#01 - PENTAX auto110
我が家の防湿庫には30台くらいのカメラが眠っています。
フィルムカメラの多くは祖父から譲り受けたものです。
特にフィルム式カメラは最近ではすっかり出番が少なくなってしまいましたが、「せめて note でお披露目させてもらえれば」企画の第1段として、今回は PENTAX auto110 を紹介させていただきます。
どんなカメラ?
幼少の頃、女の人がauto110を首から下げたTVコマーシャルを見た記憶があるような気がしますが、当時特段ほしかった記憶はありません。でも、なぜか20年近く経って突然欲しくなって探して手に入れました。
このカメラ、なにせ手のひらに収まる大きさ!
それでいてちゃんと一眼レフ!
ファインダーを覗いた感覚は、まさにミニチュア一眼レフ。
とても軽い(200g弱)ので首からかけていても苦になりません。
入手した当時は、110フィルムはごく普通に流通していたので実用機としてごく普通に使っていました。
110フィルムについて
110フィルムは画角13mm X 17mm のカセット式の小型フィルムで、1972年にKODAC社が導入した規格。フィルム装填が簡単なので、「誰でも使えるコンパクトカメラ」用に適しており、カメラの機構も随分と簡略化できるので、1970年代後半頃にはたくさんの(たいていは安価な)カメラが出回りました。
画角は狭いし、裏紙付きのカートリッジゆえフィルムの平面度が出せないので、画質を追求するのは正直なところ無理があると思います。
2009年に富士フイルムが生産を終了し一時期入手が困難な時期もありましたが、Lomography が取扱いを始めてくれたおかげで、現在でもなんとか(価格は高騰していますが)入手可能です。
auto110について
110フィルムカメラは安価なものが多い中、ペンタックス(旭光学工業)は、1979年に交換レンズ群やワインダーなどを含む本格的なシステムとしてレンズ交換式の一眼レフ auto110 を発売します。
「気軽に写せる、小さな本物。」
露出はTTL測光のフルオート、ペンタプリズムとクイックリターンミラーを内蔵した、ちゃんとした一眼レフカメラです。専用のクローズアップレンズやオートワインダーまで用意されたシステムカメラ!
ん〜ん、クレイジー!
わたしの手元にあるレンズは、18mm(35mm換算で35mm)パンフォーカス、24mm(同50mm)、50mm(同100mm)、70mm(同140mm)の4本ですが、このほかに 18mm (ヘリコイド)や20-40mmのズームレンズまであるようです。
Nikon FE と大きさを比較すると、
auto110 :W97-H56-D31(本体)、175g (本体+24mm)
Nikon FE:W140-H90-D50(本体)、1,000g (本体+ Zoom-NIKKOR)
おわりに
auto110 は、きっと世界最小のレンズ交換式の一眼レフです。
実用機としての使用は残念ながら難しいですが、ガジェットとしての魅力は半端ないです。たまに手にとって明るい光学ファインダーを覗くだけで幸せになれるカメラです。
今ならフィルムも入手可能で、現像を請け負ってくれるラボも探せばあると思います(未確認)ので、写りを確かめることもできます。ご興味のある方はお急ぎください!(などと誘ってみる)