#07 - Minox B
スパイカメラとして有名なミノックス。映画やドラマなどにも登場します。ふつうに民生品なのでスパイ以外の人ももちろん使えますよ^ ^。
インプレッション
手のひらに楽々隠れる大きさ。それでいて2mから無限遠までの焦点距離設定が可能で、シャッター速度も1/2から1/1000まで調整可能、ファインダーは自動視差調整機能付きと凝った作りになっています。よくもまあこれだけの機構をこの小さなボディに詰め込んだものだ!(それを完全機械式で!)
ちなみにサイズは約 100 x 30 x 16 mm (突起部を除く)。
ボディはアルミ製。それでいて思ったよりも重みを感じます(実測100g弱)。この小さい筐体の中に精密機械がぎっしりと詰まっていることを感じます。
初代ミノックスが発売されたのが1936年(ラトビアのリガで作られていたので「リガ・ミノックス」)。その後戦争の混乱によりドイツに拠点を移し発展していきます。
わたしのは1958年発売のB型で、セレン光電池発電方式の露出計を内蔵したタイプです。1969年のC型は電子シャッターになりますがこのB型は完全機械式です。
写真でフィルムカートリッジの左に円弧状の部分が見えますが、この部分を押し下げることでスライドを大きく開けてフィルム室にアクセスできるようになります。
ミノックスのフレームサイズは 8 X 11 mm 。面積比較で、35mm 版(24 x 36mm)の 1/9 弱。これだけの面積で満足のいく画質を得るために、光学系もしっかりと作られている、のだろうと思います。
祖父からこのミノックスを譲り受けた頃は、ミノックス用フィルムはふつうに流通していましたので、頻度こそ少ないですがふつうに使っていました。でもこの頃わたしは単なる親バカ写真家でしたので、カメラやフィルムによる写りの違いなどということにはまるで無頓着。
作例もなく、写りの言及もできずすいません!
A4サイズの大きさであれば約50cmの距離で写すことができます。専用チェーンに距離の目安を示す印がついていますので、これを参考に距離を設定できる優れものです。
おわりに
Minox B は機械式カメラなのでカメラとしてはまだまだ壊れることもなく動いてくれます。でも残念なことに、フィルム入手や現像サービスなどを考えると、気軽に運用することはどんどん難しくなってきています。
もうわたしがこのカメラを使うことはないだろうな、そう思うと少しさみしい気分になります。
「道具(カメラ)は使わなければ意味がない」?
でも「使えなくなった(使わなくなった)このカメラに価値はない」という訳ではないと思っています。このカメラには人々の創意工夫が詰まっていて、このカメラにはその創意工夫の記憶としての価値があると感じています。
あれ? なんかややこしいことを書きはじめてしまいましたが、このカメラ、メカ好きのわたしにとって触っているだけでワクワクするカメラです!