沈黙の失踪・・・セガール、消える / エグゼティブ・デシジョン
55点 / 100点
撮影中にカート・ラッセルがスティーヴン・セガールとの共演を拒否したり、ラッセルとジョン・レグイザモが喧嘩をしたり、目立った出演作のないハル・ベリーが100万ドル以上のギャラを受け取ったり、と作中よりも撮影の裏側の方が注目を浴びる本作。
当時のセガールには、セクハラと妻へのDV疑惑があり、そのことを知ったラッセルはセガールとの共演に対して消極的に。その結果、セガールは戦いの末に死ぬ設定だったのに、早いタイミングで事故死する脚本に変更となった。同様の理由で、セガールはオープニング・クレジットから外されている。
何をされたかは明言してないが、レグイザモもセガールに対してかなりの不満があったとのこと。
ワーナー・ブラザーズが【フォレスト・ガンプ/一期一会】を【レインマン】の二番煎じでコケる判断して、プロジェクトを中断しようとしていた。その話を聞きつけたパラマウント・ピクチャーズは、本作の権利をワーナーに譲り、【フォレスト・ガンプ/一期一会】のプロジェクトを引き継いだ。
結果は明らかだが、【フォレスト・ガンプ/一期一会】の圧勝。ちなみに両作の製作費はほぼ同じだ。
〈あらすじ・ネタバレあり〉
1995年5月、イタリアのトリエステ郊外。
アメリカ陸軍のトラヴィス中佐(演. スティーヴン・セガール率いる特殊部隊はチェチェン・マフィアの隠れ家に踏み込むが、彼らによって奪われた神経ガスDZ-5は見つからず、最も危険なテロリストの1人・ヤファ率いるテロ組織に売られた後だった。
1995年8月。
陸軍特殊部隊はヤファを捕えることに成功する。その10日後、アテネ発ワシントンD.C.行きの航空機オーシャニック航空343便が、ヤファの右腕・ナジによってハイジャックされる。
ナジらテロ組織は、5000万ドル相当の金塊とヤファの釈放を要求してくるが、陸軍情報部の顧問・グラント(演. カード・ラッセル)は、彼らの真の目的がDZ-5をアメリカ国内で使用することだと見抜く。
グラントとトラヴィス中佐たち特殊部隊、軍の研究者・ケイヒル(演. オリヴァー・プラット)は、軍用機と343便の下部にドッキングして機内への侵入を試みる。
しかし、乱気流に飲まれて軍用機は墜落してしまい、トラヴィス中佐だけが機内に乗り込めず・・・。
なんとここでセガールが退場するという痛手。まあ、セガールが乗り込んでたら【沈黙】シリーズになってしまうので仕方ない。
機体の下部を経由して調理室に隠れたグラントたちは、勇敢な客室乗務員・ジーン(演. ハル・ベリー)と密かに連絡を取り合いながら、反撃の機会を伺う。
DZ-5の他に爆弾も積み込まれており、遠隔から爆発させることも可能だと判明。乗客の中にも、テロ組織のメンバーが紛れ込んでいた。
グラントと特殊部隊はテロリストたちを射殺するが、ナジが死の直前に銃を乱射して操縦士を殺害。
グラントとジーンは協力して343便を操縦し、無事着陸する。