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A.ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」

アントニオ・ビバルディ バイオリン協奏曲集「四季」
指揮・独奏:ジャニーヌ・ヤンセン(Janine Jansen)
オーケストラ:アムステルダム・シンフォニエッタ
収録:2014年のユトレヒト国際室内楽音楽祭から 演奏時間:約49分です。

まずは、音楽の父「バッハ」以前の、沢山の音楽家たちの作品の中から、
バロック時代を代表していただいて、バイオリン協奏曲「四季」をお楽しみください。

バイオリン協奏曲「四季」は、アントニオ・ヴィヴァルディが1725年、ローマにて作曲・出版した、12曲のヴァイオリン協奏曲集 「和声と創意の試み 作品8」の中から、第1から第4曲「春」「夏」「秋」「冬」をまとめて
称した名称です。
ただ、一体、誰がこの4曲を選びだし、”四季”と別称をつけたのかは、判然としていません。

協奏曲集という名の通り、曲は以下のような4曲の集合体になっています。

協奏曲第1番ホ長調 RV 269 「春」(La Primavera)←イタリア語
  第一楽章 Allegro
  第二楽章 Largo
  第三楽章 Allegro
協奏曲第2番ト短調 RV 315 「夏」(L'Estate)
  第一楽章 Allegro Non Molto; Allegro
  第二楽章 Adagio
  第三楽章 Presto
協奏曲第3番ヘ長調 RV 293 「秋」(L'Autunno)
  第一楽章 Allegro
  第二楽章 Adagio Molto
  第三楽章 Allegro
協奏曲第4番ヘ短調 RV 297 「冬」(L'Inverno)
  第二楽章 Allegro Non Molto
  第二楽章 Largo
  第三楽章 Allegro

楽器編成は、以下のように構成されています。
  独奏ヴァイオリン
  第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン, ヴィオラ, 通奏低音(チェンバロ)

最初から面倒くさそうなことを書いていますが、簡単に言うと、
この「四季」という音楽は独奏者が一人いて、伴奏する演奏者達が4グループあり、それが現代につながるオーケストラの原型となっているということをお伝えしたいのです。

さらに、この「四季」という音楽の、清涼極まる主旋律を弾く独奏者の
メロディと、伴奏者のメロディを聴きわけて頂いて、「和音」全体が創り出す 端麗なハーモニーをお愉しみ頂くのが、ビバルディが狙った「和声と創意の試み」なのだとご理解いただきたいのです。

この曲は「独奏者が他の伴奏者たちをリードする」という形式を強く意図
しており、協奏曲という音楽形式のモデルを創り出した、当時の、最先端の曲の一つなのです。
が、そのように演奏され始めたのは、なんと最近になってから、なのです。

音楽自体は、命が芽吹き、心浮き立つ「春」の、
「夏」のけだるい午後、陽炎の漂いを、
紅葉と枯葉の中、物思いに沈む「秋」の佇まいを、
厳しさの中にも、来るべき春の息吹が漂う「冬」の風景と心象を、
見事に描く名曲です。

バイオリニストにとっては極めて高度なテクニックを要求される難曲ですが、ダイナミックに且つ滑らかに演奏される、透明感あふれるバイオリン
独奏者の演奏とオーケストラとのハーモニーは、必ずや心に染み渡っていかれることでしょう。


尚、独奏者 ジャニーヌ・ヤンセンさんが弾くバイオリンは、1727年に製造
されたストラディヴァリウスという名器で、Barrere(バレール)という愛称が付けられている逸品であります。


⇒ それでは、J.S.バッハ:カンタータ BWV 147(主よ、人の心の喜びよ)
  へ、参りましょう。


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