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マンカラ・チャラ男が頑張る居酒屋・なに食べ

 祖父の死去から一週間が経った。もう一週間かという気もするし、まだ一週間かという気もする。

 電話を受け、福岡の実家に帰り、通夜と葬儀を済ませ、家族と時間を過ごし、戻ってきた。わかっていても辛いものは辛い。けれど、わかっていたからこそ、こんなに早く立ち直れている部分もある。

 さよならを言うことは少しだけ死ぬことだ、という有名な言葉がある。

 多分、祖父にさよならを言うことで、僕のほんの少しの部分は祖父と同じように死んだ。でも、だからこそ、また生きていけるような気がする。

マンカラ

 マンカラ、という遊びを葬儀の時に従兄弟の娘ちゃんとした。

 マンカラ、ルールは単純だけど言語化は難しいので、詳しくはこちら。

 小学校ではやっているらしく、葬儀の空いている時間、子供たちの暇つぶしにと従兄弟が持たせたらしい。対戦形式のゲームなので、従兄弟の娘ちゃんにとってほぼ初対面(あったことはあるが小さいころすぎて記憶にない)僕らが対戦ターゲットになった。

 僕はこういう時に「あー負けちゃったー」と負けてあげるのはその子に失礼と考えるタイプ(そして嫌われる)なので、本気で挑んだのだけれど、終盤に逆転されてあっさり負けた。

 あまりにも悔しかった、というか自分がどうして負けたのかわからなかったので家に戻ってから僕は速攻でアプリをダウンロードしたのだった。

 場所を選んで石を動かす、というシンプルなルールのゲームなので多分これは突き詰めれば「絶対勝てる法則」もしくは「最適解」が存在するのではないかと思う。

 だけれど、ネットを見てもそんな情報はどこにもなく、僕は来るべき再選に向けてレベルを「つよい」に合わせたコンピューターで毎日特訓をしている。年末には再戦を申し込みたいところだ。

 そして最適解と言えば思い浮かぶのがこの本。

 多分世界でも珍しい「ボードゲーム×SF」の本。こういうSFが大好物なので、今後もっと増えないかなと思う。

チャラ男が頑張る居酒屋

  実家から戻ってから、居酒屋に行った。繁華街でお店を探していて、店の前にいた髪を真っ赤に染めたチャラい風貌の男性(以下チャラ男)に誘われるままに入った。

 自分の経験上、こういう店はまずい。味も不味けりゃ店もまずい、というパターンを僕は新宿で散々学んだのだけれど、今自分は美味しいものが食べたいのではなく、座ってお酒が飲みたいだけなのだ、お酒は多分不味すぎることはあるまい、と納得させた。

 んが。

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 これがめちゃくちゃに美味しい店で、どて焼きとかはここ数年食べた中でもトップレベル、雑な中身に見える春巻きは春雨とキャベツたっぷりで逆にあっさりとしていて美味しく、ソーセージエッグは神のごとき半熟具合なのだった。チャラ男が「お客さん、魚好きっすか?」と言ったのでお勧めされるままに頼んだカワハギの刺身も安くておいしかった。

 そしてこのチャラ男、ちょくちょくお皿はきちんと片付けてくれるし、飲み物も飲み終わる頃に本当にタイミングよく聞いてくれる。飲み物を運んでくれるお姉さんも、すさまじく長いネイルがぎらっぎらのシルバーなんだけれど、細かい気配りができ、やや気難しそうな店長を見事に諫めていた。

 こうなると、このチャラ男に巷に流説する「不良が犬拾ってると一般人が犬拾ってる時より高感度高い説」が付与され、チャラ男がすさまじくいい青年に思えるし、この店にまた来ようと思うのだった。

 というか、実際にいい人なんだろうし、人を見た目で判断しちゃいけないよねっていう話ですね。

なに食べ

劇場版「きのうなに食べた?」を見た。

 原作マンガも大好きだし、ドラマ版も録画して何度も何度も見るくらい好きなのだけれど、まさか劇場版になるとは思わなかった。でも漫画のドラマ化がこれほど成功するパターン、なおかつちゃんと原作ファンが好きになれるパターンというのは珍しい気がする。

「大画面で料理ドラマを見て何が楽しいのだ」

 と弟には言われたのだけれど、大画面で見る内野さんと西島さんのやり取りの面白さに何度も口を押えて笑ったし、時には我慢できずに「フヒュッ」と声が漏れてしまっていた。特に内野さんがキレッキレの演技をしていて、時には泣かされそうになったりした。

 内容的には、個人的に「この二人で是非見たい!」とドラマ化している時から思っていた京都のエピソード(さすがに俵屋旅館は無理だったみたいだけれど)がきれいに作られていて、他のエピソードも大納得だった。

 それと、漫画ではなかなか確認のしづらかったローストビーフの作り方を映像化してもらえたのはとてもありがたかった。「結構赤身だけど」というセリフに「あ、やっぱりそれでよかったんだ」と何回かレシピをレシピ通り作っては首をひねっていた僕は胸をなでおろした。絶対DVD出たら買うなこれは。

 映画化までしちゃうとドラマにまた戻るのは難しいのかもしれない、というかそもそもこのドラマ全体的にキャスティングが豪華すぎると思うのだけれど、特別編とかでいいからまたドラマ作ってほしいなぁと思う。

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 あと久しぶりに映画館でポップコーン食べたけど、キャラメルポップコーンて時たま無性に食べたくなるし、食べると「これこれ!」となる不思議な食べ物だと思いました。

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