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マウントアダプターが届きました。
「宅配便でーす!」
今回届いたのは、焦点工房の「SHOTEN LM-LSL M ヘリコイド付き マウントアダプター」。
今回の記事は、このマウントアダプターのご紹介です。
「知ってるよ/持ってるよ」という方も多いかと思いますが、これから「オールドレンズを始めてみたい」という方を想定して、マウントアダプター の簡単な解説と、このアダプターの「ヘリコイド」の効果 を記事にしてみます。
マウントアダプターってなに?
これから「オールドレンズを使ってみたいけど…」な方のため、サラッと説明を。(あくまでサラッと)
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レンズ交換式のカメラで、レンズとカメラボディ間をつなぐ部分が「レンズマウント」または単に「マウント」と呼ばれています。
レンズマウントにはいくつも種類があります。メーカーや機種、時代によって違っていたりしますので、昔のレンズを持っていてもマウントが違うカメラにそのままつけることはできません。
そこで登場「マウントアダプター」!
(大山のぶ代さん風に)
マウントアダプターがあれば、今どきのミラーレスカメラで昔のマニュアルレンズが使えたりします。
マウントアダプターには、カメラ側のマウントの種類とレンズ側のマウントの種類の組み合わせに応じて、たくさんの種類があります。
APS-Cのカメラにフルサイズ用のレンズも付けられますが、その際には撮れる範囲が狭くなります。(レンズの焦点距離が約1.5倍になった程度に)
SHOTEN LM-LSL M
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今日宅配屋さんが届けてくれたのは、焦点工房のオリジナル商品、「SHOTEN LM-LSL M ヘリコイド付き マウントアダプター」。
カメラ側:ライカLマウント (バヨネット)
レンズ側:ライカMマウント
これは、SIGMA fp などの「ライカLマウント(バヨネット)」を用いたカメラで、レンジファインダーカメラなどでとてもメジャーな「ライカMマウント」のレンズを使うためのアダプターです。
ややこしいことに「ライカLマウント」には2種類あります。
ライカM3が登場する前のいわゆる「バルナックライカ 」に用いられていたねじ込み式のレンズマウント。
ところが、ライカのミラーレス一眼のマウント規格にも「ライカLマウント」の呼称が使われました。ややこしいですね。以降、ねじ込み式は、「L39マウント」と呼ばれたりしています。
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SIGMA fp に ライカMマウントの M-ROKKOR 40mm f2 をつけるとこんな感じ。
ちなみに、
わたしはすでに別のアダプターも使っています。
マウントアダプターのお値段ってこれくらいですよね。
ところが今回の焦点工房のアダプターは、Urth のに比べ、お値段がなんと5倍以上!
わたしも迷いましたよ、このお値段。それでも今回、追加で焦点工房のアダプターを購入した理由は…
ヘリコイド付き!
今日届いたアダプタ最大の特徴は「ヘリコイド付き」!
ライカMマウントのレンズは、魅力的なものが多く種類も豊富ですが、ほぼ共通して「寄れない(最短撮影距離が長い)」という弱点を持っています。
ところが、今回紹介した焦点工房のマウントアダプタを使うことで、この弱点を改善することができます。
外周の黒いリング部分をまわすと、最大2.5mm 5mm くらいマウントが伸びて、これによりレンズの「最短撮影距離が短くできる(被写体に寄れる)」というものです。
ヘリコイドの効果
いつもの minitar-1 で試してみると… むっちゃ寄れます!
文庫本の大きさが、ちょうど撮影範囲いっぱいに収まる感じです。
つづいて、手元にある焦点距離の違う5本のレンズで、レンズ本来の最短撮影距離が、ヘリコイドを最大に迫り出したときの最短撮影を比較してみました。(正確な値ではありません。あくまで目安程度です。)
結果 (センサー面までの距離)
32mm:約90cm が 24cm に(LOMO minitar-1 32mm f2.8)
40mm:約90cm が 30cm に(M-ROKKOR 40mm f2)
50mm:約90cm が 43cm に(CANON 50mm f1.8)
90mm:約90cm が 66cm に(M-ROKKOR 90mm f4)
135mm:約134cm が 107cm に(CANON 135mm f3.5)
ほほぉ、広角レンズの方がヘリコイドの効果は大きい(寄れるようになる)ようです。逆に望遠側では、メリットは少なくなります。(当然?)
このヘリコイドで撮影範囲がどれだけ変化するかを、写真で見てみます。
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BEFORE:レンズ本来の最短撮影距離で撮るとこんな感じ。(とっ散らかったテーブルで恐縮です)
これが、ヘリコイドを伸ばすと…
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AFTER:ヘリコイドを使うことで、これくらい被写体に近くことができました。
これならテーブルフォトも問題なく撮れますね。
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やよい軒のお漬物だって、ほーらこの通り!
(被写体ぃー)
その他インプレッション
工作精度は…、 特に不満なところはありません。カメラ側もレンズ側もしっかり脱着できます。ヘリコイドの操作性も、適度なトルク感でいい感じです。
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見た目は… うーむ…
見慣れているからかもしれないのですが、Urth の方がカッコいいかも…
あと、Urth のに比べると重いです。
Urth のが49g、今回の焦点工房のが 102g。まあ、なんの問題もないし、金属製ヘリコイド付きなんだからこの程度の重さは納得できます。
おわりに
このアダプター、前々から気にはなっていたのですが、けっこうお高いのでちゅうちょしていました。でも、SIGMA fp を使い始めて1年が経って、ライカMマウントのレンズの使用頻度がそれなりに高いことがわかってきたので、「それなら」という感じで購入に踏みきりました。
わたしは古いレンズを複数本持ち出すことも多いので、マウントアダプター も複数あったほうが何かと便利です。
ここで紹介しましたアダプターの型番は、「 SHOTEN LM-LSL M 」です。最後の「 M 」は「Macro」の「M」です。同じような見た目で価格が半額くらいの「 SHOTEN LM-LSL 」というのがありますが、これはヘリコイドが付かないタイプです。お間違いなく!
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追記20221120
書き忘れていましたので、一言追記。
ヘリコイドで寄れるようになりますが、厳密には光学性能は何かしら悪化していると思われます。まあ、わたしは気づかない程度ですし、多少の悪化より「撮れないものが撮れるようになる」メリットの方が大きいと感じています。あくまで自分の判断ということになります。
追記20240709
焦点工房さんより、新型の LM-LSL M II が出てました。
このWEBページによると前モデルからの変更点は、
ヘリコイドの精度が向上し滑らかな動作を実現
へー、前モデルでも十分なめらかだったけどね。繰り出し量が、5mm から 6mm に増加
それはいい! 少しでも寄れるので。フォーカスレバー付き
うーん、ゴツゴツするので、わたしはいらない…無限遠クリック機構付き
戻し忘れが減りそうで、これ、地味にいい!
今から買うのなら、「そりゃ新型」ですね!