ストレングスコーチになる ~ウリがなければ、話にならない~
コーチングを学んだ仲間が先に進んでいくのを見て、焦りを感じたワタシ。まずは行動しようと「ストアカ」という、マーケットプレイスに登録した。
「ストアカ=ストリートアカデミー」は「教えたい人と学びたい人が集まる、学びのコミュニティ」と謳われていて、スキルを教えたい人が講師として講座を開設し、そのスキルを学びたい人がそれに申込むスタイル。講師も生徒も登録は無料だけれど、講師には本人認証など手続きが必要だ。
似たようなマーケットプレイスとして「ココナラ」がある。こちらはスキルを教える/学ぶのではなく、スキルを売る/買う仕組。コンセプトが少し違うが、どちらもコーチングやメンタリングが登録されているところは同じ。
ひとまず「ストアカ」に登録し、講座オープンしてはみたけれど釈然としない。私が提供する講座には特徴がないのだ。似たような講座が極めて安価に提供されていたりもして、現時点では、選ばれるべき理由が(どんなに贔屓目に見たとしても)見当たらない。かといって、安売り競争には参加したくない。実績ゼロで集客活動も積極的にやっていない状況において、誰かが偶然申込むというのは考えにくい雰囲気が漂っているのである。
さて、この状況で、次はどう行動するか。
じゃあ集客がんばる、と、知り合いに宣伝しまくるべきとも思えない。間違った方向に全力で走るのだけは避けなければ。ここは一度立ち止まって考えなきゃ、と感じるのは、30年超の経験が発するアラートである。まずは状況を整理しよう。
B2Cマーケットを狙うなら、次に登録すべきは「ココナラ」だろう。実のところ、「ストアカ」と「ココナラ」は、事前比較をして、どちらから着手しようか迷ったところだ。認知度で言えば「ココナラ」優位、というのは周囲へのヒアリングで分かっていたけれど、あえて「ストアカ」登録から始めたのには、もちろん理由がある。
比較記事をあれこれ読むと、「ストアカ」のほうが講師登録のハードルが高い分、信頼性があると説明されていた。私の特長は(自分で言うのもなんだけど)全く怪しくないことである。そこをアピールできるのは悪くないかもなー、と思ったのだった。
だが、実際のところ、講師やコンテンツのバリエーションという点で、両サイトにさほど大きな違いはなさそうだ。異なるのは、カスタマージャーニーというか、サービス設計の柔軟性のところ。最初に講座日時を設定して募集するスタイルの「ストアカ」に対して、サービス購入を決めてから日程調整をする「ココナラ」のほうが、どうやらやり易そう。これは、ストアカの講座設計に苦戦して、気づいたことだった。
一方、B2Bマーケットを狙うなら、「ランサーズ」「クラウドワークス」への登録が有効そうだ。これもまずどっちから登録しようかな、と比較をしてみたが、大きな差はないようだ。それでも、私は案件数が圧倒的に多い「クラウドワークス」ではなく「ランサーズ」への登録からスタートした。
「ココナラ」でなく「ストアカ」、「クラウドワークス」でなく「ランサーズ」…こうなると、単なるへそ曲がり疑惑が浮上してくる。が、最終的には全て登録していけば良いだけなので、いま気にするのはやめておく。
やっぱり大事なのは顧客を絞り込むこと。マーケティング、基本のき、だ。誰にアピールするのか、そのためにウリとなるものは何なのか。つまり、私のコーチングスキルが「誰に」「どんなふうに」役に立つのか、他のコーチとの「違い」はどんなところにあるのか、解像度を上げて考えなければ。
今月末に33年4カ月働いた企業から退社する私。実は昨日が最終出社日で、これまで一緒に働いた人たちが書いてくれた激励メッセージを受け取った。うるうるしながら、それらに目をとおしていて、気づいたことがあった。
長い会社員人生において、私はマニュアルが存在しない案件ばかり担当してきた。前例のないイベント推進や新規事業提案のためのPoCなどだ。要は、決められたとおりにやるのが苦手だっただけ、という事情もある。ともあれ、受け取ったメッセージの多くが、アドホックなイベントやプロジェクトで一時的に関わった懐かしいメンバーからのコトバだったのだ。
手順書がなく、方向性だけが示されている状況で、自らターゲットを設定して、どうやってそこに到達するのかを考えながら進んでいく。そういうシゴトは私の特性に合っていて楽しかったし、様々な挑戦から多くを学ぶことができた。
まず、チームがひとつの目標に向かって進んでいく時に大切なことは何か。欠かせないのは、ひとつの目標に向かって、メンバーひとりひとりの力が活きるフォーメーションをつくること。そして、リーダー/マネージャーは、メンバーが自分の役割に集中できるよう、様々な制約条件や異なる意見をフレキシブルに調整していく任務を負う。経験を重ねるうち、私はそんな活動の牽引役を引き受けることが増えていった。
懐かしいメンバーから受け取ったメッセージには、当時の私が、困難に立ち向かいながらどんなに活き活きしていたかを思い出させてくれるコトバが詰まっていた。改めて気付かされたのは、私はその手のシゴトが向いている、とにかく好きで得意だということだ。これまで培ってきた経験知を活かせる、自分自身が価値を生みだせる領域は、そこなのだ。
今の私が提供しうる最も価値あるコーチングプログラムは、プロジェクトマネジメント、チームビルディングを主軸とした、プロジェクトリーダー、チームマネージャー向けのものになるだろう。
満を持して無職になった私には、未来に向けてやるべきことにフォーカスする時間がたっぷりある。早速サービスデザインを見直して、必要な行動を起こそう。人生後半戦は始まったばかりだ。
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