 DP3Mと出会って以来、ほかのカメラに浮気するどころか、もうカメラの動向に目を向けることもなくなっていました。fp が発売されたことは聞いてはいましたが、非Foveonだと知ってスルーしていました。
転機は会社の仲間との何気ない会話でした。美術系大学卒の新人さんなのですが、「Canonの一眼を妹に譲ってしまったので、FujiかSonyのミラーレスを狙っている。」とのこと。
この会話をきっかけに興味がわいてきたわたしは、ひさびさ(7年ぶり?)にヨドバシカメラに行ってみました。NikonやCanonのブースは違和感もないのですが、Sonyのブースの活気がすごい。わたしの中ではSony=NEXで止まっていたので、Sonyが高級カメラ枠でNikonやCanon以上に勢力を拡大していることに驚きました。(浦島太郎状態、7年のブランクは大きい)
Fuji Film がレンジファインダーライクなフォルムの高級カメラを出しており、これも新鮮な驚きでした。
で、最後にSIGMA fp。はじめて実物と対面します。
カッコいい!
金属のかたまり感、剛性感、ミニマルなデザイン。
機能を削ぎ落とした振り切った設計思想!
でも、迷います。
「DP3M 1台で十分楽しいのにわたしにとって fp は必要か?」
でも、fpに触れた時点で答えは決まっていたようです。
「中望遠のDP3Mと広角レンズをつけた fp の2台体制で行こう」
とかなんとか自分なりの理屈をつけながら。
以来この半年間、 fp とともに幸せな日々を過ごしています。
そして、この喜びを note で綴るわたしがいます。
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