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2021年の初めに。
初日の出がとっくに昇ってしまった後で目覚めた快晴の朝。帰省しないで迎える元旦は、遥か昔に一度だけ、バルセロナで年越しをした時以来だ。
大慌てでお雑煮の準備をしながら、寝室の壁に飾ってあった子年の色紙を、母が送ってくれた丑年の新バージョンに取り換えた。会えなくても、毎年もらう干支デザインの手作りちぎり絵色紙と共に、清々しい新しい年が始まった。
目黒不動尊にお参りすると、いつも通りの屋台が並ぶ、穏やかな賑わいがあった。昨日の感染者1300人超をふまえて、境内のあちこちには消毒液が置かれ、互いに距離を意識しながらのお参りだったけれど、平凡だけど大切な日常を取り戻そうとする思いを強く感じた。
おみくじは大吉。「短気を戒めて身を慎み、何事も心静かに他人とよくよく相談して事を進めれば、すべて心のままになるでしょう。」という言葉をもらった。悩み多かった去年の小吉御籤を結び置き、今年の運気を大切にしようと思った。たとえ全てが思いどおりにならないとしても、素直な気持ちで取り組めば、きっと心の霧が晴れるはず。
お参りのあとは、もちろん雅叙園の百段階段へ。新春の文化財見学「百の縁起もの」だ。いつもは展示品に気をとられて見逃してしまう美しい設えを、ひとつひとつ鑑賞するのが思いのほか楽しくて、時間を忘れてしまった。
今日は、良い一年のはじまりを過ごすことができた。タイトル写真は、雅叙園のひとつ前の催し「和キルト×百段階段」で一番好きだった、鷲尾三江子さんの作品「年のはじまり」。さぁて、心静かに前に進もう。